ANTERAS
アンテラス
AIによる脆弱性爆発時代、いかに脅威へ備えるか「予防型セキュリティ「ROC」という新常識」
株式会社マクニカ
ネットワークス カンパニー
セキュリティサービス事業部 技術部 部長
笠井 大騎
株式会社マクニカ
ネットワークス カンパニー
セキュリティサービス事業部 営業部 部長代理
神田 雅史
「全てのリスクに対処する」はもはや不可能
ランサムウエアをはじめとするサイバー攻撃が急増し、セキュリティ担当者は対策に追われています。現状と本来あるべき姿についてどう捉えていますか。
笠井 大騎
笠井:デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みによってデジタル資産が急増するに伴い、サイバー攻撃の入り口となる「システムの脆弱性」の存在も多くなります。対応するべき脅威は増加の一途をたどる一方で、企業の情報システム部門は多忙かつ人手不足です。リスクに対して優先順位を正しく設定し、効果的に対応をしていくべきですが、リスクが多過ぎてどこから手を付けていいのか分からず、守れていないのが現状です。
神田:脆弱性の深刻度を評価する「CVSS(共通脆弱性評価システム)」という国際的な指標はすでにあるのですが、企業はそうした情報を有効活用できていないのが実情です。その背景の一つは、昨今ではスコアが高止まりし、大半の脆弱性の優先度が高い状況になっていること。もう一つは「スコアが高くても現実的に攻撃に使われにくいもの」やその逆のパターンがあることです。すなわち、自社の状況を考慮した「真のリスク」を見極め、自社に本当に適した優先順位で対応しなければならないということです。
すでに多くの企業がSOC(Security Operation Center)を運用していますが、被害報告は後を絶ちません。従前のSOCによる対策では不十分ということでしょうか。
神田 雅史
笠井:サイバー攻撃は「入り口」で食い止めることがますます困難になり、昨今ではEDRなどによる「侵入されても素早く検知・対処して被害を防ぐ」というアプローチが重視されています。SOCも主にインシデント発生後の対応を担うものです。しかし、脆弱性情報が膨大化した現在、すでに処理しきれない状態になっている他、脆弱性が公開されてから攻撃者が実際に侵入するまでの時間も短くなっており、事後の検知・対応だけでは限界です。だからこそ「攻撃が起きる前からリスクを把握して対処すること」が求められています。
神田:米調査会社のガートナーも「Preemptive Cybersecurity(先制的サイバーセキュリティ)」を提唱し、2030年に企業のITセキュリティ支出の50%以上が予防に向くとの見解を示しています※。こうした背景を踏まえ、従来のSOCを補完するものとして登場したのがROC(Risk Operation Center)という概念です。
※出典「Gartner Says That in the Age of GenAI, Preemptive Capabilities, Not Detection and Response, Are the Future of Cybersecurity」
「攻撃の前」に動く、予防型セキュリティ「ROC」という方法論
具体的にROCとはどのようなものでしょうか。
笠井:SOCがインシデント発生後の検知・対応を担う「リアクティブ(事後対応型)」な仕組みであるのに対し、ROCはその前段として「プロアクティブ(予防型)」にリスクを管理する枠組みです。攻撃に悪用される前に対処すべき脅威を正しく絞り込み、組織全体のリスクを継続的に低減していくための方法論です。語感からSOCと対比されがちですが、SOCのように何か具体的な組織を意味するものではありません。
神田:具体的な運用の流れを説明すると、まずステップ1にて世の中のリスクを見極め、その後のステップ2で資産状況を把握し、それが自社に関連するリスクなのかを確認します。リスクであればステップ3として優先順位付けをし、ステップ4でリスクに対処します。資産状況は随時変わるので、最新の状況に対して脆弱性が出たら再度優先順位付けをしてリスクに対処するというプロセスを回し続けます。
マクニカが考えるROCに基づく運用モデル
「把握」から「対処」まで、ANTERASが担うもの
ROCは特定の製品でも組織でもなく方法論ということですね。企業がROCを取り入れるにはどうすればいいでしょうか。
笠井:リスクを網羅的に把握することを目指す考え方を持つことが重要です。ただしリスクの絞り込みや優先順位付けを適切に行うことが最も難しく、これがこれまで企業がROCを取り入れられなかった最大の障壁でした。そこでマクニカでは、ROCの考え方を実装した「ANTERAS」というサービスを新たに提供開始しました。
弊社では、すでに攻撃対象領域を継続的に可視化し、脅威の侵入口となり得るリスクを把握・評価するソリューションとして「Macnica ASM」を提供し、リスクを正しく把握しコントロールするためのナレッジを蓄積しつつ、市場からも高い評価を得ていました。ANTERASではこのMacnica ASMをベースに、ダークウェブ監視、Web脆弱性診断、CSPM(クラウドセキュリティ態勢管理)、脅威ハンティングといった機能群を追加し、ROCのプロセス全体を支援するプラットフォームとして構成しています。
ANTERASでは、あらゆるリスクを見てその中で優先順位付けをして、それがお客さまに関係あるのか判断し、お客さまの資産とリスクを管理する専用のポータルに通知して、実際の対処まで伴走支援を行います。ランサムウエア攻撃に対しても、攻撃者がどこを狙っていくかを先読みし逆算して機能を追加していっているので、自然と対策ができる形になっています。
ANTERASプラットフォームの全体像
似たようなサービスは他にもあると思いますが、ANTERASの優位性は何でしょうか。
神田:一つは弊社の「セキュリティ研究センター」のインテリジェンス(情報収集・分析)です。2013年の設立時から蓄積した知見に加え、日本の組織に特化した形で脅威対策を研究しているため、日本企業に最適なリスクの優先順位付けが可能です。もう一つが、定着まで支援できることです。特に情報システム部門では通達や確認の連絡業務が重荷になっているので、我々がその部分を代行することに大きな価値があると考えています。
最後にメッセージをお願いします。
笠井:脆弱性対応が機能しないのは、全てに対応しなければという考え方に固執し、対策が中途半端になっているという背景があります。人的リソースに限りがある中、やはり優先順位付けが重要であり、そのためにはリスクの把握が第一歩になります。セキュリティ製品からアラートが上がった際、何も知らなかった場合と事前に把握していた場合では対応の速度も変わります。ROCの考え方を取り入れて速やかに動ける体制を構築しましょう。
神田:直近では、脆弱性発見に驚異的な能力を持つAIモデル「Claude Mythos」がメディアでも度々取り上げられていますが、生成AIの普及によって、2年以内に間違いなく脆弱性情報の「大爆発」が起きます。今のタイミングで考え方を変え、勇気を持ってリスクを絞った予防型のセキュリティ対策で備えましょう。その際には、導入・定着から対処まで弊社がしっかりとお手伝いします。
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