AIキットって何?
Snapdragon 845搭載のThundercomm TurboX™D845システムオンモジュール(SOM)を搭載した組み込み/エッジAI開発プラットフォームです。
各種汎用インターフェースを備えた小さなBOX型コンピューターの形になっており、様々なユースケースに向けた実証実験への活用を容易にします。また、今すぐにAIを試してみたいソフトウェア開発者向けに、サンダーソフト社で用意したAIアルゴリズムSDK、デモアプリケーションがバンドル提供されます。
今回の記事では“顔認識”、“物体認識”のアプリケーションについて、ビルド方法およびインストール方法と併せて紹介していきます。
デモアプリケーション
下記の2種類のデモアプリケーションがバンドル提供されます。
顔認識(Face Registration/Face Recognition)

人の顔を検出すると性別、年齢、感情に関する情報を推論し表示します。
事前に顔と名前を紐づけて登録することができ、登録されている人を検出した場合に名前を表示することが可能です。
物体認識(Object Detection)

Thundersoft社が作成した学習済みモデルが実装されており、デフォルトで80種類程度の物体が認識できるようになっています。
キット内容
- AIキット本体
- ACアダプタ
- Type-A to Type-Cケーブル
※以下はキット非同梱だがデモアプリケーション実行に必要なもの
- HDMI対応ディスプレイ
- HDMI to micro-HDMIケーブル
- USBマウス
事前準備
1.デモアプリケーション用SDKのダウンロード
Thundersoft社が運営している45 SmartというウェブページからAlgoSample SDKをダウンロードし、任意のパスに解凍します。
2.NDK Revision 14bのダウンロード
サンプルアプリケーションのapkビルドの際、Thundercomm社推奨のNDKはRevision 14bとなっています。
Androidのディベロッパーズサイトから該当のNDKをダウンロード、解凍し、任意のパスに置いておきます。
3.Android Studioのインストールと推奨環境設定
AIキットのOSにはAndroidがプリインストールされています。アプリケーションをインストールする際に必要なapkファイルをAndroid Studioでビルドしますが、Android StudioをThundersoft推奨の設定にする必要があります。
下記の2つの設定を確認します。
1. Build SDK version:26

2. CMake version:3.6.4111459

これで事前準備は完了です。apkファイルをビルドしていきます。
apkファイルのビルド(Android Studio上での操作)
Android Studioを開き"Import project"を選択します。先ほど解凍しておいた"AlgoSample"を選択してOKを押します。

Import が完了すると下図のようなウィンドウが現れます。
”local properties”のタブを選択するとsdk.dir… というパスが指定されています。Thundercomm社推奨環境のNDK Revision 14bを適用するために最後の行にndk.dir=(android-ndk-14bのパス)というパスを追加します。

ここまで完了したら画面上部メニューのBuildからMake Projectを実行し、その後、同じく画面上部メニューのBuildからBuild APKを実行します。
下図のように、画面下部のビルドログ画面のBuild: completed successfullyがOK(緑色)になれば正常にapkファイルのビルドが完了したことになります。

ここまでの手順を完了すると、事前準備で解凍したAlgoSampleフォルダ内(AlgoSample/app/build/outputs/apk/debug)に app-debug.apk というファイルが生成されているはずです。
apkファイルのインストール(コマンドプロンプト上での操作)
AIキットを電源ONにしPCと接続します。AIキット側はType-Cの差込口にケーブルを接続してください。
PCでコマンドプロンプトを開き、apkファイルが保存されているフォルダから下記のadbコマンドを実行します。AIキットにアプリケーションがインストールされます。
adb install app-debug.apk
アプリケーションの実行(AIキット上での操作)
AIキットにディスプレイとマウスを接続しAIキットの電源をONにします。
アプリケーション一覧画面にAlgoSampleが追加され、AlgoSampleを実行すると下図のような画面が表示されますので、デモを選択し起動します。

Face Recognition

人の顔を検出すると性別、年齢、感情に関する情報を推論し表示します。
Face Registrationで顔と名前を紐づけて登録しておくことができ、登録している人が検出された場合、検出された人の名前が表示されるようになります。一方で、登録していない人を検出すると、”Unknown”として認識/表示されます。
Object Detection

Thundersoft社が作成した学習済みモデルが実装されており、デフォルトで80種類程度の物体が認識できます。
製品について詳しく知りたい方
本記事で紹介した製品に関する詳細な情報をお求めの方は、是非こちらからお問い合わせください。
おすすめ記事/資料はこちら
Qualcomm® Snapdragon™ 410でLinux®をインストールしてみた
Qualcomm® Snapdragon™とOpenCVを使って顔検出してみた
Qualcomm Snapdragon is a product of Qualcomm Technologies, Inc. Qualcomm and Snapdragon are trademarks of Qualcomm Incorporated, registered in the United States and other countries.