はじめに
ソフトウェア開発にコーディング エージェントを取り入れることが一般的になりました。これからご紹介するNVIDIA-Verified Agent Skills(以下、NVIDIA Skills) を利用することにより、コーディング エージェントに、NVIDIA CUDA-X ライブラリー、NVIDIA Blueprints、NVIDIA Omniverse™ および フィジカル AI ワークフロー、NVIDIA NeMo™ トレーニングおよび推論ツール、その他のプラットフォーム コンポーネントを正しく使用する方法を教えることができます。本記事では、NVIDIA NemoClaw™ と呼ばれる AI エージェントのインストール作業に対する NVIDIA Skills の適用例を紹介いたします。
動作環境
本記事の作成で利用した各ソフトウェアのバージョンは以下のとおりです。
| ソフトウェア | バージョン |
| Visual Studio Code | 1.122.1 |
| GitHub Copilot モデル | Claude Opus 4.5 |
| npm | 11.13.0 |
| Node.js® | 26.2.0 |
| NVIDIA Skills | 2026年6月5日に取得 |
| NemoClaw | 0.0.55 |
ハードウェアは、NVIDIA GB10 Grace Blackwell Superchip を搭載した NVIDIA® DGX Spark™ 互換の、MSI EdgeXpert 4TB を利用いたしました。
Agent Skills
AI エージェントに新たな能力と専門知識を与えるために標準化された方法が Agent Skills です。Agent Skills によって、汎用エージェントは専門家に変わります。プロンプトに専門知識を含める場合とは異なり、Agent Skills はオンデマンドで読み込まれ、複数の会話にわたって同じガイダンスを繰り返し提供する必要がなくなります。Agent Skills の実体は、AI エージェントへの詳細な指示が記載された SKILL.md という名前の Markdown ファイルを含むフォルダーであり、そこには、スクリプト、参考資料、テンプレートなども含めることが可能です。
Agent Skills は元々、Anthropic 社によって開発されましたが、現在は、オープンスタンダードとして公開され、多数のAIツールとエージェントクライアント によってサポートされています。Agent Skills の仕様は、Agent Skills サイト で公開されています。
NVIDIA Skills
Agent Skills に準拠し、ロボティクス、自動運転車、ビジョン AI、産業用デジタル ツイン向けに、NVIDIA Omniverse、NVIDIA Cosmos™ 、NVIDIA Alpamayo、NVIDIA Metropolis に及ぶフィジカル AI エージェント スキルとツールの主要なオープン ソース コレクションが NVIDIA Agent Skills です。(出典:NVIDIA、フィジカル AI のためのオープン ソース型の エージェント ツールとスキルの主要コレクションを発表 - NVIDIA | Japan Blog)
NVIDIA Skills を利用することにより、エージェントが NVIDIA ライブラリー、モデル、フレームワークを活用して、ロボット、AV、ファクトリー、ラボにおけるデータ生成、シミュレーション、学習、評価、展開のパイプラインを高速化できます。2026年6月現在、NVIDIA Skills がカバーするのは、以下の分野の NVIDIA 社製ソフトウェア製品です。
• ロボティクスとエッジ AI
• 自動運転車
• リアルタイム ビジョン AI エージェント
• 産業用 AI
• ヘルスケア
NVIDIA Skills のインストール
それでは、NVIDIA Skills をインストールしましょう。NVIDIA Skills は多くのプラットフォーム上で動作しますが、本記事では、NVIDIA GB10 Grace Blackwell Superchip を搭載したNVIDIA DGX Spark、およびその互換機を想定し、エージェントは、GitHub Copilot Business サブスクリプション(エージェント設定は Agent)、コードエディターは Visual Studio Code(以下、VS Code)を想定します。予め、Node.js と npm がインストールされている必要があります。以下のコマンドで、NVIDIA Skills をインストールできます。本記事公開後に変更になる可能性もありますので、最新情報は、NVIDIA Skills GitHub リポジトリー をご参照ください。
npx skills add nvidia/skills
必要とするスキルを選びます。スペースキーで選択/選択解除がトグルします。今回は、NemoClaw 向けスキルを選択し、インストールしました。
◆ Select skills to install (space to toggle)
│ ...
