PSoC™誕生20年

 PSoC™ プログラマブル システム オン チップは誕生から今年で20年を迎えました。この20年で、PSoC™が搭載された製品は40億個超が市場に出荷されましたが、インフィニオンにとってはまだ始まりにすぎません。

インフィニオンのテクノロジーは世界を変える力を持っています。コネクテッド デバイスから自律走行車、スマートホームまで、インフィニオンのソリューションは、私たちの生活をより快適に安全で環境に優しいものにできるよう支援します。インフィニオンのPSoC™マイクロコントローラー ファミリーは、20年以上にわたり人々の生活を支えてきました。詳細はこちらをご覧ください。

インフィニオンPSoC™ 最新ファミリー

PSoC™6ファミリー ソリューション

PSoC™4ファミリー ソリューション

PSoC™ 6ファミリーは超低消費電力アーキテクチャーを採用し、バッテリー駆動のアプリケーションに最適な低消費電力設計技術を備えたMCUです。Arm® Cortex®-M4およびCortex-M0+のデュアルコア アーキテクチャーにより、消費電力と性能を同時に最適化することができます。PSoC™ 6 MCUは、デュアルコアとコンフィギュレーション可能なメモリーおよび周辺保護ユニットを組み合わせることで、Armのプラットフォーム セキュリティ アーキテクチャー (PSA) で定義された、業界で広く認められた保護機能を提供します。

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PSoC™ 4ファミリーは、Arm® Cortex®-M0およびCortex-M0+マイクロコントローラーの複数のファミリーで構成されています。ほとんどのデバイスに静電容量式センサー アプリケーション向けのインフィニオンCAPSENSE™技術が搭載されています。その他の主要機能として、プログラマブル アナログ ブロックによるカスタマイズ可能なアナログ フロント エンドや、USB、CAN、Bluetooth Low Energy (BLE) といった有線/無線の接続オプションを搭載しています。こうしたユニークな機能により、PSoC™は柔軟性と拡張性に優れた低消費電力ミックスドシグナル アーキテクチャーとなっています。

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インフィニオンPSoC™ 6マイクロコントローラー ファミリーの紹介

PSoC™マイクロコントローラーのラインアップは、インフィニオンの32ビットMCUポートフォリオの重要な部分を形成しています。Arm® Cortex®-Mプロセッサー コアと高性能プログラマブル ブロックおよびアナログ ブロックをベースとするPSoC™は、世界で最もプログラマブルな組込みSoCの1つです。

2002年にローンチされたPSoC™ 1は、業界標準のマイクロコントローラー アーキテクチャーに、プログラマブルでリコンフィギュレーション可能なアナログおよびデジタル機能を搭載し、マイクロコントローラーの新時代を告げました。組込みシステムのエンジニアは、柔軟でコンフィギュレーション可能なアナログおよびデジタル機能によって、1つのIC内に複数のハードウェア回路機能を組み込むことができるようになりました。この統合的なアプローチによって、BOMコストおよび基板面積の大幅削減し、迅速で便利な方法により直前の設計変更に対応できるようになったことで、基板の手直しを実質的に排除することができるようになったのです。

現在もPSoC™のプログラマビリティは継続しており、たとえば、新しいセンサー素子用にアナログ フロントエンドおよび信号調整回路を設計することができます。これにより、アナログICの追加、BOMの複雑化、基板面積やレイヤーの増加が不要になります。ユニバーサル デジタル ブロック (UDB) は、アプリケーション固有のゲーティング要件や、PSoC™ MCUコアから独立して動作するステートマシンを実現するためにコンフィギュレーション可能な複数のロジック プリミティブ機能を備えています。

現在PSoC™ファミリーは、PSoC™ 4とPSoC™ 6の2つのシリーズから構成されています。これらのシリーズは、ホーム オートメーション、ウェアラブル、パーソナル医療機器など、幅広い民生アプリケーションに対応しています。

