脳波の測定方法と特徴

脳の活動を観測するためにはどうすればよいか、1875年から様々なアプローチ方法が考案されてきました。
脳波測定
脳波測定装置
現在、主に利用される脳波測定装置は、下記5種類になります。
・磁気共鳴機能画像法(functional magnetic resonance imaging, fMRI)
・近赤外線分光法(Near-infrared spectroscopy, NIRS)
・侵襲式(電極を体内に埋め込んで運用)
・脳磁計(Magnetoencephalography, MEG)
・脳波計(Electroencephalograph, EEG)
脳波測定方法
各装置の測定方法は下記の通りとなります。
名称 |
測定方法 |
fMRI |
脳の血液量の変化をMRIにて観測する手法 |
NIRS |
光源と受光センサーを用いて脳の血液量の変化を観測する手法 |
侵襲式 |
体内に端子を埋め込み直接電気信号を取り込む手法 |
MEG |
磁気センサーの一種である超伝導量子干渉計 (superconducting quantum interference device, SQUID) を用いて、脳の電気信号を磁気として捉える手法 |
EEG |
脳から生じる電気活動を頭皮上においた電極から直接測定する手法。 |
特徴
測定方法の違いによりどの様な差が生まれるのでしょうか。その特徴は下記の通りとなります。
名称 |
空間分解能 |
時間分解能 |
運用の容易性 |
fMRI |
高い |
低い |
固定設備での実施に限定される |
NIRS |
低い |
低い |
固定設備での実施に限定される |
侵襲式 |
高い |
高い |
一度設置できれば容易 |
MEG |
中程度 |
高い |
測定環境に制約がある |
EEG |
低い |
高い |
自由度が最も高い |
※空間分解能=脳の局在を明確にできる ※空間分解能=刻一刻と変化する脳活動を細かく捉えられる
侵襲式は最も優れている一方、倫理的な問題から現在医療行為等の限定的な利用に限られております。
他の方式に関しては一長一短であり、おおまかに、測定環境に自由度があるか、空間分解能が高いか低いか、時間分解能が高いか低いか、観測したい事象により選択致します。

EEGとは
脳波の応用は旧来医療分野に限られて参りましたが、瞑想ブームなどによりビジネス・コンシューマ分野への広がりを見せており、それに伴い無線で利用することも可能な運用自由度が高いEEGへの注目が高まっています。
脳波活用のカギは、どのようなEEGを選択するかと言っても過言ではありません。
目的の現象は脳のどの部位から脳波が発生するかを正しく理解し、最も適したEEGを選択することはビジネス化への近道となります。
EEGの種類
本稿では、EEGの種類に関してもご紹介させて頂きます。
EEGの種類をおおまかにまとめると、ドライタイプとウエットタイプの2種類に分類されます。
|
前準備時間 |
必要人数 |
システムサイズ |
被験者への負荷 |
実験時間 |
感度 |
ウエットタイプ |
1時間程度 |
サポートメンバー |
別途ロガーが必要 |
高い |
ジェルの性能による |
高い |
ドライタイプ |
5分程度 |
被験者のみ |
内蔵している |
低い |
長い |
中程度 |

ドライタイプの感度はウエットタイプに劣っていましたが、高感度センサーの開発が進み、現在では同程度と謳っているメーカーが増えてきました。
また、ドライタイプのもう一つの特徴として形状の自由度が上げられます。
・全領域をカバーするヘッドフォンタイプ
・側頭葉をカバーする耳かけタイプ
・前頭葉をカバーするバントタイプ
と用途に応じて様々な形状が考案されています。
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