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概要

Semtech 社の BlueRiver® は、非圧縮・ゼロレイテンシーで 4K/Ultra HD 映像を標準的なイーサネット上で伝送できる、プロフェッショナル AV(Pro AV)市場向けの AV-over-IP プラットフォームです。

数々のアワードを受賞した BlueRiver は、AV 分配・処理に必要なすべての機能を 1 つのチップ(SoC)に統合し、ソフトウェア定義の API(SDVoE™ API)で制御できる唯一の技術です。従来の AV/KVM エクステンダー、マトリクススイッチャー、ビデオウォールコントローラー、ウィンドウィングプロセッサーを、送信機・受信機と汎用イーサネットスイッチによるシンプルなネットワークに置き換えます。

教育、医療、エンタープライズ、エンターテインメント、eスポーツ、ホスピタリティー、小売、放送、官公庁・防衛など、ゼロレイテンシーの 4K 映像が求められるあらゆる分野で採用されています。

BlueRiver / SDVoE とは

SDVoE(Software Defined Video over Ethernet)とは

BlueRiverは、AV配信や映像処理に必要なすべての機能を、ソフトウェア定義のAPIを備えた1つのSoC(System on Chip)に統合した唯一の技術です。映像・音声・データ・制御の各信号をそれぞれ独立して市販のイーサネットスイッチ経由でルーティングできるため、用途に応じて自由にシステムを構成できます。

その中核となるのがSDVoE APIで、これは数多くのSDVoE対応エンドポイントを単一のシステムレベルで制御し、スイッチング・設定・映像処理を一元的に管理する標準インターフェースです。SDVoEはOSI参照モデルの7層すべてをカバーするフルスタックのソリューションであり、インフラ・伝送・処理・制御までを一気通貫で提供します。
他の方式が部分的な解決策にとどまるのに対し、SDVoEは異なるメーカーのエンドポイント同士が相互運用できる点で大きく優れており、現在では世界中で数百種類の相互運用可能な製品が展開される、最も広く採用された標準技術となっています。

SDVoEベース AVシステム構成図

従来方式の課題

  • AV マトリクススイッチは高価で拡張性に乏しい固定ハードウェア
  • スケーラー、マルチビューア、ビデオウォール処理に外付けの専用機器が必要
  • メーカーごとに独自仕様で、相互運用性がない

BlueRiver による変革

  • 映像処理(スケーリング・合成・ビデオウォール)を各エンドポイントに統合
  • 汎用イーサネットスイッチでマトリクススイッチを置き換え、コストと複雑さを大幅に削減
  • OSI 7 階層すべてをカバーするフルスタックソリューションで相互運用性を保証

Semtech社の BlueRiver 製品特徴

優れた映像伝送性能

  • 非圧縮・ゼロレイテンシー(0.1 ミリ秒)伝送
  • HDMI 2.0b 全フォーマット対応(4K/60 8-bit 4:4:4、4K/60 10-bit 4:2:2)
  • HDR 対応(HDR10 & Dolby Vision)
  • 10G イーサネットによる広帯域伝送

柔軟なシステム構成

  • 汎用イーサネットスイッチをベースにした AV-over-IP 構成
  • ポイント・ツー・ポイント接続による低コストな HDMI エクステンダー構成にも対応
  • マルチチャンネルデジタルオーディオの embed/de-embed/伝送
  • 双方向 RS-232、IR、USB 2.0(最大 480Mbps)の伝送

統合された映像処理(AV Processor 搭載モデル)

  • 放送品質のスケーリングエンジン(映像・グラフィック・テキスト最適化)
  • ソース解像度によらないインスタント・クリーンスイッチング
  • マルチソース映像合成(マルチビュー、PIP、PAP)
  • 映像分割・クロッピング・ベゼル補正による N×M ビデオウォール

長距離伝送・拡張性

  • Cat ケーブルで最大 100m、光ファイバー(SFP+)で最大 30km の延長
  • すべてのエンドポイントが BlueRiver API で統一制御され、相互運用が可能
  • ファームウェアベースの ASIC により継続的な機能追加に対応

主要製品ラインナップ

BlueRiverは、価格帯や機能の異なる製品を組み合わせることで、各ノードに必要な機能だけを備えた効率的かつ低コストなネットワークを設計できる、幅広いツールキットを提供します。現行のASIC世代では、いずれもAV-over-IPとポイント・ツー・ポイントのAV延長の両方に対応する3製品が中心です。

