
製品概要
QE for Capacitive Touchはルネサス社製の静電容量式タッチセンサー対応開発支援ツールです。
QE for Capacitive Touchの主な特長は以下です。
・GUI操作で簡単にタッチの開発が可能(タッチインタフェース構成の作成、タッチ入力状態のモニタリング、パラメータ調整など)
・タッチセンサー感度を自動でチューニング
Renesas社製の汎用マイクロコントローラーとQE for Capacitive Touchをお使いいただくことで、簡単に静電容量方式のタッチを実現することができます。
検証実験した背景
Renesas社の静電容量タッチキーソリューションは以下の特長がございます。
・特長
- 耐水性&高ノイズ耐性、IEC61000 4-3 level 4 医療グレード
- 高精度3Dジェスチャセンサー、CPUを介さないTouch ON/OFF判定にも対応
- タッチ自動調整ツールが簡単開発・評価でストレスフリーな環境を提供
- ゴム手袋着用時や水滴付着時の対応など様々な状況化にも対応
今回はQE for Capacitive Touch を用いて静電容量タッチキーソリューションをどれくらい簡単に始めることができるのか調査してみました。
検証実験の手順
今回はルネサス社製の16bit汎用マイクロコントローラーRL78/G22が搭載された静電容量タッチ評価システムを用います。
RL78/G22は優れた低電力性能と豊富な静電容量式タッチチャネルが特長のマイクロコントローラーです。
以下が開発環境をまとめたものです。
統合揮発環境:e2studio(V2021-07(21.7.0)以降)
評価ボード:RL78/G22搭載静電容量タッチ評価システム(RL78/G22搭載CPUボード+自己容量方式評価ボード)、
ソフトウェア:QE for Capacitive Touch(version: 2.0.0 以降) * QE for Capacitive Touch は、e2 studio用プラグインです。Webからのダウンロードおよびインストールが必要です。
コンパイラ: Renesas CCRL(v1.10.00 以降)
デバッガ:E2エミュレーターLite
検証実験の結果
今回は以下のドキュメントをベースにQE-for-Capacitive Touchを使ってみました。
・RL78ファミリー QEとSISを使用した静電容量タッチアプリケーションの開発 Rev.3.00
では上記ドキュメントに従い、進めていきたいと思います。詳細は割愛しますのでドキュメントをご確認いただけますと幸いです。
1.
まずはe2studio のメニュー[ファイル] - [新規] - [C/C++ Project]を選択し、新規プロジェクトの作成を開始します。
上記ドキュメントはRL78/G23をベースに作られたものですので、デバイスはRL78/G22を選択する必要があります。

2.
Touch機能を使うためにCTSU(静電容量タッチセンサーユニット)の端子を設定します。
こちらも上記ドキュメントではG23の端子が設定されているため、G22 静電容量タッチ評価システムユーザーズマニュアルを用いてアサインされているピンを探し、それを設定します。
今回はボード右上のTS-B1, 2, 3(LED14, 15, 16)を触ってみようと思いますので、それぞれに接続されているTS28, 18, 00 を有効にします。


3.
QE-for-Capacitive Touchを立ち上げます。

4.
今回TS-B1、2、3を使用するので自己容量のボタンをアプリケーションボードのように縦に3つ並べてみます。
並べたボタンをダブルクリックし、先ほど設定したCTSU端子をアサインします。

5.
「調整を開始する」を押下すると自動的にチューニングが開始します。
その後設定したCTSU端子が登録されているボタンを実際にタッチしチューニングを行います。

以上でチューニングは完了です。「ファイルを出力する」を押下するとチューニング情報が含まれたファイルが出力されます。
6.
最後は「例を表示する」を押下することで現れるサンプルコードなどを元にコーディングを行います。
以上で簡単に静電容量方式のタッチを実現することができました。
実装の際はパターンレイアウトのリファレンスガイドやモニタリングを用いた詳細のチューニング方法などのドキュメントも用意されています。