概要
2025年7月9日(水)~12日(金)に幕張メッセで開催された「日本ものづくりワールド2025」の岡谷精立工業株式会社(以下、岡谷精立工業)のブースにて、マクニカオリジナルブランドの半導体ひずみセンサー「STREAL(ストリアル)」を活用したクランプ式ロードセルが出展されましたのでご紹介いたします。
※ロードセル:荷重(力や重さ)を電気信号に変換して測定するセンサー
※クランプ式ロードセル:構造物の外側にクランプ(締め具)で固定して取り付け、内部にひずみを与えることなく荷重を測定できるロードセル
日本ものづくりワールドとは
日本ものづくりワールドは、日本最大級の製造業の展示会です。IT、DX製品、部品、設備、装置、計測製品などを扱う企業が世界中から出展し、設計、開発、製造、生産技術、購買、情報システム部門など、さまざまな方との活発な商談が行われる展示会です。今回の会場は幕張メッセでした。
STREALを活用したクランプ式ロードセルのご紹介
岡谷精立工業のブースでは、STREALとモニタリング装置を組み合わせた開発中のクランプ式ロードセルが展示されました。このロードセルは、リンク棒やパイプなどにかかるひずみから荷重を算出し、機器の故障検知・予防保全・メンテナンス時期の予測などを可能にします。マクニカはセンサー技術の提供に加え、試作機の評価・実証試験の設計・性能検証など、適用評価の支援を行っています。
システム構成

★油圧アクチュエーター(バタフライ弁)への応用 ★クランプ式ロードセル(特許出願中)
・バタフライ弁の開閉により、リンク棒やパイプに荷重が作用
・STREALは金属表面に直接貼付けるセンサーで、リンク棒やパイプの平坦部に接着剤で設置
・フレキシブル基板やケーブルを介して計測ユニットへ接続
・リンク棒やパイプにかかる、微細なひずみをSTREALが検出し、電気信号に変換して荷重を算出
誰でも簡単に取り付けが可能で、無線通信を含むリアルタイム計測が可能になった点が最大の特長です。応用例としてバタフライ弁を駆動させる油圧アクチュエーターに本ロードセルを実装した展示も行われました。
※リンク棒:機械的な機構において、他の部品と連結されて動作する棒。
※バタフライ弁:円盤状のディスクを回転させ、流体の流れを制御するバルブ。
データの見方
バタフライ弁の開閉にかかる力の履歴をグラフで示しており、異常兆候や状態診断が可能です。
正常時:グラフは一定のパターンで上昇・下降
摩擦増大・異物混入時:想定以上のひずみピークや戻りの遅れが見られる
経年劣化時:ベースラインのひずみが徐々に上昇

ひずみのリアルタイム計測
まとめ
従来のクランプ式ロードセルでの計測方法では、ひずみゲージを使用しており、専門技術員による貼付けやデータ処理が必要でした。しかし、STREAL を使うことで誰でも簡単に取り付け・計測が可能となり、従来の課題を解決できるようになりました。現在、製品化に向けて開発が進行中であり、バルブ機器や建築関係などの用途に限らず、幅広い分野での応用が期待されております。
引き続き、岡谷精立工業と共に製品化に向けて技術検証や市場調査を継続してまいります。今後の岡谷精立工業の製品展開、そしてSTREALのさらなる進化にぜひご期待ください!