PSoC™ 6 - IoTに特化したMCU

PSoC™ 6は、Armの超低消費電力アーキテクチャーを40 nmプロセス ノードで採用しています。アクティブ パワーモードでの消費電力はわずか22 µA/MHzです。150 MHzのArm Cortex-M4と100 MHzのArm Cortex-M0+のデュアルコア方式により、組込み開発者は消費電力と演算処理性能に関してアプリケーションを最適化することができます。業界最高水準のセキュリティ、Armのプラットフォーム セキュリティ アーキテクチャー (PSA) を搭載したPSoC™は、まさにIoTのために開発された製品です。
PSoC™は、高価で消費電力の高いアプリケーション プロセッサーとリソースが限られたマイクロコントローラー間のギャップを埋めることで、処理性能、無線接続性、低消費電力の信頼性に対するIoTの要件に対応します。
PSoC™ 6 MCUは、インフィニオンの最先端技術である最新世代のCAPSENSE™静電容量式センシング技術も搭載しています。CAPSENSE™により、開発者は堅牢で信頼性の高い、革新的で直感的なマルチタッチおよびジェスチャー ベースのHMIインターフェースを設計することができます。PSoC™ 6は、内蔵のBLEサポート機能に加えて、インフィニオンのコンパニオンICであるAIROC™ Wi-Fi、AIROC™ Bluetooth、またはAIROC™ Combo無線モジュールとペアリングすることができます。

PSoC™ 6 SoC MCUファミリーは、全シリーズで利用可能な標準機能セットと、シリーズ固有の機能をいくつか備えています。いずれも1.7 VDC~3.6 VDCの低電力動作が可能で、6つの電源モードによりきめ細かな電力管理を実現します。ディープスリープ モードでは、64 KBのSRAMを保持したまま消費電流を7 μAまで低減できます。

PSoC™ 6共通の機能セット

・DMAコントローラー: 2つまたは3つ
・フラッシュ メモリー: 通常は最大2048 KB、正確な容量は製品によって異なる
・外部メモリー インターフェース: Quad-SPI (QSPI) とシリアル メモリー インターフェース (SMIF)
・CAPSENSE™ : インフィニオンの静電容量式タッチおよび近接センシング シグマデルタ テクノロジーを使用して、同製品クラスでもっとも優れた信号対雑音比を実現し、SmartSense自動ハードウェア チューニングを使用
・シリアル通信周辺インターフェース
 ・7個または9個のコンフィギュレーション可能なランタイム シリアル通信ブロック (SCB)、6個または8個をSPI、I2C、UARTとしてコンフィギュレーション可能、SPIまたはI2Cとしてコンフィギュレーション可能なディープスリープSCB 1個を搭載
 ・USBフルスピード デバイス インターフェース
 ・SDホスト/eMMC/SDコントローラー
・プログラマブルな汎用ピン (GPIO): 製品により異なるが通常は62~102本を搭載、一部はマイコンのディープスリープ中に使用可能、最大2本の過電圧耐性ピン
・プログラマブルなアナログ機能
 ・12ビット2 Msps逐次比較型 (SAR)  アナログ / デジタルコンバータ (ADS)、差動 / シングル エンド モード、16チャネルシーケンサー (結果平均化機能付き)
 ・2つの低消費電力コンパレーター、いずれもMCUのディープスリープおよびハイバネート モードで使用可能
 ・ADCに接続された内部温度センサー
・クロックは、精度±2%の8 MHzメイン発振器、超高出力32 kHz低速発振器、オンチップ水晶発振器など、多彩なオプションを用意。内部PLLによる逓倍が可能で、主クロックはFLL (Frequency Locked Loop) によるクロック逓倍が可能。分周器には分数分周型と整数分周型の機能を搭載
・タイマーとPWM機能には、12以上のコンフィギュレーション可能な時間、カウンター、パルス幅変調器 (TCPWM) が含まれ、センター アライン、エッジ、疑似ランダムモードが使用可能
・最大63セグメント、8コモン、ディープスリープ動作可能なLCDセグメント ドライバー
・対称 / 非対称暗号関数 (DES、TDES、AES、CRC、RSA/ECC) および真の乱数生成器(TRNG) 用暗号アクセラレーター

PSoC™ 61シリーズ エントリー レベル ライン  汎用プログラマブルArm Cortex-M4マイクロコントローラー

上記に加え、PSoC™ 61プログラマブル製品のラインアップには、フラッシュ メモリー256 KB~2048 KB、SRAM 128 KB~1024 KB、プログラマブルGPIOピン62~102本を取り揃えています。PSoC™ 61はデュアルコア アーキテクチャーを採用していますが、アプリケーションからアクセスできるのはArm Cortex-M4コアのみで、Arm Cortex-M0+は内部システム機能用として確保されています。製品固有の機能としては、オーディオI2Sインターフェース (PDM/PCM)、CAN-FDシリアル インターフェース、デジタル-アナログ (DAC)、低消費電力動作機能を備えた2つのオペアンプ、CAN-FD、12ビットDACを搭載しています。PSoC™ 61は、BGA、TQFP、QFN、WLCSPの各パッケージで提供されます。 

