クロック設計時のEMI対策の重要性
いきなりですが、クロックのEMIノイズが気になる製品設計をされる際、どのような対策を取られていますでしょうか?
おそらく、チップにシールドをする、RCフィルターを使用する等、、といった対策をされている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、EMIノイズが気になる製品向けのSiTime社クロックソリューションをご紹介します。
SiTime製品では、チップ単体でEMI対策可能な製品をラインナップしておりますので、EMIでお困りごとがございましたらぜひご検討ください。
製品ラインナップのご紹介もしておりますので、ご参考ください。
はじめに
EMIにもいくつか種類がありますが、本記事では ”クロック" が発生源の ”出力ラインからのノイズ” への対策をご紹介しています。
主なEMIノイズ発生源
・電源
・クロック
・PLL内臓のSoCやFPGA
・信号のクロストーク etc...
発振器要因のノイズ
・出力ラインからのノイズ
・電源ラインからのノイズ
・水晶発振器自体から発生するノイズ
SiTime製品でのソリューションのご紹介
SiTimeでは、以下の2種類の方法でEMI対策が可能です。
➀出力の強さを調整可能なプログラム発振器
②スペクトラム拡散機能付き発振器
どちらのデバイスでもクロックの出力ラインのノイズ対策が可能ですが、➁スペクトラム拡散機能付き発振器では、駆動先のICから発生する信号のEMI対策にも有効です。

➀出力のドライブ能力を調整可能なプログラム発振器
SiTime製品はプログラム発振器となっており、出力のドライブ能力を8パターンから選択可能です!
ドライブ能力を調整することで、”立ち上がり/立下り時間”の調整が可能で、以下のようなメリットがございます。
・EMIノイズ低減が可能!
・クロック後段のダンピング抵抗が不要に!
EMIノイズ対策には、出力のエッジレートを弱く設定いただくことでEMIノイズの抑制が可能です!
(下図、青色が実際に弱く設定いただいたエッジレートです)
ご試作の際にいくつかのパターンを比較いただくお客様も多くいらっしゃいますので、サンプルのご要望等ございましたら、ぜひお問い合わせください。

↓↓対応可能な製品はコチラ↓↓
型名 | 周波数 | 周波数偏差(ppm) | 出力形式 | 動作温度範囲 | 電源電圧 | パッケージサイズ |
SiT8008 | 1~110MHz |
±20 ±25 ±50 |
LVCMOS |
-20 to +70℃ -40 to +85℃ |
1.8V 2.5 to 3.3V 1.8 to 3.3V |
2.0x1.6 2.5x2.0 3.2x2.5 5.0x3.2 7.0x5.0 |
SiT8009 | 115~137MHz |
±20 ±25 ±50 |
LVCMOS |
-20 to +70℃ -40 to +85℃ |
1.8V 2.5 to 3.3V |
2.0x1.6 2.5x2.0 3.2x2.5 5.0x3.2 7.0x5.0 |
SiT2001 |
1~110MHz |
±20 ±25 ±50 |
LVCMOS |
-20 to +70℃ -40 to +85℃ |
1.8 2.5 to 3.3V |
SOT23(2.9x2.8) ※足つき |
SiT2002 | 115~137MHz |
±20 ±25 ±50 |
LVCMOS |
-20 to +70℃ -40 to +85℃ |
1.8 2.5 to 3.3V |
SOT23(2.9x2.8) ※足つき |
➁スペクトラム拡散機能付き発振器
SiTimeでは、SSXOと呼ばれるスペクトラム拡散機能付きの製品もご提案可能です。
スペクトラム拡散は、クロックの周波数を意図的に変調することで、EMIノイズを除去する手段で、以下のような特長があります。
・基本周波数において、最大17dBの低減、高調波で最大30dBの低減可能!
・最大 4% pk-to-pkという広い範囲での拡散が可能!
スペクトラム拡散機能付き発振器では、クロックの出力ラインから直接出るEMIノイズだけでなく、駆動先のICから発生する信号のEMI対策にも有効です。

↓↓対応可能な製品はコチラ↓↓
型名 | SiT9005 |
発振器タイプ | スペクトラム拡散クロック |
出力 | LVCMOS(シングルエンド) |
周波数 | 1MHz~141MHz |
周波数偏差(ppm) |
±20 ±25 ±50 |
動作温度範囲 |
-20 to +70℃ -40 to +85℃ |
電源電圧 |
1.8V 2.5V to 3.3V |
パッケージサイズ |
2.0×1.6 2.5×2.0 3.2x2.5 |
まとめ
今回は、EMIノイズが気になる製品向けに、以下のSiTimeのクロックソリューションをご紹介いたしました。
➀出力の強さを調整可能なプログラム発振器
②スペクトラム拡散機能付き発振器
本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。設計時に迷われた際には、ぜひお気軽にお問い合わせください。