カメラレンズの自動クリーニングを実現する新技術 「超音波レンズ・クリーニング (ULC)」

自動車、交通監視カメラ、スマート・シティやスマート・マニュファクチャリングなど、近年ではさまざまなアプリケーションにおいてカメラやセンサーの採用が増加しています。
従来ではカメラやセンサーのレンズに汚れが付着した場合、手作業によるクリーニングが一般的でした。このような方法では、クリーニング中にシステムの使用を中断する必要があることや、誤ったクリーニング方法によりさまざまな機械部品に不具合を生じさせる危険性が課題となっていました。
このような背景から、自動クリーニング方式のカメラやセンサーに対する需要が高まっています。

Texas Instruments社(以下TI社) の超音波レンズ・クリーニング(以下ULC)技術を搭載した新しい専用半導体を採用することにより、これらの課題を解決できます。
本製品を採用することにより、ほこり、氷や霜、水などのレンズへの付着を迅速かつ自動的に検出し、微細な振動でそれらを除去することが可能になります。

図1.超音波レンズ・クリーニング・システムが水滴を除去するアニメーション

図1.超音波レンズ・クリーニング・システムが水滴を除去するアニメーション

引用元:https://e2e.ti.com/blogs_/japan/b/industrial/posts/671856

ULCの概要

ULCは、デジタル信号プロセッサー「ULC1001」と、ピエゾ専用ドライバ「DRV2901」の2チップで構成されています。
ピエゾ素子に電圧を印加し振動させることにより、レンズの表面から付着物を迅速に除去することが可能になります。※ピエゾ素子は別途搭載が必要になります。
小型のフォームファクターを採用しているため、プリント基板の実装面積を25mm x 15mm未満に抑えることが可能です。そのため、さまざまな環境下に設置される小型のカメラやセンサーを含めた、多様なアプリケーションにおいてレンズ・クリーニングの課題を解決することが出来ます。

図2.ULCの構成図

図2.ULCの構成図

引用元:https://www.ti.com/lit/ml/slyp868/slyp868.pdf

仕様

デジタル信号プロセッサー「ULC1001」

 

パッケージ

32 ピン QFN-HR パッケージ

電源電圧

IOVDD3.3V

駆動周波数範囲

・高効率の直接駆動 (25kHz5MHz)

AD 変調 (50kHz 未満)

プログラム可能なクリーニング・モード

・水 (排出)

・氷除去 (融解と排出)

・泥 (乾燥と排出)

・自動クリーニング (検出と排出)

・カスタム・クリーニング・モード

組み込みアルゴリズム

・レンズ・システムのキャリブレーション

・自動材質検出

・パワー・レギュレーション

・システム診断(DRV290x 故障通知、レンズ・システムの故障、トランスデューサーの温度レギュレーション)

ピエゾ専用ドライバ「DRV2901」

 

パッケージ

44 ピン HTSSOP パッケージ (DDV)

電源電圧範囲

12V48V

ピーク電力

50W

出力 MOSFET

90mΩ

内蔵自己保護回路

・低電圧保護

・過熱保護

・過負荷保護

・短絡保護

お問い合わせはこちら

本製品に関するお問い合わせや不明な点がございましたら以下よりお問い合わせください。

折り返し、製品担当者よりご連絡いたします。

TIアナログ製品カタログ

TI社製品を検討されるお客様が適切な製品を選べるよう、特に種類の多いアナログ製品にフォーカスした当社オリジナルカタログをご用意しています。

リンク先よりダウンロードしてご活用ください。