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概要

2025年716日(水)~19日(土)に東京ビッグサイトで開催された「MF-Tokyo2025 8回プレス・板金・フォーミング展」にて、株式会社YGソリューションズ(以下、YGソリューションズ)のブースに展示された「金型DXソリューション」のデモ装置に、マクニカオリジナルブランドの半導体ひずみセンサー「STREAL(ストリアル)」をご活用いただきましたので、ご紹介いたします。
※YG
ソリューションズは株式会社ヤマナカゴーキンの100%出資会社です。

MF-Tokyoとは?

MF-Tokyoは、一般社団法人日本塑性加工学会と日刊工業新聞社が主催する、国内最大級の塑性加工技術に関する展示会です。最先端のプレス加工・板金・フォーミング技術が一堂に会し、製造業の次世代を担う技術交流の場として注目を集めています。今回の会場は東京ビッグサイトでした。

STREALを使用した金型DXソリューションのご紹介

YGソリューションズのブースでは、塑性加工分野における豊富な経験とノウハウを活かし、独自開発のソフトセンシング技術とマクニカのSTREALを組み合わせた金型センサーシステムが展示されました。このシステムは、金型の応力負荷をデータ化し、金型の寿命改善を目指すもので、マクニカはセンサー技術の提供に加え、試作機評価における技術的な支援を行っています。

システム構成

本システムは、ひずみセンサーを金型表面に貼り付け、専用の無線送信機を用いてデジタル信号として送信する構成です。送信されたデータは、専用の受信ソフトおよびデータ処理ソフトを搭載したPCに送られます。

受信ソフトには、ひずみセンサーから取得したデジタル信号を、縦軸に①ひずみ(単位:με)、②温度(℃)、横軸に時間をとった時系列データとしてグラフ表示するモニタリング画面が備わっています。これにより、リアルタイムでのひずみ挙動の可視化が可能です。

一方、データ処理ソフトには以下の機能が搭載されています。

波形抽出機能:断続的な実測値から、物理的なトリガ信号を使用せずに、1点1点のデータを読み取り、波形の立ち上がり・立下りを独自のアルゴリズムで判定し、成形中の波形を抽出します。

振幅計算・履歴記録機能:抽出された波形の最大値と最小値から振幅を算出し、その値を金型が各成形(ショット)で受けたひずみ履歴として記録します。独自アルゴリズムによって近接センサーなどの物理的トリガを用いずに成形の開始・終了を判定することで、最小限の構成でひずみ挙動を高精度に記録・解析することが可能です。

さらに、人間の血圧や歩数など日常の動きを数値化して蓄積・解析するヘルスケアシステムのように、金型が日常的に受けるひずみ履歴を継続的に記録・データベース化することで、傾向分析が可能となり、金型の寿命予測や設計条件・成形条件の最適化へとつながります。

※左側(オレンジ枠):受信ソフトのGUI画面です。(実測値のモニタリング画面になります。)
※右側(青枠):データ処理ソフトのGUI画面です。(切り取った成形中の波形と各ショットカウントのひずみ履歴※1をプロットした散布図を確認する画面です。)
1:切り取った波形の、ABS(最大値-最小値)=振幅値を各ショットで受けたひずみ値と仮定しています。

STREALの特長

従来のセンサーでは困難だった狭小空間への実装や干渉・高精度なひずみデータ取得と応用といった点でも、STREALの小型・高精度という特長が活かされています。

まとめ

今回のデモ機では、YGソリューションズが製品化に向けた評価を継続的に実施しており、スマート金型への応用に向けた取組みが加速しています。今後は、量産化に向けて、ソフトセンシング技術とひずみセンサーのデータを融合した最適なデバイス構成の検討が進められる予定です。STREALは、スマート金型・製造DXの現場における「見える化」を支える中核技術として、今後もさらなる進化を目指してまいります。引き続き、YGソリューションズの金型DXソリューションとSTREALの可能性にご期待ください!