
STV札幌テレビ放送はどのようにして
社内ネットワーク構築プロジェクトの
困難を乗り越えたのか

POINT
・新規社内ネットワーク構築の仕様不一致を3rdPartyトランシーバーにより解決
・予定外のネットワーク拡張にも10GBidiトランシーバーを採用することで構成を大きく変更することなく対応
・マクニカの迅速なサポートによりプロジェクトを実現
導入製品:Coherent社光トランシーバーモジュール
・FTLX1475D3BCL (10G LR)
・FTLX2072D3xx (10G Bidi)
今回取材させていただいたお客様
STV 札幌テレビ放送株式会社
ビジネス推進本部 ビジネスプロデュース局 デジタル戦略部
阿部 健一 様
導入背景
STVではネットワークトポロジー変更による安定稼働・帯域増強を目的として、新規に社内ネットワーク構築に向けた取り組みを進めてきました。このプロジェクトでは幹線となる光ファイバーの新設と、社内ネットワークの帯域を10Gに拡張する仕様が含まれていました。
プロジェクトが進行する中、光ファイバーの仕様(シングルモード)と、手配したネットワーク機器メーカーの光トランシーバーモジュール(マルチモード)で仕様の齟齬が生じていることがわかりました。サービス開始遅延・予算超過の危機に見舞われるなか、阿部さんは「3rdPartyトランシーバー」での課題解決を試みました。
光トランシーバーモジュールは、ネットワーク機器に接続して光信号の送受信を行う重要な部品です。しかし、ネットワーク機器メーカーから提供される純正品は高価であり、選択肢も限られています。一方、3rdPartyトランシーバーは幅広いラインナップから自社のネットワークに最適な製品を柔軟に選択でき、純正品に比べて安価且つ迅速に導入することが可能です。また光トランシーバーモジュールや光通信には多くの規格があり、仕様や互換性についても十分に把握しなければなりません。
短期間のネットワーク構築実現
サービス開始時期を遅らせることはできないため、阿部さんはJANOGなどでも3rdPartyトランシーバーについて積極的に発信しているマクニカへ緊急の問い合わせをおこないました。
マクニカによる検証用モジュールの迅速な手配により問い合わせの翌週には検証を開始することができ、その後もネットワーク機器との接続検証に関する的確な技術サポートにより、機能・信頼性ともに問題なく接続できることを短期間で確認することができました。
STVとマクニカの連携によりひとまず予定された納期と予算内でのネットワーク構築を実現することができたのもつかの間、需要の少ない会議室フロアに関係会社の入居が決まり、ネットワークを増強する必要性に迫られました。
予定外のネットワーク拡張
阿部さんは全く予定にないネットワークの拡張に頭を悩ませました。敷設済みの光ファイバーは芯数に余裕を持たせていたものの、関係会社が入居するフロアは最上階でありBCP 用に衛星通信サービスを導入するなど、当初見込みより利用率が高まっており、新規入居する関係会社に割り当てられるファイバーを確保することができませんでした。
この課題に対応するためにマクニカから提案されたのは「10GBiDiトランシーバー」でした。10GBiDiトランシーバーとは、一本の光ファイバー上で双方向に10Gbpsの通信を行うことができる光トランシーバーモジュールです。通常、双方向の通信には送信用と受信用の二本のファイバーが必要ですが、BiDiモジュールでは波長分割多重WDM技術を利用して、一本のファイバーで送受信を実現することができます。これにより、利用するファイバーを半減させることができ、配線のコストやスペースを節約することができます。
STVは10GBiDiトランシーバーを採用することでファイバーを追加で敷設することなく、ネットワークの拡張に対応することができました。

導入効果
3rdPartyトランシーバーを採用したネットワークのサービス開始から1年が経過していますが、STV社内では安定した高速ネットワークが提供され、業務の生産性が高められています。
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