半導体、ネットワーク、サイバーセキュリティ、AI/IoTにおけるトータルサービス/ソリューション・プロバイダーの株式会社マクニカ(以下マクニカ、本社所在地:神奈川県横浜市、代表取締役社長:原 一将、資本金111億94百万円)は、この度、AIの社会実装を加速化する「BrainTech」の取り組みを開始し、「BrainTech」において世界をリードするInnerEye Ltd.(以下インナーアイ社、本社:イスラエル ヘルツリーヤ、CEO:ウリ アントマン)のソリューションを提供することを発表いたします。

 AIの社会実装が進む中、導入を進める上での課題もまた浮き彫りになってきています。例えば、AIモデルを開発するための教師データが足りない、アノテーションコストが高い、あるいは、AIが出す結果がブラックボックス化されているなどです。機械学習アルゴリズムに必須である教師データを効率的に増やすには、タグが付いたデータを取り込むことで、パターンを認識させることが重要です。そのためAI開発には、タグが付いた状態のデータを用意することが必須となり、データにタグ付けを行うアノテーションは機械学習において不可欠なプロセスとなっています。

 インナーアイ社の技術は、脳波とAIを組み合わせたものであり、AIに必須の機械学習には欠かせないアノテーションを効率的に行うことを可能にします。人間とAIの組み合わせによって、大量の教師データが十分になくても、人間の知識や経験やカンなどをテクノロジーの力によってデータ化することで、AIの可能性を高めることができます。人間の脳の活動を理解し、その知見をビジネスに活用する「BrainTech」、それはAIの社会実装を加速化する起爆剤になる可能性があります。

 マクニカは、将来のデジタライゼーションによる第四次産業革命、Society5.0に向けた、新たな先端テクノロジーやソリューションの提供を行っています。これらの分野で、必要不可欠な最先端テクノロジーが「AI」であると考え、数年前から、さまざまなAI関連ソリューションを提供してまいりました。そして、この度、マクニカは、脳とテクノロジーを融合する「BrainTech」の取り組みを開始いたします。

 さらに、インナーアイ社のソリューションを軸に、日本に加え、マクニカの海外拠点であるドイツ、ブラジルとの連携により、グローバルベースで獲得する事例や技術導入情報をシェアし、マクニカならではのグローバルで活用できるインテリジェンスへと昇華させていくことで、共通課題に対するソリューションの構築を加速させます。日本から海外、海外から日本へ、各国で生み出された優れたソリューションを素早く展開し、ソリューション導入の支援、課題の早期解決を促進します。

BrainTechとは

 「BrainTech」とは、Brain(脳)とTechnology(技術)をかけ合わせた造語であり、脳科学をベースにした技術、サービスを指します。物と人間の脳をつなぐ新たな取り組みであり、社会イノベーション、デジタルトランスフォーメーションを進めるうえで、重要な役割を担う技術として注目されています。2013年にはアメリカ合衆国 オバマ前大統領、またイスラエル シモン ペレス 前大統領がプロジェクトを発足させ、様々な成果が生まれています。同様に日本においても様々な脳科学の研究がおこなわれてきており、研究から生まれた成果がサービスとして発表されてきています。

インナーアイ社ソリューションについて

 人の脳の活動状況を基に、その人の判断をAIに学習させることができる、画期的な「BrainTech」によるプラットフォームを提供するインナーアイ社のソリューションは、EEG(脳波測定器)を通して脳活動の状況をとらえ、人の認識・判断をAIに短期間で学習させることができます。

 本ソリューションには、下記特徴があります。

1.アノテーション時間の短縮

 人に対して画像データを提示し、その画像データに対する人の判断、判定を脳波からとらえ、データにタグ付けを行います。脳波の発生からタグ付けまでにかかる時間は非常に早く、通常4画像データ/秒のスピードでタグ付けが行えます。

2.人の判断を基にしたアノテーション

 その人独自の判断を、脳波を基にして判定し、タグ付けを行います。エキスパートの方の経験や知識を基にした判断や特に直感的な判断を基に、いわゆる「見る人が見ればわかる」をAIに学習させることができます。

3.学習時間の短縮

 確信を持って判断していないケースや、疲労しており判断が鈍る可能性がある際には、脳波に違いが現れます。この違いを使い、脳波からタグデータの生成と同時に確信度も生成します。確信度はAI学習に使用され、確信度が低いタグに対しては、AIの学習影響を小さくすることができます。タグの誤りによるAIの精度低下を避けることができ、学習時間の短縮につながります。
 また、確信度の低い画像データは、フィードバックを行い、再度見直しを行うことができます。

 下記に、本ソリューションによるAI学習方法の概略を示します。

 現時点では、画像ファイルと脳波を組み合わせたAI学習のプラットフォームになっていますが、今後、音や動画データ、画像と音のデータから同時に学習するプラットフォームの開発にも力を入れてまいります。

 詳細情報は下記URLにあります。
https://www.macnica.co.jp/business/semiconductor/manufacturers/innereye/products/134586/

適用分野

 下記分野において、採用および実証実験の検討が始まっています。
 - 施設におけるセキュリティチェック
 - 医療における傷病の診断アシスト
 - 工場で行われている目視検査の補助
 - 農業における生育予測、品質予測

 

※本文中に記載の社名及び製品名は、株式会社マクニカおよび各社の商標または登録商標です。
※ニュースリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご承知ください。

InnerEye Ltd. について

インナーアイ社は2014年にイスラエルで創業しました。イスラエルのベングリオン大学で電子コンピュータエンジニアリング研究をしているアミア教授と、ヘブライ大学で認知神経科学の研究をしているレオン教授が長年続けてこられた研究を基に、イスラエル国防省研究開発局(MAFAT)との共同開発により生まれました。インナーアイ社の製品はセキュリティチェック、工場における目視検査、医療における診断の補助、HRにおける適材適所を実現するなど様々な分野で採用、実証実験及び検討が進んでいます。

株式会社マクニカについて

マクニカは、1972 年の設立以来、最先端の半導体、電子デバイス、ネットワーク、サイバーセキュリティ商品に技術的付加価値を加えて提供してきました。近年は、従来からの強みであるグローバルにおける最先端テクノロジーのソーシング力と技術企画力をベースに、AI/IoT、自動運転、ロボットなどの分野で新たなビジネスを展開しています。今後は、「Co.Tomorrowing」をスローガンに、最先端のテクノロジーとマクニカが持つインテリジェンスをつなぎ、ユニークなサービス/ソリューションを提供する存在として、社会的価値を生み出し未来社会の発展へ貢献していきます。当社は、横浜に本社を構え、世界24ヶ国84拠点をベースにグローバルなビジネスを展開しています。

詳細はWebサイト(https://www.macnica.co.jp)をご覧ください。

本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先

株式会社マクニカ  https://www.macnica.co.jp
経営企画部 広報企画課 宮原 e-Mail:macpr@macnica.co.jp
〒222-8561 横浜市港北区新横浜1-6-3 マクニカ第1ビル
TEL:045-470-9851 FAX:045-470-9853

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