型番

タイプ

主な特徴

想定用途

AVP1000 エントリーモデル(Tx/Rx/Transceiver) ・BlueRiver の最も低価格な製品
・AV-over-IP とポイント・ツー・ポイント両対応
・銅線・光ファイバー両対応
・True 4K60 / HDMI 2.0b / HDR
・ステレオ/マルチチャンネル音声、IR
・RS-232
・USB 伝送
・AV マトリクススイッチ / KVM
・低コスト HDMI エクステンダー
AVP2000 映像処理搭載モデル ・AVP1000 の全機能に加え BlueRiver AV Processor を搭載
・放送品質のイメージスケーリング
・マルチソース映像合成
・ビデオウォール処理(クロッピング・ベゼル補正)
・マルチビューア
・ビデオウォール
・スケーラー
AVP2000T 双方向 HDMI 対応モデル ・AVP2000 の全機能に加え 双方向 HDMI に対応
・単一の 10G イーサネットリンクで HDMI 入出力を同時伝送
・双方向 AV 伝送が必要なシステム
・高度な KVM/コラボレーション

ソフトウェア / 開発環境

BlueRiverプラットフォームは、ハードウェアだけでなく制御・管理のためのソフトウェアも提供します。
BlueRiver AV Manager は、BlueRiver技術を利用するAV配信システムやエンドポイント(SDVoE対応機器を含む)を制御・管理する、導入が容易で直感的なソフトウェアです。メーカーや販売店、ユーザーは、これを無償のベースライン制御ソフトとして自由にカスタマイズし、用途に応じたさまざまなユーザー体験を提供できます。
また、KVMアプリケーション向けには 
BlueRiver KVM ソフトウェア開発キット(SDK) が用意されており、BlueRiverベースのエンドポイントとSDVoEコントロールサーバーを用いたUSBデバイスのルーティング・接続管理を実装するためのリファレンスモデルとして、ソースコードとコンパイル済みのサンプルを利用できます。

名称

概要

BlueRiver AV Manager BlueRiver / SDVoE 対応機器の AV 分配システムを制御・管理する直感的なソフトウェア。無償でカスタマイズ可能なベースライン制御ソフトとして提供
BlueRiver KVM SDK USB デバイスのルーティング・接続を管理する KVM サーバー開発用 SDK。ソースコードとコンパイル済みサンプルを提供

用途例

BlueRiverを採用したシステムや製品は、教育、医療、企業、エンターテインメント、eスポーツ、ホスピタリティー、小売、宗教施設、官公庁、軍事、産業、セキュリティなど、非常に幅広い垂直市場で導入が進んでいます。圧縮による劣化のない、ゼロレイテンシーの4K映像が求められるあらゆる場面で、高解像度の音声・映像を新しい形で配信する手段として活用されています。

Pro AV / 商業施設

エンタープライズ / 制御室

特殊・ミッションクリティカル

・デジタルサイネージ
・ビデオウォール(任意サイズ・形状)
・ホスピタリティ(ホテル・店舗)
・スタジアム・イベント会場
・eスポーツ施設
・教会・大規模集会施設
・会議室・コラボレーション空間
・マルチビューア / マルチビュー表示
・KVM ワークステーション
・監視・制御室(コントロールルーム)
・教育機関(講義室・キャンパス)
・医療施設(手術室・画像表示)
・放送・ライブプロダクション
・官公庁・防衛
・セキュリティ・監視システム
・産業用途
・指揮統制(C2)システム
高解像度の映像を広いエリアへ柔軟に分配 ネットワーク経由で映像・USB・制御を統合管理 ゼロレイテンシーと高信頼性が求められる現場に最適

BlueRiver 製品選定のポイント

  • 必要な機能レベルで選ぶ シンプルな分配・スイッチングのみであれば AVP1000、ビデオウォールやマルチビューなどの映像処理が必要なら AVP2000、双方向 HDMI 伝送が必要なら AVP2000T を選択します。すべて相互運用可能なため、ノードごとに必要な機能だけを組み合わせた最適なネットワークを構築できます。
  • システム構成(AV-over-IP / ポイント・ツー・ポイント)で選ぶ 複数の入出力を柔軟にスイッチングするなら汎用イーサネットスイッチを用いた AV-over-IP 構成、2 点間のシンプルな延長であればポイント・ツー・ポイント構成を選択します。現行の AVP シリーズはいずれも両構成に対応します。
  • 伝送距離・メディアで選ぶ ラック内や同一フロアであれば Cat ケーブル(最大 100m)、フロア間や建屋間など長距離が必要な場合は光ファイバー(SFP+、最大 30km)を選択します。
  • 映像フォーマット要件で確認する 4K/60 4:4:4 や HDR10/Dolby Vision など、伝送したいコンテンツのフォーマットがサポート範囲に収まることを確認します。BlueRiver は HDMI 2.0b 全フォーマットに対応しています。
  • 既存設計からの移行 AVX100/AVX200T を採用済みの場合、AVP1000/AVP2000T へドロップイン互換で置き換えられ、ファームウェア更新によりネットワーク(AV-over-IP)機能を後付けで解放できます。

Semtech社 BlueRiver 製品リンク

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