~他人事ではない!!熱問題 基本の 「き」~

 

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メンター・グラフィックス社 山下様執筆の熱解析についての役立つコラム

第三回 What-if 解析で問題を解決

今回は、基板専用の熱解析ツールについてお話をしたいと思います。基板専用の熱解析ツールは、基板設計 CAD か解析に必要な情報を取り込むことができるので、解析にかかる労力をある程度減らすことができ、解析スピードも期待できるので、電気設計者が扱うことになった場合でも負担を最小限に抑えることができます。
SI の解析でもそうですが、設計者が解析ツール扱う場合は、操作性と解析スピードは、必要条件となると思います。
手間がかかり、解析スピードの遅いツールでは、What-if 解析は気の重い作業になり、やる気を削ぐからです。


基板用の熱解析ツールでは、基板設計 CAD からは、基板の形状と部品の配置情報・部品の大きさに関する情報を受け取ることができます。
これに、各部品の消費電力の情報と、基板の置かれる環境条件を付け加えれば、解析結果を見ることが可能です。

 

 

 


プリ解析の重要性については、改めて述べるまでも無いと思いますが、What-if 解析は、プリ解析段階で行うのが効果的で、基板を作成すること無く様々なパターンを、仮想の中で試してみることができます。
例えば、解析ツール上で部品を移動してみたり、ヒートシンクを追加したり、ベタを追加したり、筐体側に取り付けるファンの性能を変更したりといったことです。これらの変更は、ツールの中だけで完結することが出来るので、実物を作成するよりも遙かに短い時間で確認することができ、なおかつ、お財布にも優しいという効果があります。

 

 

このように、What-if 解析により、実際にいろいろなパターンで基板を作成すること無く、温度を予測することが可能となります。
確認できるのは基板の温度だけではありません。部品単体で規格値の温度を超えていないかをチェックしたり、基板の歪みの原因となる大きな熱ストレスが無いかなど、多岐にわたってチェックすることが可能です。

基板用の熱解析ツールはとても簡単に扱うことは可能ですが、熱解析は奥深くもあります。最近は、熱対策に関するセミナなどがあちこちで開催されているようですので、今後必要になるだろうとお考えの方は、今のうちから、いろいろなところで、情報を仕入れておくことをお勧めします。

伝送 SIM ・ 熱解析セミナ(無料)で皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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