回路設計時にこんな困りごと・・・
近年のワンチップマイコンは様々な通信方式や多くのアナログ的なペリフェラルが内蔵されており、本来外部で必要となる回路設計を省くことができます。また採用各社においてマイコンの標準化・共通化される傾向が高く、マイコンの置き換えをしたくないのが実情かと思います。
しかしながら、設計規模が想定を超えた際に「端子が数本足りない!」と困ったことはありませんか?
そこで、置き換え困難な回路設計におけるI/O数の拡張手段として、I/Oエキスパンダーがあります。
*I/Oエキスパンダーとは、マイコンのI/Oポートの不足を外部デバイスで補う常套手段であり、USBポートが足りない時に使用するUSBハブのようなものです。
汎用マイコン「EFM8」によるI/Oエキスパンダー実装
シリコン・ラボでは汎用マイコン「EFM8」を用いてI/Oエキスパンダーの実装が可能です。
*EFM8はシリコン・ラボが提供する8bitマイクロコントローラー(MCU)です 。
わざわざ汎用マイコンを使用してI/Oエキスパンダーを実装をする必要があるのか?と思うかもしれません。
いざ市販品で探そうとすると、実際には多くの選択肢が存在し、拡張規模の選択肢、I/O設定の自由度、将来にわたり供給可能なの?などなど検討を要するポイントが多く、選定に苦労します。
そこで、より自由度の高い設計が可能となる「EFM8」によるI/Oエキスパンダー実装の特長を紹介したいと思います。
特長1:8~24 本の I/O 数が拡張可能!
「EFM8」を用いたI/Oエキスパンダー実装は、外部で8~24本の拡張が実現可能になります。マイコンの置き換えをせずに、簡単にI/O数を拡張できることは、回路設計において変更を最小限に留めることができます。
このI/Oエキスパンダーの制御は、I2C経由のコマンドで設定可能となっています。仕組みとしては、
メインマイコンのクロック(SCL)、データ入出力(SDA)の2本の信号線を使うことで、複数本の入出力の信号線を拡張できるようになります。
また、右図のように、同じI2CバスにEFM8を2個併存させることで、最大24本×2組(最大48本)のI/O拡張をすることも可能です。
特長2:既存サンプルの活用で開発不要!
「EFM8」を用いた「I/O エキスパンダー」の実装は、既存サンプルを活用することで、開発が不要になります。
汎用マイコンを使用しているからといって、I/Oエキスパンダー機能実装のためのソフト開発が大変ということはありません。
被制御側デバイスは、シリコン・ラボが無償提供する統合開発環境ツール「Simplicty Studio」上の添付サンプルが利用可能です。
制御側デバイスは、GitHub掲載のサンプルが利用可能です。
特長3:端子毎の設定の自由度!
「EFM8」は汎用マイコンであるため、I/Oエキスパンダー単体より、幅広い設定が可能となります。
端子毎の設定の自由度が高く、右図のような設定が可能です。活用の例として、LEDポート出力やスイッチ入力を全ビットEFM8に割り当てることで、メインマイコンのI/O数を削減できます。
このように、適切な機能分散を実現することで、メインマイコンの回路設計や処理の簡略化に寄与します。
*入力端子の割込み検知機能を利用する際は、IRQ端子の追加が必要です。
特長4:わずかな実装面積!
I/Oエキスパンダーの採用を検討している方にとって、実装面積は懸念事項かと思います。
「EFM8」は幅広いラインナップがあり、I/O拡張規模によって異なりますが、2.0 mm~5.0 mm角のワンチップマイコンなります。
そのため、わずかな実装面積でI/O資源を補うことができます。
また、「EFM8」は単一電源で稼働し、オシレーターも不要のため、追加の実装面積も必要ありません。
これらの特長から、「EFM8」によるI/Oエキスパンダー実装は自由度の高い設計が可能となります。
I/Oエキスパンダーの選定に苦労している方は、ぜひご検討してみてください。
評価・開発のための評価ボードもご用意しております。
https://www.silabs.com/development-tools/mcu/8-bit/bb52-pk5206b-efm8bb5-pro-kit?tab=overview
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