小型で低消費電力な "FRAM" 搭載のマイコン
MSP430FR2433 は、Texas Instruments社が提供するマイコンです。小型VQFNパッケージ(4mm×4mm)に複数の低消費電力モード、FRAM を搭載しています。
そのため、小型かつ、低消費電力が要求されるバッテリ駆動のIoT機器などのセンシングアプリケーションに最適なデバイスです。
MSP430FR2433 には以下の大きな特長があります。
1. コイン電池でSRAMにデータを保持する必要なし
MSP430FR2433 に搭載しているFRAMは不揮発性メモリです。FRAM は、超低消費電力、高い耐久性、高速書き込みが可能です。
MSP430FR2433 には、15.5KB の組込み FRAM が搭載されています。
そのためセンサアプリケーションなどであれば、これまでデータ保持に必要であった、SRAM用のコイン電池が必要ありません。
FRAM | EEPROM | FLASH | SRAM | |
メモリタイプ | 不揮発性 | 不揮発性 | 不揮発性 | 揮発性 |
書換え方法 | 重ね書き | 消去+書込み | 消去+書込み | 重ね書き |
書き込み速度 | 超高速 | 低速 | 中速 | 高速 |
書換え回数 | 10兆回 | 100万回 | 10万回 | 無制限 |
2. 計測アプリケーションに必要な機能を1チップで実現
MSP430FR2433 のパッケージサイズはVQFN(4mm×4mm)と非常に小型なサイズです。
UART、SPI、I2Cなどのインタフェースはもちろん、10bit-ADCを8ch搭載しており、センシングおよび計測アプリケーションに必要な機能を1チップで実現することができます。
3. 充実した開発環境で、立ち上げが容易
MSP430には、"MSP-EXP430FR2433"評価ボードが提供されていて、すぐに評価を開始できるように開発環境が整っています。
そのため、開発リソースを最小限に、短期間で製品化を実現できます。
すぐに評価を開始できる評価ボード "MSP-EXP430FR2433"
MSP-EXP430FR2433 評価ボードにはプログラミング、デバッグ、エネルギー測定を行うためのオンボード・デバッグ・プローブなど、MSP430FR2433 を開発するために必要な機能すべてが付属しています。

デバッグプローブボードは、スーパーキャパシタを使用した評価が可能です。外部電源を使用せずに評価を行うことも可能です。
この評価ボードは、以下の方法ですぐに評価を開始することができます。
1. PCと評価基板を接続
付属のUSBケーブルを使用して評価基板とPCを接続します。専用サイトからドライバをインストールします。
TI製の統合開発環境であるCode Composer Studio(CCS)や、IAR EW430などのIDEも必要です。
なお、CCSは無償で提供されており、こちらからダウンロードいただけます。
Code Composer Studio IDE
2. デバッグ端子
MSP-EXP430FR2433 評価ボードでは、JTAG、Spy-Bi-Wire、どちらのエミュレーション機能も使用することができます。
なお、Spy-Bi-Wire (SBW) は、TI社がMSP430 マイコン用に開発したシリアルインターフェイスです。
一般的なJTAGインタフェースでは通常4線式ですが、Spy-Bi-Wireは2線シリアルの信号でデバッグ用のプロトコルを通信しています。
3. デモを実行し、すぐに評価を開始
専用サイトから無償でデモプロジェクトをダウンロードすることができます。デモプロジェクトを実行することですぐに、評価を開始することが可能です。
デモはこちらのページで紹介しています。
MSP-EXP430FR2433 LaunchPad Development Kit Training
アプリケーション例
- ウェアラブル端末
- 医療、健康、およびフィットネス
- 電子ドアロック
- エネルギーハーベスティング

製品概要
型 名 | MSP430FR2433 |
仕 様 |
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