半導体メモリーソリューションの世界的リーディングサプライヤーであるウィンボンド・エレクトロニクスは2021年7月7日、HyperRAM™ およびSpiStack® (NOR+NAND)とルネサスのArm(R)ベース マイクロプロセッサ(MPU)RZ/A2Mを組み合わせて動作を確認したことを発表しました。これは、スマートアプライアンス、サービスロボット、産業機械に組み込まれた人工知能(AI)イメージングの高速処理用に設計されたRZ/A2Mのお客様が、現在組み込みシステムの主流であるDRAM、NORフラッシュ、NANDフラッシュなど、あらゆるタイプの外部メモリーに対してウィンボンドから技術サポートおよび長期供給を受けられることを意味します。

 

ルネサスのRZ/A2Mは、HMI(ヒューマン・マシン・インタフェース)、中でもカメラを使ったアプリケーションに適しています。モバイル機器で広く使われているMIPIカメラインターフェースに対応し、入力画像を高速処理するDRP(Dynamically Reconfigurable Processor)を搭載。またイーサネットを2チャネル搭載するとともに、暗号ハードウェアアクセラレーターによりセキュリティを強化。安心かつ安全な高速ネットワーク接続が可能になり、家電から産業機器まで幅広いシステムの画像認識アプリケーションに適用できます。

 

ウィンボンドのHyperRAMは、電子回路を小型化する必要がある組込みAIや画像処理に最適で、画像認識などの計算集約型のワークロードをサポートするのに十分な容量とデータ帯域幅を提供します。一方SpiStackは、コードをNORフラッシュ、データをNANDフラッシュに格納することで、設計に柔軟性を持たせることが可能です。

 

以下は、ウィンボンドのHyperRAMおよびSpiStackとルネサスRZ/A2Mを組み合わせた組込みAIイメージングシステムの構成例(メモリー部分のみ)です。

組込みAIイメージングシステムの構成例

● ウィンボンドHyperRAM:e-AIやAIoT機器の画像処理など大容量ワーキングメモリーとしての使用に最適です。

● ウィンボンドSpiStack(NOR+NAND):RZ/A2MのブートコードとアプリケーションコードをNOR側に格納、NAND側には、組込みAI用の学習データやカメラ画像など、複数の大容量データを格納可能です。

● ルネサスRZ/A2M:Mobile Industry Processor Interface(MIPI)カメラと動的再構成可能プロセッサ(Dynamically Reconfigurable Processor, DRP)を使用して、組込みAIイメージングアプリケーションの高速処理を実行可能です。

 

ウィンボンド対象製品の特長:

ウィンボンドHyperRAMは最大200MHzのクロック周波数、3.3Vまたは1.8Vの電源電圧、400Mバイト/秒の最大データ転送速度を実現しました。また、動作モードとハイブリッドスリープモードの両方で超低消費電力を提供します。64Mビット HyperRAMを例にとると、室温にてスタンバイ時の消費電力は70uW@1.8V、ハイブリッドスリープモード時は、わずか35uW@1.8Vです。さらに、HyperRAMには13個の信号端子しかないため、PCBのレイアウト設計を大幅に簡素化できます。したがって、MPUが他の目的のため、より多くの端子を配置できるようにしたり、より少ないピンでMPUを使用して費用効果を高めたりすることが可能になることも意味します。

ウィンボンドSpiStack(NOR+NAND)は、NORとNANDのダイを1つのパッケージにスタックすることで形成されます。たとえば、64Mビット シリアルNORと1Gビット QspiNANDのダイを組み合わせることで、ユーザーはブートコードやアプリケーションコードをNORに格納し、サイズの大きなデータをNANDに格納できます。SpiStack(NOR+NAND)には、スタックされたダイの数に関係なく、6個の信号端子しかありません。アクティブなダイは、ソフトウェアダイ選択コマンド(C2h)と工場で割り当てられたダイIDによって切り替え可能です。個々のダイのクロック周波数は最大104MHzで、Quad SPIを使用した場合、416MHz(50Mバイト/秒の転送レート)に相当します。さらに、SpiStack(NOR+NAND)は、一方のダイからの読み取り中に、もう一方のダイへのプログラムなど同時処理をサポートしています。

 

 

ルネサス エンタープライズ・インフラ・ソリューション事業部 事業部長 加藤 茂樹様コメント:

「組込みAIシステムが高度化、複雑化する中、RZ/A2Mと外付けメモリーを組み合わせて使用することにより、アプリケーションコードや学習済みモデルの容量増加に対応することができます。」とルネサスエレクトロニクス株式会社は述べています。「このたび、RZ/A2MとウィンドボンドのHyperRAM & SpiStackの動作確認がとれたことから、お客様は外付けのRAMとFlashをウィンドボンドから一括で調達し、安心してお使いいただけるようになります。」

 

 

ウィンボンド・ジャパン マーケティング&FAE部 統括部長 三村 直己様コメント:

「ウィンボンドのHyperRAMとSpiStack(NOR+NAND)を採用することで、PCB上の実装面積、配線数、およびBOMコストを削減可能です」とウィンボンド・エレクトロニクス株式会社は述べています。「HyperRAMとSpiStack(NOR+NAND)のパッケージサイズはわずか8x6mm、HyperRAMの信号端子は13個、SpiStack(NOR+NAND)の信号端子は6個です。従来のSDRAMやパラレルNOR/NANDと比較して、パッケージサイズと端子数の両方が約80%削減されました。ルネサスRZ/A2Mと共に、ユーザーはウィンボンドが提供するトータルメモリーソリューションを利用可能です。」

 

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