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Databricksアーキテクチャ概要:データからAI活用まで一気通貫

企業にとってデータは単なる保管物ではなく、分析・意思決定・AI活用のための重要な資産です。しかし多くの現場では、「データが社内外に散在している」「形式や品質がバラバラ」「保存しているだけで活用できていない」という課題を抱えています。

Databricksのデータ・インテリジェンス・プラットフォームは、こうした課題を解決するために、「収集と統合 → 加工 → 活用 → ガバナンス・運用」の全プロセスを1つの基盤でカバーします。特徴的なのは、データをDatabricks内部に“腹持ち”せず、S3やAzure Data Lake Storage(ADLS) Gen2などの外部ストレージ上で直接扱えることです。さらに、Delta LakeやApache Icebergなどのオープンフォーマットを使用しているため、ベンダーロックインを避けながら長期的に活用できます。

Databricksアーキテクチャ概要:データからAI活用まで一気通貫

本記事では、Databricksのアーキテクチャを4つのフェーズに整理し、それぞれの役割と代表機能をわかりやすく解説します。

1. データの収集と統合

役割:

社内の基幹システム、クラウドサービス、IoTデバイスなど、散在するデータを集め、分析やAIで使える形に統合します。Databricksは外部ストレージのデータを直接参照できるため、大量のデータを移動させる必要がなく、迅速に活用を開始できます。

1. データの収集と統合

代表機能:

  • Lakeflow Connect / Lakehouse Federation
    • Lakeflow Connect(マネージドコネクタ):Oracle・SQL Server・Salesforce・ServiceNow・S3/ADLS/GCS・GA4 など多様なソースに接続し、スケジュール実行や増分取り込みに対応します。
    • Lakehouse Federation(クエリフェデレーション):外部DB/ウェアハウスへプッシュダウン実行し、コピー不要の直接参照を実現します。

2. データの加工

役割:

収集したデータは、そのままでは形式の違いやノイズが多く人が理解できる形になっていないため、分析やAI活用に適しません。このフェーズではクレンジング(不要情報の除去)、変換、統合を行い、品質を高めます。DatabricksはDelta Lakeを活用してACIDトランザクションやバージョン管理に対応し、誤更新防止や過去データの復元も容易に実施することが可能です。

2. データの加工

代表機能:

  • Spark/Photon:Apache Sparkの使い勝手はそのままに、実行エンジンをDatabricksが提供する専用のエンジン”Photon”へ切り替えるだけで処理を高速化できます。これにより、SQL/Delta中心の処理は短時間で完了し、より小さなクラスターで運用できます。ダッシュボードやデータマート生成、ETL前処理などで同等業務を低コストに回せます。
  • メダリオンアーキテクチャ:ブロンズ→シルバー→ゴールドと段階的に品質を向上させるデータ加工のベストプラクティスです。
  • Delta Lake:オープンフォーマットにより他ツールとの互換性も高く、ACIDトランザクション対応のため複数ユーザーやジョブから同時アクセスしても整合性を維持します。

3. データ可視化・AI活用

役割:

加工・整形された高品質なデータは、分析・可視化やアプリケーションへの展開を通じて、実際の業務価値を生み出します。

このフェーズでは、BIツールによる意思決定支援、機械学習モデルによる予測、生成AIによる自動化など、多様な活用が可能です。

Databricksは、エンジニアだけでなくビジネスユーザーや業務現場でも扱いやすい機能を備え、データ活用の民主化を加速させるための機能が拡充されており、最近ではGenieAgent BricksといったAIアシスタント機能も追加されています。

代表機能:

  • Agent Bricks:業務プロセスを支援するAIエージェント
  • Databricks Apps:社内データやAIアプリをDatabricks上で開発・展開できる社内アプリ基盤
  • Genie:会話形式で分析やレポート作成を支援する生成AIアシスタント
  • MLflow:AIモデルの実験・管理・運用を一元化

4. ガバナンスと運用管理

役割:

データ活用が広がるほど、アクセス権限や共有方法、運用体制の重要性は高まります。このフェーズでは、全データ資産の管理・保護・運用を一元化し、“安全”と“効率”を両立するための基盤づくりを担います。権限の不備や共有の不透明さを解消することで、安心してスケール可能なデータ活用を実現します。

代表機能:

  • Unity Catalog:全データ資産を一元管理し、細かい権限制御・監査を実現。
  • Delta Sharing:他クラウドや外部組織との安全なデータ共有。
  • Workflows:データ処理やAIジョブの自動化・スケジューリング。

まとめ

Databricksは、外部ストレージ上で直接データを扱える柔軟性と、オープンフォーマット対応によるベンダーロックイン回避を両立したプラットフォームです。「収集から加工、AI活用、ガバナンスまで」を一気通貫で実現し、初心者でも扱える自然言語・ノーコード機能と、エンジニア向けの高度な機能を兼ね備えています。これにより、企業全体でのデータ・AI活用をスピードアップし、長期的な競争力を支える基盤となります。

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株式会社マクニカ  Databricks 担当

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