[アプリケーションノート]フレキシブルPCBアンテナ編

本記事についてはTaoglasのフレキシブルPCBアンテナのアプリケーションノート:APN-11-8-004.Cの内容からフレキシブルPCBアンテナのメリットと使用上のポイントを説明します。詳細については下記のURLのアプリケーションノートを参照下さい。

https://www.taoglas.com/wp-content/uploads/pdf/APN-11-8-004.C.pdf

フレキシブル PCB アンテナのメリットと使用上のポイント

製品基本情報

フレキシブルPCBアンテナは柔軟性があり、薄型、高い信頼性を特徴としており、ワイヤレス業界で幅広く使われています。アンテナ特性を得るために基板はポリイミド(Polyimide)を用います。これにより様々なモノポールアンテナ、ダイポールアンテナ、Fアンテナを製造できます。

サイズ

一般的にアンテナの表面積が大きいほど高いゲインと放射特性を実現します。下表で表面積の違いでVSWRと放射性の特性の違いが分かります。

表面積小

 

CLR

GSM

PCS

DCS

Band

824 - 896

880 - 960

1850 - 1990

1710 - 1880

VSWR

4.76

2.2

2.28

1.89

Min. Return Loss dB

-3.71

-8.49

-8.18

-10.17

※表面識小のPCBアンテナデータ

表面積大

 

CLR

GSM

PCS

DCS

Band

824 - 896

880 -960

1850 -1990

1710 -1880

VSWR

1.92

1.65

1.4

1.92

Min. Return Loss dB

-10

-12.24

-15.55

-10.01

※表面識小のPCBアンテナデータ

使用想定アプリケーション

フレキシブルPCBアンテナは製品筐体の中に内蔵するもので、アンテナを実装する十分なスペースや大きさが確保出来ない小型のアプリケーションに適しています。取付方法は両面テープによってプラスチック筐体に取り付けます。(項目:GNDプレーンの効果を参照)

形状と厚み

フレキシブルPCBアンテナはわずか0.5mmと超薄型のため、製品への取り付けが容易です。

GNDプレーンの効果

アンテナとGNDプレーンに十分な距離が確保出来ていない場合、放射効率と放射パターンが低下する可能性があります。なぜなら、信号はGNDプレーンによって閉じ込められているからです。そのため、一般的には良好なアンテナの放射効率を確保するため、全方向に対して金属から20mmのクリアランスを確保することを推奨します。

インピーダンス

F回路は機器側、伝送ライン、負荷側を50Ωで設計する必要があります。

帯域幅

TaoglasのPCBアンテナは一般的に対象となるアプリケーション帯域のリターンロスが-7.5dB以下となっています(例えばGSMの850/900/1800/1900)。リターンロスについては、-10dB以下の反射減衰量を中心として-5dB減衰するところが帯域幅としています。

VSWR(Voltage Standing Wave Ratio)

VSWR(電圧定在波)はリターンロスの関数であり、アンテナからの反射電力を表します。低いVSWRはアンテナとの良好な伝送マッチングが出来ており、より多くの電力がアンテナに供給されます。VSWR=1が反射のない理想的な状態となります。目標はVSWR=1.5にすることですが、実際にはVSWR=3以下であればマルチバンドアンテナの厳しい環境をカバー可能です。

GAIN

最高のゲインと放射効率を実現すためにはクリアランスを20mm取ることを推奨します。

効率

アンテナ効率はアンテナに給電される総電力とアンテナが放射する電力の比率になります。効率はGSM(Global System for Mobile Communications)やWLAN(Wireless LAN)などのモバイル通信システム用の全方向性アンテナの総合的な優れた測定値です。PCBアンテナに十分な表面積があれば高い効率(30%-50%+)を実現可能です。

偏波

偏波は振動する波の方向を示します。Taoglasの全てのセルラーアンテナとブロードバンドアンテナはセルラー基地局に搭載された直線偏波アンテナからの放送信号を非常に効率的に合わせることが可能です。アンテナをどのように設置するかで水平偏波か垂直偏波によって変わります。

水平偏波と垂直偏波の違い

ケーブル付きフレキシブルアンテナの利点

・プラスチック筐体に直接取り付け可能
・メインボードのスペースを削減可能
・非常に目立たない
・サイズ、形状、ケーブル、コネクタ等のカスタマイズにも柔軟に対応可能
・マルチバンドの周波数に簡単に対応可能

取付

TaoglasのフレキシブルPCBアンテナは高い信頼性を得るために[3M-467]の両面テープを使用しています。一般的に金属から十分なクリアランスが確保されている限り、アンテナの向きは重要ではありません。

環境について

全てのアンテナはデバイスや筐体に近づけると電気的性能に影響があります。周りを囲まれている場所に配置する場合は最大の効率を得るためにGNDや他のデバイスなどの金属から20mmのスペースが必要です。これらのクリアランスが確保出来ない場合、アンテナ効率が低下して調整された周波数がシフトします。また近接効果もアンテナの放射パターンに悪影響を与えます。内蔵アンテナを用いる時には、決して筐体に金属や金属の材料を使用しないで下さい。

 

Taoglasのフレキシブルアンテナは2-3mmのABS樹脂に配置するように設計されています。他の筐体材料や厚さの場合、チューニング周波数が少しずれる可能性があります。また、カーボンブラックなどの一部の着色剤はRF吸収特性があるためアンテナの性能を著しく低下させる可能性があります。あわせてナイロンなどの吸湿性のある素材も推奨しません。

チューニング

フレキシブルPCBアンテナの周波数特性は装置が閉じられた時、ケーブルが30度以上曲がっていても簡単に変化します。

アイソレーション

アイソレーションとは異なった2つのアンテナ間の結合特性になります。例えばCDMAのダイバシティアンテナの場合、主アンテナと補助アンテナの目標は-10dBが理想です。また、アンテナケーブルは他のアンテナに近づけたり交差させないようにして下さい。

ケーブル&コネクター

ほとんどのセルラーアンテナでは直径1.13mmのマイクロ同軸ケーブルが適しています。もしケーブル長が150mm未満ならケーブルロスは大きな要因になりません。ケーブルには適切なGNDが必要です。ケーブルを可能な限りデバイスGNDに近づけて配線して下さい。またケーブルでループを形成しないで下さい。なぜなら周波数シフトを引き起こしメインアンテナの磁場と相互作用する磁場を形成するためです。そのため、ケーブルはLEDドライバーやCPU、チップなどの放出部品から離して下さい

 

お問い合わせ

本製品に関してご質問などありましたら、以下より問い合わせください。

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