ブロードコム社が実現したCMOS RF技術を引き継ぐインフィニオン社
Bluetoothが普及したきっかけの一つとして、安価かつ低消費電力であるCMOSプロセスでBluetoothのRF回路を実現できたことが挙げられます。このテクノロジーを実現した半導体メーカーであるブロードコム社は、2016年にスマートフォンやアクセスポイント等を除くワイヤレスIoT事業をサイプレス社へ売却しました。そしてインフィニオン社は2020年にサイプレス社を買収していますので、ブロードコム社から続くBluetoothの技術は、現在インフィニオン社が引き継いでいます。

インフィニオン社の強み
インフィニオン社のBluetooth関連デバイスの年間出荷実績は直近で3.5億個を超えています。日本市場においてインフィニオン社のBluetooth製品は多く受け入れられてきましたが、その理由として最新規格への対応や、サポート体制の充実があります。
ブロードコム社の時代から日本を注力市場と定めており、国内に多くのエンジニアがいます。
無線デバイスメーカーの多くは海外メーカーであるため、日本国内におけるサポート体制においてインフィニオン社は最高水準を誇ります。
CYW20829 ~最新のインフィニオン社製Bluetoothデバイス~
CYW20829はBluetoothの最新規格である「Bluetooth 5.4」に対応しているBLEチップになります。
その特徴は以下の通りです。
- PAwRをはじめとするBluetooth 5.4の新機能にすべて対応
- Arm® Cortex®-M33コアを2つ搭載
- LE 1Mbpsで-98dBm、LE Long Range 125Kbpsで-106dBmの受信感度
- Bluetooth 6.0で策定予定の超低遅延ヒューマンインタフェースデバイス(ULL HID)にソフトウェアの変更で対応可能

CYW20829を含むモジュール製品ラインナップ
ICチップであるCYW20829に加えて、アンテナなどの周辺部品を搭載したモジュールも取り扱っており、量産は2024年の4~6月予定です。
以下の画像は、CYW20829の他にLow-end向けのCYW20822や、Matter向けのBluetooth+Thread対応である30739のモジュールも記載されています。

インフィニオン社が提供するCYW20829の評価環境
CYW20829の評価キットであるCYW920829M2EVK-02に加えて、インフィニオン社が無償で提供している統合開発環境「ModusToolbox™」と、開発者向けコミュニティ「Infineon Developer Community」をご紹介します。
参考記事
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