NASCAR史上初!本戦レースでも脳波計測!?~プロレーサーのレース本番中の脳波はどうなっているのか大調査~

前回の記事にて練習走行中の古賀琢麻選手の生体情報を収集できたことはレポートさせていただきましたが、今回は、なんとNASCARのレース本番中の古賀選手の脳波を計測してきました!
▶前回の記事はこちら
レース本番中に生体情報を計測することはNASCARにとっても前代未聞の初の試みで、本来ならレースに関係のない物の車内持ち込みは禁止されていますが、今回は特別に許可を頂き脳波計測デバイスをレース中の古賀選手に貼ることが出来ました。
デバイス写真
NASCARレース情報
今回脳波を計測してきたレースは、6月7日にカルフォルニア州のソノマにて開催されたNASCAR Westシリーズ(https://www.arcaracing.com/arca-menards-series-west/)General Tire200です。
レース場写真
今回のレースでは古賀琢麻選手は弊社のロゴがメインのラッピングでレースに参戦していただきました。古賀選手の#7と弊社ロゴが映えてとてもかっこいい車体です。
ソノマはサンフランシスコのノースベイ地域に位置し、ナパに次ぐ人気を誇るプレミアムワインの産地です。広大なワイン畑と数々のワイナリーがあり、週末になるとワイン好きが集まる地域ですがレース期間中は北米中のNASCARファンで溢れかえりました。
ワイン畑の様子
ソノマレースウェイは、起伏の富んだトラック地形に加え、ブラインドコーナー、タイトなヘアピンターン、緩やかなカーブが混在して難易度が高く、ドライバーの戦略的な走りが試される難しいコースです。今回は127.36マイル64周を31台で競うレースでした。
レース本番は午後3時半開始で2時間強ですが、その前にも準備・練習・ファンサービスなど早朝から夕方まで古賀選手は大忙し。
スケジュール
デバイス装着
ソノマの気候は朝寒く日中は30℃近くまで気温が上がります。かつレース中はレーシングスーツ、ヘルメットを装着しなければならず汗だく間違いなし。さらにはHaulerと呼ばれるレーサーの休憩所を兼ねる輸送トラックが当日使えず、どこのタイミングで脳波デバイスを装着するかは非常に悩ましい判断でした。
従来の脳波デバイスは有線タイプが多く、動いたり汗をかくと測定に大きく影響し、そもそもデバイス形状の都合でヘルメットは被れないなど数々の制約がありました。そこで今回はシールタイプの画期的な脳波デバイスを使いました。無線通信で邪魔な線もなく、これなら動きながら計測可能・フルフェイスヘルメットも装着可能ということで仕様上は問題ないけれど、NASCARのような過酷なレースの本番ではどうなのか!?
前代未聞の実験開始です。
レース開始
レースになるべく影響が出ないよう、脳波デバイスは朝早い練習の合間に装着することにしピリつく本番前にもかかわらず古賀選手は快く協力していただきました。
脳波デバイスのBluetooth通信が問題ないことを確認した後、古賀選手には朝10時からレース終了後の18時まで通しで脳波計測をつけたまま過ごしていただきました。
脳波の管理画面
気温30度近い日陰もない炎天下、レーシングスーツを着用、ヘルメット着用、2時間レース車体(もちろん空調なし!私も乗せていただきましたが一瞬で暑すぎて汗だくでした)での運転、脳波計測においては最悪の状況で一体どうなる!?
レース後
レースは途中でマシントラブルがあったにもかかわらず古賀選手が快進撃を魅せてくれました!
どんなトラブルがあったのか、レースの実際の映像はこちら
レース終了後に古賀選手の元へ駆けつけ脳波計測デバイスの状態を確認したところ、殆どの電極は無事でした。約8時間つけっぱなし、汗だくの状況下でも耐えられる脳波デバイス凄すぎる。。デバイス自体は問題なさそうですが肝心の計測結果は・・?
計測結果
後日、脳波分析結果とレースの録画を照らし合わせながら、当日レース中になにが起こっていたか古賀選手に思い出していただいたところ、下記の結果が表れていました。
\計測データの詳細に関してはこちら/
NASCARレース本番での初計測、長時間の計測ということもありきちんと正確なデータが取れているか不安もありましたが、古賀選手の記憶、レースの録画、脳波データと3つの情報を確認したところ概ね整合性がとれていることが確認できました。
まとめ
今回はNASCAR本番レースの過酷な状況下で脳波は取れるのか?という観点で脳波計測のみの挑戦でしたが、今後は脳波以外の生体情報も収集していきたいと思います。
今回の結果を踏まえて、今後も引き続き様々な環境で生体情報を収集して分析・解析する挑戦を継続していきます。
マクニカは、これからも古賀選手をサポートしていくと同時に、生体情報の収集にも注力し、モータースポーツの支援、ひいては一般社会における安全で快適な自動運転技術、次世代モビリティの開発を支援していきます。
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