WPシリーズ概要
WPシリーズは、従来の[Modemモジュール+Host CPU] という構成に対し、[ModemにCPUを実装した1chip型Modemモジュール]です。
これにより、従来のCPU実装に伴うBOMコストの削減、基板スペースの縮小化などが期待できます。
特徴
WPシリーズでは、主に下記の特徴があります。
- Application Processing
- Open Source "legato"
- Firmware Partition
- CF3パッケージ
Application Processing
従来のHost CPU制御用IFから、WPシリーズをMain CPUとした周辺Peripheralとの接続用IFとして下記IFをサポートしています。
- Link:USB2.0、UART、HSIC、SPI、I2C、SDIO
- Digital:GPIO
- Audio:I2S、PCM
- Analog:ADC
内蔵CPU仕様は下記の通りで、汎用CPUであれば十分にResouce確保が可能な容量となっています。
- Cortex A7 32bit RISC
- 処理速度:1.3GHz
- Flash:220MB (Total:512MB)
- RAM:128MB (Total:256MB)
Open Source "legato"
WPシリーズはSemtech社独自のLinux Base Distribution上で動作する "legato" と呼ばれるApplication Frameworkでの処理が可能です。
legatoはOpen Sourceとなるため、独自のApplication開発は勿論のこと、legato Forumを活用したソースコードの活用も可能となります。
開発環境としてはLegacyのLinux OS likeのCommand lineベースによる開発や、Linux&legato Frameworkに対応する統合開発環境:Developer Studioを用いて容易に開発することが可能です。
※画像をクリックするとlegato forumへ移動します(外部リンク)
Firmware Partition
WPシリーズFirmwareは大きく4つのPartitionで区切られています。
[Modem Firmware]
- キャリア基地局とのCellular網を使用した無線通信制御(RF制御)を実行します。
- SIMカードを用いたキャリア基地局との認証、キャリア基地局からのパケット受信及び条件分岐処理、電界強度の計測など、RF制御全般を当Partitionで実行します。
- Qualcomm社Chipset Firmwareをベースに、基本的なRF制御はBasic化されているため、外部からは接続/切断指令やエラーハンドリングなどのアプリケーション部分の設計のみとなります。
- お客様の方ではCustomize不可となり、キャリアIOT認可取得を経てSierra社より不定期にFirmwareがReleaseされます。
[Yocto Firmware]
- Native Linux Operation System部(Kernel)を指しています。
- Bootloader制御、内蔵デバイスの制御、コマンドライン制御などの、Native Linuxと同等の制御が可能です。
- Semtech社より提供されるPackagingされたYocto Frameworkでの制御も可能ですし、Embedded Linuxライクに機能を取捨選択した1からのInstrallationも可能です。
[Legato Firmware]
- Yocto Framework上で動作するlegato Application Frameworkです。
- SIM情報の設定や電波環境のモニタリングなど、ある程度のModem Firmware制御を独自コマンドで実行することが可能です。
- Native Linuxベースの汎用Applicationを使用する場合も当Partitionで管理されます。(例:pppconfig)
[Legato Application]
- お客様で作成いただくCustom legato Application部となります。
- ファイルシステムで管理され、C言語ベースのプログラミング言語で設計可能です。
CF3パッケージ
WPシリーズではCF3と呼ばれるコンセプトの下、HW仕様が決まっています。
"Common Form Factor"を思想とし、通信規格/仕向地変更に伴うモジュールの変更、およびモジュール変更に伴うベースボードHW設計の変更を、最小限に抑えるためのHWピンコンパチを対応としています。
CF3に伴い、WP専用のSocket Connecterもありますので、仕向地に応じたモジュールを差し替えのみで御対応いただくことも可能です。
開発環境
WP Development Kit
評価ボードとして、上記mangOH GREENボードを推奨します。
PCとUSB/UART接続でのDebugが可能となり、IOT拡張ボードを3つ兼ね備えているため、
DebugだけでなくDemo/製品としてもご使用が可能です。
<開発用PC>
*Hardware spec
- CPU: Dual Core@2.6GHz
- RAM: 4GB
- HDD: 10GB Free Space
*Linux PC:Ubuntu 16.04 64bit以上推奨
※その他Distribution、Ubuntu 14.04以前でも可能ですが、Install手順が異なるため一度弊社までお問い合わせください。
*Windows PC:Windows 10以上+Virtual Box5
※Virtural Box5以外のVersionですと、Developer Studio非サポートとなります。
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