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はじめに

静電気放電(ESD)は、電子機器の誤動作や故障の大きな原因です。
これを評価するためのESD試験は、国際規格IEC 61000-4-2などに基づき、さまざまな分野で実施されています。
IEC 61000-4-2規格に基づくESD試験において、放電電流波形が「第一ピーク」と「第二ピーク」の2つの山で構成されることに着目しています。

ESD試験の本質と課題

ESDパルスは「第一ピーク」「第二ピーク」の2つの山で構成されています。

 第一ピーク:外部浮遊容量(Stray Capacitance)由来の高周波の瞬間的な高電流

ESD試験器の放電ガンと校正時に使用するファラデーケージの大きな金属板(Ed2.0 1.2mx1.2m)との浮遊容量に

よって発生する瞬間的(<0.8ns)な高電流で、ESDガンの IEC61000-4-2 150pF/330Ωの設定と相関はありません。

第二ピーク:ESDガンで人体を模擬した150pF/330Ω設定の放電

高電圧Vを人体を模擬した(右図)コンデンサ150pFにチャージし抵抗330Ωを介して印加する放電です。

製品筐体の金属板の大きさがファラデーゲージと同等であれば校正時と同様な大きな第一ピークが発生しますが、第一ピークはESDガンと筐体金属板などとの浮遊容量で発生するため、製品筐体金属部がない、小さい、小型携帯機器等では第一ピークは大幅に減少します。

実際のESD波形で見るTVSの効果

ESD試験で観測される放電波形は、TVSTransient Voltage Suppresser)を搭載することで第一・第二ピークともに数十分の1程度に減衰が可能です。特にSemtechのTVSでは、高周波の第一ピークと100n程度続く第二ピークの高エネルギー成分を即座に低インピーダンスでGNDにターンオンし、保護対象ICへの過大な電流流入を防ぎます。

TVSなしの場合、第一、第二ピークのいずれもエネルギーがそのままICに到達し、破壊リスクが高まります。

Semtech TVSを搭載すれば、IC内部のESDクランプ回路で十分に吸収できるレベルまでエネルギーを低減できます。

赤枠:第一ピーク。緑枠:第二ピーク

第一ピーク、第二ピークのIC破壊モードとその対策

1.第一ピーク

 ①絶縁層のピンホール破壊

ESDの第一ピークが原因で破壊に至る場合、短時間の非常に高い電圧のため、小さなピンホールのような穴が開く破壊が起こります。

2. 第ニピーク

 ②表層の焼損破壊

第二ピークが原因で破壊に至る場合、100ns程度の長いサージが原因のため、表層の配線が焼ける破壊に至ります。

各破壊モードに対する対策

ESD破壊モード① – 絶縁層のピンホール破壊/第一ピークを抑えるために

    -ピンのインダクタンス製品が少ないリード無しDFNパッケージ製品を選択

    -小型パッケージで内部ボンディングワイヤーの無い製品を選択

    -TVSの配置をESD印可ポイントの近くとする

    -回路上抵抗やインダクターがある場合はTVSの後段に配置 

  

ESD破壊モード② – 表層の焼損破壊/第二ピークの印加エネルギーを抑えるために

     -Rdyn ダイナミック抵抗値(動的ターンオン抵抗)の小さなTVSを選択

Semtech TVSが選ばれる理由

1. 両ピークを強力にクランプ

SemtechのTVSは、第一ピークの高周波の瞬間的な高電流だけでなく、第二ピークの高エネルギー成分も低インピーダンスでターンオンしGNDへバイパスし、システムレベルESDからICを守ります

これにより、IC内部のESDクランプ回路が対応する範囲まで印加エネルギーを低減し、ICの破壊リスクを大幅に下げます

 
2. 高速応答・広帯域対応
IEC 61000-4-2で要求される1ns以下の立ち上がりにも余裕で対応します
数GHz帯までの高周波成分も確実にクランプします


3. 豊富なラインナップと実績
車載、産業、民生、通信などあらゆる分野で採用実績多数あります
最新の小型・高性能ICにも最適な製品をラインナップしています

まとめ:ESD対策はSemtech TVSで決まり

第一・第二ピークの両方を強力に抑制
高速・高周波対応で最新規格も安心
豊富な実績とラインナップであらゆる用途に最適


静電気対策でお困りなら、まずはSemtechのTVSをご検討ください

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