│ ◻ nemo-mbridge-perf-hierarchical-context-parallel
│ ◻ nemo-mbridge-perf-megatron-fsdp
│ ◻ nemo-mbridge-perf-memory-tuning
│ ◻ nemo-mbridge-perf-moe-comm-overlap
│ ◻ nemo-mbridge-perf-moe-dispatcher-selection
│ ◻ nemo-mbridge-perf-moe-hardware-configs
│ ◻ nemo-mbridge-perf-moe-long-context
│ ◻ nemo-mbridge-perf-moe-optimization-workflow
│ ◻ nemo-mbridge-perf-moe-vlm-training
│ ◻ nemo-mbridge-perf-parallelism-strategies
│ ◻ nemo-mbridge-perf-sequence-packing
│ ◻ nemo-mbridge-perf-tp-dp-comm-overlap
│ ◻ nemo-mbridge-recipe-recommender
│ ◻ nemo-mbridge-resiliency
│ ◻ nemo-retriever
│ ◻ nemo-rl-auto-research
│ ◻ nemo-rl-brev-etiquette
│ ◻ nemo-rl-docs
│ ◻ nemo-rl-session-memory
│ ◼ nemoclaw-user-agent-skills (Describes the agent skills shipped with NemoClaw and how ...)
│ ◼ nemoclaw-user-configure-inference (Connects NemoClaw to a local inference server. Use when s...)
│ ◼ nemoclaw-user-configure-security (Presents a risk framework for every configurable security...)
│ ◼ nemoclaw-user-deploy-remote (Explains how to run NemoClaw on a remote GPU instance, in...)
│ ◼ nemoclaw-user-get-started (Installs NemoClaw, launches a sandbox, and runs the first...)
│ ◼ nemoclaw-user-manage-policy (Adds, removes, or modifies allowed endpoints in the sandb...)
│ ◼ nemoclaw-user-manage-sandboxes (Explains operational tasks after the quickstart: listing ...)
│ ◼ nemoclaw-user-monitor-sandbox (Inspects sandbox health, traces agent behavior, and diagn...)
│ ◼ nemoclaw-user-overview (Explains how OpenClaw, OpenShell, and NemoClaw form the e...)
│ ◼ nemoclaw-user-reference (Describes the NemoClaw plugin and blueprint architecture ...)
│ ◻ nemotron-customize
│ ◻ nemotron-policy-generator
│ ◻ nemotron-retrieval-recipes
│ ◻ nemotron-speech
│ ◻ nv-generate-ct-rflow
│ ◻ nv-generate-mr (Used for generating synthetic body MRI volumes with NV-Ge...)
│ ◻ nv-generate-mr-brain
│ ...
