システムレベルでの電力消費 10分の1を実現
"ADuCM4050"は、アナログ・デバイセズ社 が提供している超低消費電力マイコンです。
Arm® Cortex®-M4 を搭載しているため、低消費電力と高度な演算処理を実現することができます。大容量128KB SRAM、512KBエンベデッド・フラッシュ・メモリーを搭載しており、センサー・ノード側での信号処理をおこなうことでホスト側へのデータ量を減らすことが可能です。
また、ADuCM4050 に搭載しているSensorStrobe技術を利用することで、センサーでのデータ収集、RF通信をしている間も低消費電力モードを維持することが可能です。そのため、システムレベルでの消費電力を大きく削減することができます。
ADuCM4050には、以下の4つの大きな特長があります。
- 強力な暗号化でIoT機器のデータを保護
- 超低消費電力で、動作寿命と充電間隔延長に大きく貢献
- デジタル・アナログインタフェースで、センサー接続が容易
- システムレベルで電力を削減するSensorStrobe技術
それぞれの特長について、以下に解説します。
1. 強力な暗号化でIoT機器のデータを保護
IoT アプリケーションでは、無数のセンサーから収集したデータをRF通信によってホスト側へデータを転送することが一般的です。そのため、情報漏洩への対策が極めて重要です。
ADuCM4050 には電子コードブック (ECB)、暗号ブロックチェーン (CBC)、カウンター (CTR) などのモードと、セキュアハッシュアルゴリズムSHA-256を備えた高度な暗号化標準AES-128およびAES-256をサポートする暗号化ハードウェアを備えています。
IoT アプリケーションにおける収集データを安全に保護することができます。
2. 超低消費電力で、動作寿命と充電間隔延長に大きく貢献
ADuCM4050 は超低消費電力を実現するために、複数の電力モードを備えています。アクティブ・モード時には41µA/MHzで動作し、休止モードでは650nAまで減少します。休止モード時でもSRAMおよびフラッシュ・メモリーのデータを保持することができます。
そのため、休止(スリープ)モードからのウェイクアップ時に素早くデータを取得でき、電力消費を抑えることができます。
動作モード | 消費電力 |
アクティブ時 | 41 μA/MHz |
休止モード時 | 650 nA(typ) |
シャットダウンモード時 | 50 nA(typ) |
高速ウェイクアップ時 | 200 nA(typ) |
3. デジタル・アナログインターフェースで、センサー接続が容易
ADuCM4050 には一般的なデジタルインターフェース SPI、I2C、UARTと、アナログ/デジタルコンバーター (ADC) に加えてクロッキング、リセット、パワーマネージメント機能などのアナログサブシステムを備えています。
IoTアプリケーションに必要なセンシングおよび計測機能を1チップで実現できます。
4. システムレベルで電力を削減するSensorStrobe技術
ADuCM4050 には独自のSensorStrobe機構が搭載されています。一般的なマイコンを利用したIoTアプリケーションではソフトウェア上でGPIOを利用してパルスを生成し、センサーを特定の間隔でトリガーしてデータを収集します。そのため、一般的なマイコンではかなりの量のソフトウェアオーバーヘッドが発生し、電力を消費します。
SensorStrobe技術はセンサーにおけるデータ収集に必要なトリガーパルスを、CPUコアを停止させた状態で発信する機能です。この機能によりセンサー側でのデータ蓄積後にCPUを起動し、データ受信およびデータ処理をおこなうといった動作が可能です。優れた演算処理性能 と SensorStrobe 機能による相乗効果により、アクティブモードの時間を最小限に抑え、休止モード状態をより長くすることで、システムレベルでの電力削減を実現します。
ADuCM4050 を開発するための開発キット
ADuCM4050 を容易に開発するためにアナログ・デバイセズ社から開発キット "EV-COG-AD4050" が提供されています。
EV-COG-AD4050ボードを使用するためには、以下の開発環境が必要です。
- Crosscore Embedded Studio 2.7.0以降 - Eclipseベースの開発環境
- ARM 8.20以上のIAR Embedded Workbench
- Keil uVision 4以上
- ARM mbedコンパイラー
ハードウェアの詳細はこちらをご覧ください。
EV-COG-AD4050LZ MCU Cog [Analog Devices Wiki]
この評価ボードは、以下の方法ですぐに評価を開始することができます。
1. 開発環境をセットアップする
開発用PCにARM用IAR Embedded Workbenchをインストールし、セットアップします。
- IAR Embedded Workbench for ARM(バージョン8.20.1以上)
EV-COG-AD4050 専用の以下のドライバーなどをダウンロードし、インストールをおこないます。
- ARM CMSISパックAnalog Devices ADuCM4050 Device Family Pack (DFP)
- Analog Devices EV-COG-AD4050 Board Support Package (BSP) / オフチップ・ドライバーおよびサンプル
2. IAR Embedded Workbenchを起動
ARM用IAR Embedded Workbenchを起動し、[1.] でダウンロードしたソフトウェアを読み込みます。
3. サンプルプロジェクトを実行し、評価を開始
IAR IDEにて新規プロジェクトを作成し、サンプルプログラムを指定します。
プロジェクトをコンパイル、ビルド後、CMSIS-DAPにより 評価ボードへダウンロードします。
「実行」アイコンをクリックすることでサンプルプログラムを開始することができます。
以上のような手順で、サンプルプログラムを利用してすぐに動作確認をおこなうことができます。
アプリケーション例
- IoT 機器
- スマートマシン
- スマートビルティング
- スマートメータリング
- スマート農場、センサー・ネットワーク
- ウェアラブルデバイス
- バイタル・サイン・モニタリング/生体情報
- フィットネス、医療
製品概要
型 名 | ADuCM4050 |
仕 様 |
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