ブレインテックが広がっている理由と活用例

ブレインテックが注目される背景

脳科学とAIを融合させたブレインテックは、アメリカやイスラエルを中心とし世界各国が開発を推し進めています。
ニューヨークに拠点を置く調査会社Persistence Market Research※のレポートによると、世界の脳科学市場は2025年には5.2億ドルに成長すると予測されています。

日本国内でも内閣府が進めるムーンショット型開発事業にブレインテックが採択されました。今後参入企業が増え、盛り上がっていくのではないでしょうか。
これまでブレインテックが発展したのは、ヘッドセットの高性能化、計測技術とAI技術の進歩、脳科学の進展などの要因があります。

Persistence Market Researchのレポート
Global Neuroscience Market To Reach US$ 520.8 Million by 2025 – Persistence Market Research

ヘッドセットの進化

脳活動の計測というと、「頭部にジェルを塗らなければならない」「頭部に幾つものケーブルが接続される」等のイメージを持たれるかもしれません。
実際に昔は、多くのケーブルが付いているため行動が制限されたり、正確に計測するために高価で大型の装置が必要といった課題がありました。
しかし現在は、様々な場面での計測を想定されヘッドバンドそしてイヤホン型のような普段の活動においても楽に装着でき、小型でも正確にデータをとることができるデバイスが増え、脳の状態を簡単に計測することができるようになりました。

計測・AI技術の進歩

脳の働きやメカニズムが解明されるようなると、下記のような手法により脳活動をアウトプットできるようになりました。

・知覚、意識、感情の可視化(デコーディング)
 脳活動から見えていること感じていることなどの見える化

・ニューロフィードバック
 脳活動をリアルタイムにモニタリングしながら、最適なパフォーマンスとなる脳活動になるようにトレーニング

Brain Machine Interface(BMI)
 いわゆる「脳と物」をつなぐ技術。人間の脳から意思を読み取って機械・ロボットを操作


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脳科学の進展

脳内では、何百億個もの膨大な神経細胞が複雑に絡み合っています。その情報量はあまりにも膨大で、解析すること自体が、非常にハードルが高いものでした。しかしAIが進展したことで、脳波の変化が意味することを解析できるようになってきました。
さらに各国や企業の研究により、これまで解明できていなかった脳の状態把握・解析が向上しました。

ブレインテックの活用例

医療/ヘルスケア

従来から医療分野では、脳の異常活動を調べ「てんかん」や「うつ病」などの臨床検査で活用されてきました。
さらに身体疾患・精神疾患の改善方法としてニューロフィードバックにより自宅療法や薬物療法による副作用のリスクの低減につなげることができます。
また脳波を用いることで睡眠の段階を判別することが出来るため、睡眠の改善によるストレス軽減やリラックス促進といったところでも使用されています。
2023年には、深い睡眠時に現れる睡眠紡錘波(すいみんぼうすいは)と徐波(じょは)と呼ばれる2つの脳波が血糖値を改善させることが発見されました。高血糖や2型糖尿病患者への対策の1つとして検討されています。

スポーツ

ニューロフィードバックにより最適なパフォーマンスとなるように脳活動をトレーニングすることで、運動能力や学習を効率的に科学的に向上させます。また、脳の特定部位にtDCS(経頭蓋直流電流刺激)という電気刺激を与えることで、使用した人の筋肉の反射速度と脳の集中度を高めるといったことがおこなわれています。
様々な国のオリンピック選手や、宇宙飛行士、海軍・陸軍等がトレーニングの中で使っています。
また、イップスという今まで出来ていたスポーツの動作が急にできなくなってしまう運動障害について、動作開始時にみられる事象関連脱同期(event-related desynchronization: ERD)と呼ばれる特徴的な脳波が増強していることが発見されました。脳波がイップス克服の方法として期待されています。

教育

授業中の参加度や興味度などを脳波デバイスで計測し、計測結果をもとに「適切な教育コンテンツを提供できているか」の検証に活用されています。
他にも、日本人が識別しづらい英語の発音の違いをニューロフィードバックにより学習させるといった取り組みを実施し効果があることが実証されています。
オーストラリアやスイスなどの研究チームにより、tDCSは知覚能力や学習速度、ワーキングメモリなどの認知能力も高めることが報告されました。
現在の手法は、スイッチを切り替えることで脳のさまざまな領域の活動を高めたり弱めたりでき改良が進められています。

人材開発

人によるマネージメントやカウンセリングでは、萎縮、価値観の相違、虚栄心などから正しくストレス状態が測れない、本人も無意識のストレスに気づかないケースもあるが、人の感情や意識の見える化により、適材適所の業務や配置による生産性向上やストレス低減、メンタルヘルスの向上に期待ができます。
例えばエンジニアを対象に検証したところ、作業中は一定の集中度を維持する傾向が確認できました。
営業職の場合は序盤に非常に高い集中力が観測されますが、一定時間がたつと徐々に減少傾向に変わるということが検証の結果でわかっています。

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ニューロマーケティング

従来のアンケートやインタビューなどの主観評価によるマーケティング活動から、脳活動の直感的な反応によって人の感情や意識を客観評価ができます。
人の無意識から生じる行動原理から商品の開発や広告などのマーケティング活動に役立てることができます。
具体的には自動車業界ではタイヤの開発段階でも脳波が活用されています。
従来のタイヤと新しいタイヤで比較走行テストをおこなったところ、ドライバー全員の走行中のストレス値が下がる傾向が見られたとのことです。

将来期待される脳波活用

上記のように現在はブレインテックが様々なシーンで活用されており、今後は脳波を活用してコミュニケーションをしたり、思念した対象物を操作したりといった新しいインターフェースとしての活用も考えられます。一例として全身麻痺の方から機械に、機械を介して人に、意思を伝える技術が研究されています。

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