└
NemoClaw をインストール
準備が整ったので、NVIDIA Skills を利用して、NemoClawのインストールを開始しました。NemoClaw自身も AI エージェントですので、AI エージェント(GitHub Copilot)に、別の AI エージェント(NemoClaw)のインストールを依頼するという興味深い構造となりました。
まずは、GitHub Copilot が NVIDIA Agent Skills を認識しているかどうか確認してみました。
ワークスペースにインストールされているスキルをリストしてください。
正しく認識され、以下の回答が得られました。なお、GitHub Copilot が利用する AI モデルによって、回答の言い回しは変わります。同じ、AI モデルであっても、試す度に、若干、回答の言い回しは変わるはずです。
---(↓ 以下、GitHub Copilot の出力)---
---(↑ 以上、GitHub Copilot の出力)---
NemoClawのインストール方法は、NVIDIA Skills に記載されているので、以下のような簡単な指示で、GitHub Copilot に NemoClawのインストールを依頼しました。
スキルを参照の上、NemoClawをインストールしてください。今まで、NemoClawを使ったことがないので、インストール中のオプション選択もサポートしてください。
スキルを使うことを明示的に指示する方が、良い結果を得られるようです。これを行わないと、GitHub Copilot が NemoClawのインストール方法に関してインターネット検索する場合もありました。さらに、オプション選択をサポートするように指示するのも重要でした。これにより、選択肢の意味を GitHub Copilot が解説してくれるようになりました。
GitHub Copilot は、nemoclaw-user-get-started スキルを読み込み、まず、システムが前提条件を満たすかどうか確認しました。
---(↓ 以下、GitHub Copilot の出力)---
前提条件を確認するため、詳細を読み込みます。
Read skill `nemoclaw-user-get-started`: [](file:///home/msispark/nemoclaw-
projects/.agents/skills/nemoclaw-user-get-started/references/prerequisites.md)
前提条件を確認しました。Linuxをお使いなので、インストーラーがDockerとNode.jsを必要に応じてインストールします。
まず、現在のシステム状態を確認します:
Ran terminal command: docker --version && node --version && npm --version && df -h
/ | tail -1 | awk '{print "Disk free:", $4}' && free -h | grep Mem | awk '{print
"RAM:", $2}'
システム要件を満たしています:
- Docker: 29.2.1 ✓
- Node.js: v26.2.0 ✓
- npm: 11.13.0 ✓
- ディスク: 2.0TB空き ✓
- RAM: 121GB ✓
---(↑ 以上、GitHub Copilot の出力)---
条件が満たされていることを確認すると、インストール作業が始まりました
---(↓ 以下、GitHub Copilot の出力)---
NemoClawのインストールを開始します。インストーラーは対話式なので、各ステップで選択をサポートします:
Ran terminal command: curl -fsSL https://www.nvidia.com/nemoclaw.sh | bash
インストーラーが起動しました。サードパーティソフトウェアの注意事項への同意を求めています。
内容の要約:
- NemoClawはApache 2.0ライセンス
- サードパーティソフトウェア(OpenClaw、OpenShell等)を自動的に取得・使用する
- それらのソフトウェアは別の利用規約に従う
- 「AS IS」(現状のまま)で提供され、保証なし
回答を分析しています...
ターミナルに `yes` を送信する
---(↑ 以上、GitHub Copilot の出力)---
長くなるので、途中は省略しますが、以下のようにインストールが完了しました。
---(↓ 以下、GitHub Copilot の出力)---
---(↑ 以上、GitHub Copilot の出力)---
NemoClawの利用を開始
インストールが完了したので、NemoClawとチャットして動作確認を行いました。
ブラウザでチャットしたいです
---(↓ 以下、GitHub Copilot の出力)---
ブラウザー を開きました
---(↑ 以上、GitHub Copilot の出力)---
ブラウザ内にダッシュボードが起動しましたが、認証用の情報を求めるページが表示されました。GitHub Copilot が、NemoClawとのチャットに認証が必要なことに気づき、NVIDIA Agent Skills からの情報を基に、認証用トークンを含んだ URL を表示する NemoClawコマンドを提案してきました。
---(↓ 以下、GitHub Copilot の出力)---
---(↑ 以上、GitHub Copilot の出力)---
無事、NemoClawとのチャットを開始できました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?初めて利用するソフトウェアのインストールは、コンフィグレーション設定で提示される選択肢の意味が分からず、何かと不安なものですが、NVIDIA Skills を利用することにより、それぞれの選択肢の意味を確認しながら、安心して NemoClawのインストールを行うことができました。インターネット上に散らばる不確かな情報ではなく、NVIDIA 社の提供する公式情報であることも非常に重要です。 今回は、NemoClawのインストールと、ダッシュボード表示を行う、NemoClawの利用開始フェーズで役立つスキルでしたが、NemoClawのセキュリティ ポリシー設定など、運用フェーズで役立つスキルも存在します。さらに、NemoClawに留まらず、生成 AI 系 NVIDIA 社製ソフトウェア製品向けスキルを中心に、多くのスキルが提供されています。現在、提供中のスキルは、NVIDIA Skills GitHub リポジトリー で確認できます。ぜひ、ご自身のソフトウェア開発にお役立てください。