PSoC™ 62シリーズ パフォーマンス ライン - 汎用デュアルコア プログラマブル マイクロコントローラー

このPSoC™マイクロコントローラー製品では、Cortex-M4コアとCortex-M0+コアの両方にアクセスすることができます。コアのロジック動作は、0.9 Vまたは1.1 Vのいずれかをユーザーが選択でき、低電圧では優れたアクティブ電流消費動作が実現します。1.1 V動作時のCortex-M4の消費電流は通常40 μA/MHzで、0.9 V動作時には22 μA/MHzに減少します。Corex-M0+は、1.1 Vで20 µA/MHz、0.9 Vで15 µA/MHzに低減します。オーディオ、CAN-FD、DAC、オペアンプ ブロックはデバイスに依存。

タッチセンシングのインテリジェントな家庭用暖房コントローラーに搭載されたCY8C62x4/CY8C62x6マイクロコントローラーを表しています。この部品には、マルチプレックスされた12ビットSARベースADCのアナログ フロントエンドとして構成された2つのオペアンプが内蔵されています。プログラマブルなアナログおよびデジタル機能により、BOMが最小限に抑えられています。インフィニオンのWi-Fi無線ICは、インターネットへの安全な無線接続を提供し、リモートコントロールと無線 (OTA: Over the Air) ファームウェア更新機能を実現します。

PSoC™ 63シリーズ コネクティビティ ライン - IoTアプリケーション向けに高度に最適化されたBluetooth low energy (BLE) トランシーバー搭載の機械学習対応マイクロコントローラー

PSoC™ 63ラインは、高性能と低消費電力のバランスが取れたIoTの革新的技術となります。PSoC™のプログラマブルでリコンフィギュレーション可能な機能に、セキュリティ、BLEコネクティビティを備えたPSoC™ 63は、機能豊富なコネクテッドIoTデバイスを設計するために必要なすべての機能を搭載しています。

PSoC™ 64シリーズ セキュリティ ライン - デュアルコア、高性能、低消費電力のプログラマブルでリコンフィギュレーション可能なマイクロコントローラー、セキュアな処理環境

PSoC™ 64ラインは、これらすべてを備えています。超低消費電力でプログラマブル、かつ最適化された PSoC™ 6アーキテクチャーと包括的なセキュリティ機能を組み合わせたPSoC™ 64ラインは、IoT MCUのベンチマークとなる製品です。搭載されたセキュリティ機能には、ハードウェア ベースのRoT (root of trust)、不変のセキュアブート ファームウェア、ハードウェア分離キーが含まれます。

インフィニオンのPSoC™ 6製品ラインアップの詳細、データシートの確認、アプリケーションノートへのアクセス、テクニカル リファレンス マニュアルのダウンロードはこちらをご覧ください。

PSoC™詳細

PSoC™ プログラマブル システムオンチップで開発

現在のPSoC™

開発秘話...

1980年代後半、サイプレスはSONOS (Silicon Oxide Nitride Oxide Semiconductor) 型プロセス技術を使用したCPLD (Complex Programmable Logic Device) のラインナップを取り揃えていました。サイプレスはCPLDのラインアップに加えてSONOSプロセスを使用してマウス制御ICを開発し、その後USBコントローラーを開発しました。こうしたASICのコアとなるのが、マイクロコントローラー (MCU) です。USB接続のPC周辺機器やグラフィック インターフェースの急速な普及に伴い、こうしたASICの需要が大きく伸びました。メモリー デバイスもサイプレスの主要製品でした。

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サイプレス (2020年4月よりインフィニオン) が最初のプログラマブル システムオンチップ (PSoC™) をローンチしたのは8ビット マイクロコントローラー (MCU) が市場を飽和している頃でしたが、急速に成長する市場への足がかりを築くために、サイプレスは大胆な一手を取りました。幅広いラインアップをもつ競合他社と正面から対決するのではなく、プログラマブルなアナログおよびデジタル機能という重要な差別化機能をPSoC™ 1に組み込んだのです。

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