ニューロマーケティングとは~脳から思考や感情を直接読み取る次世代型マーケティング~

はじめに

企業や広告主にとって、特定の製品に対する消費者の好みを予測・調査することは非常に重要です。
人気または消費者から好評を得る製品を生み出すことにより、顧客の満足度とロイヤリティを高め、ブランディングを向上させることがいまの経営には求められています。

古くからの日本の製造業に見られる「良いものを作れば売れる」という作り手志向の考え方は見直され、近年では顧客や市場のニーズを徹底的に調査し、必要あればニーズそのものを生み出すというような顧客志向の考え方にマーケティングの基本思想が移行していると言えるでしょう。

またスマートフォンをはじめとするデバイスの進化や、最近ではコロナウィルスの影響に起因するデジタル推進の追い風もあり、企業は「誰に」「どのように」情報を発信すべきか?という広告戦略に対して非常に多くのリソースを投下するようになってきています。

今回はそのような需要が増えていくマーケティング活動のなかで最近注目を浴びているニューロマーケティングという新しい調査手法について説明していきたいと思います。


※本資料は作成日現在における情報を元に作成されておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。

ニューロマーケティングとは

これまでマーケターにとっては、顧客の感情や単純なアンケートに現れない顧客の行動原理は分析し得ないものでした。

私たちの口から発せられる言葉は必ずしも脳で起こっていることを完璧に表現するものではなく、従来のアンケート形式の回答では様々な認知バイアスがかかってしまい、自分ですら意識をしていない回答をしてしまうものでした。
そのような中で新しく、「ニューロマーケティング」という調査方法が出てきました。

ニューロマーケティングは消費者の好みや、動機、最終的な購入決定を下すきっかけとなるものを説明することを目的として、視線や脳波などのような生理学的及び神経学的信号を測定するマーケティング調査手法のことを指します。
ニューロマーケティングはここ10年ほどでゆるやかに研究が進み、民間企業においての導入事例も増え、4000億ドルの市場潜在力があると推定されるまでに成長しました。(「Khurana et al 2021 ,
https://www.researchgate.net/publication/350024422_A_Survey_on_Neuromarketing_using_EEG_Signal」参照 )


ニューロマーケティングを実施するためには様々な手法があり、大きく分けて「脳内の活動を記録する手法」と「脳外の活動を記録する手法」の2つに分類することが出来ます。
なかでも脳内の活動を記録する代表的な方法は以下になります。

 ① 磁気によって血液の酸素化の変化を測定する機能的磁気共鳴(fMRI)
 ② 頭皮に配置された電極を使用して、活動が活発な脳の領域を分析する脳波測定(EEG)
 ③ 脳内に近赤外線を照射し、血流の変化を測定する近赤外線分光法 (NIRS)
 ④ 神経活動によって生成される磁場を測定する脳磁図(MEG)

詳細はこちら

弊社でも使用しているEEGは fMRIやMEG等と比べコストが低く、ニューロマーケティングでは最も広く使用される手法の一つとされています。EEG信号を使用して消費者の感情を調査する場合、対象の製品を見ている時のパワースペクトル密度(PSD)を計測することが最も一般的とされています。


他にも脳外の活動を記録する方法としては以下のような手法があります。

 ① 筋電図を使い、顔の筋肉の動きから不随意の感情変化を読み取るEMG(electromyography)
 ② 被験者が見ている対象物を視線から追跡し分析するアイトラッキング


これらは単一の手法で実施されることもあれば、上記に挙げる複数の技術を組み合わせてより予測値の精度を上げるようなケースもあります。

脳波によるニューロマーケティングでできること

ニューロマーケティングの活用対象は、クリエイティブな広告の作成、製品開発、価格設定など幅広い分野にわたります。
中でも脳波(EEG)を使ったニューロマーケティングでは製品に対するエンゲージメント評価や、ユーザーの期待値に対する評価(FRN)、音楽がユーザーに与える感情変化などといった調査が可能です。

これによって企業は、従来の製品にどのような演出を加えるとより魅力的な製品づくりができるかといったクリエイティブデザインの指標として活用することが出来たり、販売店舗で来場者のエンゲージメントが高くなるような売り場レイアウトの設計に生かすことが可能になったりします。

導入事例

事例① 株式会社PLUS様
中高生を対象とした「エモい効果音」を聞いた時の各効果音における感情の動きを分類

  • 株式会社PLUS様事例

事例はこちら
https://www.macnica.co.jp/business/ai/manufacturers/innereye/case_innereye_case_1.html




事例②:Pasona Job hub様
オフィスワークに対する従業員のエンゲージメント測定(仕事への集中力、興味度、疲れの測定)

  • Pasona Job hub様事例


事例はこちら
https://www.macnica.co.jp/business/ai/manufacturers/innereye/braintech.html

脳波解析を活用したソリューション導入に関するご相談はマクニカへ

情報のパーソナル化が進むなかで、個人の無意識のインサイトを測定できるニューロマーケティングは今後ますます需要を増していくことでしょう。マクニカでは国内・海外のパートナーを含めたプロフェッショナルな人材リソースを活用し、脳科学技術の社会実装を進めていくことを推進していきます。もしニューロマーケティングに関する質問やご要望などありましたらぜひ一度マクニカへご相談ください。

無料デモンストレーション

デモンストレーションのご案内

実際に脳波を測定してみませんか?
脳波をベースにした「熟練者の技能伝承」とは?人間の意識、判断を学習するAIとは?

不明なことが多いかと思いますので、まずは脳波を測定してどんなものかを体験してみませんか?
実際に測定後、今までの私たちの活動でのAI活用事例を交えながら、よりお客様の現場で脳波を使ったAIを活用していけるようにご提案から、実装、運用までサポートさせていただきます。

詳細はこちら

関連記事はこちら

記事一覧

その他、ブレインテック関連記事ご興味ありましたらこちらからご覧ください。

詳細はこちら

資料ダウンロード

資料ダウンロード

カタログ、ホワイトペーパーなど本システムに関して詳細を記載しておりますので、詳細を知りたい方はこちらから資料をダウンロードしてください。

詳細はこちら

お問い合わせ

本記事に関してご質問などありましたら、以下よりお問い合わせください。

InnnerEye メーカー情報Topへ