Timing Analyzer (Classic および TimeQuest) で、遅延の最小値 (minimum)、標準値 (typical)、最大値 (maximum) を解析することはできますか?
Quartus II の Timing Analyzer(Classic および TimeQuest)は、標準値を検証することはできません。
最大値 (ワースト・ケース)/最小値 (ベスト・ケース) のタイミング解析は、以下の使用するタイミング解析ツールの項目をご参考ください。
■Classic Timing Analyzer
コンパイル・レポート内の Classic Timing Analyzer のレポート結果は、デフォルトでは最大値 (ワースト・ケース) が表示されます。
最小値 (ベスト・ケース) のタイミング解析結果を表示させる場合は、以下の方法を実行してください。
なお、Classic Timing Analyzer においてベスト・ケースのタイミング解析をサポートしているデバイスは、APEX シリーズ、Cyclone シリーズ、HardCopy、Stratix シリーズ (Stratix IV を除く)、MAX シリーズ です。
●方法1 ベスト・ケースのレポートのみを表示する場合
- コンパイル後に Processing メニュー ⇒ Start ⇒ Start Classic Timing Analyzer (Fast Timing Model) を実行します。
- コンパイル・レポート内の Timing Analyzer レポートに、ベスト・ケースの解析結果が表示されます。
●方法2 ベスト・ケースとワースト・ケースのレポートを両方表示する場合
- Assignments メニュー ⇒ Timing Analysis Settings を選択し、Category 内より Classic Timing Analyser Settings を選択します。
- More Settings ボタンをクリックし、"Report Combined Fast/Slow Timing" オプションを "On" に設定します。
- コンパイル (または、すでにコンパイルが実行されている場合は、Processing メニュー ⇒ Start ⇒ Start Classic Timing Analyzer) を実行します。
- コンパイル・レポート内の Timing Analyzer レポートに、Fast Model (ベスト・ケース)、Slow Model (ワースト・ケース) 両方のタイミング解析結果が表示されます。
■TimeQuest Timing Analyzer
コンパイル・レポート内の TimeQuest Timing Analyzer レポート結果は、タイミング解析結果の概要が掲載され、デフォルトでは最大値 (ワースト・ケース/Slow-corner) が表示されます。
最小値 (ベスト・ケース/Fast-corner) のタイミング解析結果を表示させる場合は、以下の方法を実行してください。なお、TimeQuest をサポートしているデバイスは、Arria シリーズ、Cyclone シリーズ、HardCopy II 以降のシリーズ、MAX II、Stratix シリーズです。
- Assignments メニュー ⇒ Timing Analysis Settings を選択し、Category 内より TimeQuest Timing Analyser を選択します。
- "Enable multicorner timing analysis during compilation" オプションを "On" に設定します。
- コンパイル (または、すでにコンパイルが実行されている場合は、 Processing メニュー ⇒ Start ⇒ Start TimeQuest Timing Analyzer) を実行します。
- コンパイル・レポート内の TimeQuest Timing Analyzer レポートに、Fast Model (ベスト・ケース)、Slow Model (ワースト・ケース) 両方のタイミング解析結果の概要が表示されます。
また TimeQuest Timing Analyzer で詳細なタイミング解析を行うときは、ネットリストを生成する際にディレイ・モデルとして Fast-corner、Slow-corner を指定して検証することができます。