5分でわかるイベントレポート! 製造現場で活きるAI ~検知/検査自動化と最新画像解析テクノロジーの活用事例~

本記事では、2022729日に開催したセミナー「製造現場で活きるAI ~検知/検査自動化と最新画像解析テクノロジーの活用事例~」の様子をご紹介します。

  

共催:エヌビディア合同会社、株式会社マクニカ

協賛:株式会社ネクストシステム、株式会社YEデジタル、株式会社アイキューブデジタル

製造現場でAIがどう活用されているか、導入事例を多数交えた4セッション!

本セミナーは以下の講演者にご登壇いただきました。300名を超える方々にご登録いただき、「昨今のAI業界の動向を理解できました」、「1時間半にわたって多くの導入事例が紹介されており、とてもイメージが湧く有意義なセミナーでした」、「今知りたい情報と合致した内容で有益でした」等の有難いお言葉を頂きました。

講演

講演タイトル

プロフィール

1.

製造業向けAI/IVA活用事例、Jetson新製品の紹介

エヌビディア合同会社

オートノマスマシン事業部 ビジネス開発マネージャー

梅本 将範 氏

2.

少量のデータで高精度リアルタイム行動解析を実現!現場の作業改善・事故防止への活用例

株式会社ネクストシステム

代表取締役

藤田 義生 氏

3.

AI外観検査の最前線 ~食品業界ならではの検査事情とロボット・排出機構連携による全自動化~

株式会社YEデジタル

理事 マーケティング本部長

叢 偉 氏

株式会社アイキューブデジタル

管理本部 マーケティング担当

作本 歩美 氏

4.

製造業のAI導入障壁を突破 〜エッジデバイスと画像解析による課題解決〜

株式会社マクニカ クラビス カンパニー

ビジネスソリューション 第2統括部 営業第2部 第2課

田中 翔志也 氏

ここから、本セミナーでご講演いただいた4つのセッション内容を一部抜粋してご紹介します。記事末尾の簡単なフォームにご登録いただくと、オンデマンド動画や講演資料もご覧いただけますので、ぜひ最後までお読みください。

製造業向けAI/IVA活用事例、Jetson新製品の紹介

NVIDIA3Dグラフィックスなどの画像処理に特化したGPUメーカーとして世界で広く知られていますが、GPUだけではなくサービスと組み合わせたプラットフォームの提供をさまざまな分野へ展開しています。本講演では、製造業や産業分野におけるAIユースケースをご紹介いただき、これらの分野においてAIの用途は大きく5つあると梅本氏は語りました。

製造&産業分野でのAIユースケース

中でも「光学外観検査」と「IVA(Intelligent Video Analytics) ビデオ解析」から具体的なAI導入事例をピックアップし紹介いただきました。

GPUを用いたAIカメラで、プレス工程における板金の亀裂を数秒で検出

・電子機器におけるミクロンレベルの不良を検査し、人間のレベルを上回る検査精度を実現

AIを搭載したドローンがリアルタイムに画像データを取得し、メンテナンス作業を効率化

・危険な現場において、特殊な角度からでも人物検知をおこない現場の安全性を向上

 

梅本氏はAIの活用が広がる中で、AI世界では開発者としての課題が3つあると述べました(画像参照)。ただし、これらの課題は最適なデバイス、ツール、サービスを使うことによって解決することができるため、NVIDIAとそのパートナーの活用を是非検討してほしいと締めくくりました。

今日のAI世界での競争

少量のデータで高精度リアルタイム行動解析を実現!現場の作業改善・事故防止への活用例

一般的にAIを導入するために、まずは膨大な量のデータを取得し、それらを使ってAIに学習をさせることが必要です。しかし、このハードルが高くてなかなか導入へ踏み切れない方も多いのではないでしょうか。

今回、株式会社ネクストシステムの代表取締役 藤田氏にご紹介いただいた「VP-Motion」では、実際の作業動画を数本読み込むだけで作業検知(行動解析)が可能となります。本講演では、実際に藤田氏がリアルタイムでの骨格検知デモを披露してくださいました。

株式会社ネクストシステム デモ1
株式会社ネクストシステム デモ2
VP-Motion の構成

この「VP-Motion」は「学習パート」と「検知パート」で構成していますが、提供されるシステムには「教師データ作成ツール」「学習システム」「監視システム」が備わっており、順番に実行され、AIにおける行動解析が実現できます。

 

これまでだとハイスペックなPCに搭載されているGPUがないとAIの実現はできませんでした。しかし、今回のデモで使用されているNVIDIAの最新製品Jetson AGX Orinという手のひらサイズのエッジコンピューティングを活用することで、サーバークラスの処理性能を持ってリアルタイムでの画像解析が可能になります。Jetson AGX Orin版の「VP-Motion」は8月中旬にリリースされる予定です。

AI外観検査の最前線 ~食品業界ならではの検査事情とロボット・排出機構連携による全自動化~

株式会社YEデジタルは製造業を中心にシステムの構築をおこなってきましたが、最近は特に食品製造現場に注力していると同社の叢氏は語ります。その一方、製造現場における人手不足や過剰な高品質の維持が求められること、作業員によって判断基準のばらつきが生じること等が課題として挙げられます。そんな課題を解決するAIを使った外観検査自動化ソリューション「MMEye」をご紹介いただきました。
 

食品の場合、良品と不良品の判定が曖昧なため、従来のルールベースでは検査精度を高く保てませんでした。そこで、AIのディープラーニングを活用することで人より高い精度で自動認識をし、現場の自動化を強力に支援できます。まだまだ人による最終チェックをおこなっているところも多いですが、このようなソリューションを導入することで品質向上・コスト削減・省人化を実現することができます。

株式会社YEデジタル
MMEye 導入イメージ

後半では、安川電機YEデジタルの共同出資で設立された株式会社アイキューブデジタルより作本氏にもお話しいただきました。同社の強みである「IT領域のノウハウだけでなくエッジ領域のノウハウを持った社員も多数在籍し、連携がとれる」点を活かし、叢氏よりご紹介いただいた「MMEye」とロボットによる排出機構を連携させて、検査工程全体を自動化した例を解説されました。

  

今年20227月より発売になった検査対象特化型モデルの「Y’s-Eye ハンバーグ」は、AIによる外観検査~排除機構~分析までの流れがセットになっています。対象を冷凍のハンバーグパティに限定にすることで、お客様ごとに想定されるカスタマイズをある程度特定可能にし、その結果従来よりも短期間での導入を実現させています。

Y's-Eye
Y's-Eye ハンバーグ

上図のように一連の流れでおこなうことから、不良品の傾向を分析し前工程における改善が実施でき、不良品の発生を抑えるという循環を作り上げることができます。

 

これらをふまえて講演の最後には、全自動化実現のポイントは、1.精度の高いAI判定モデルの活用、2.高速画像処理に対応したハードウェア(Jetson AGX Orin 他)、3.OTの知識を持つFA技術者集団 の3つにあるとまとめていただきました。

製造業のAI導入障壁を突破 〜エッジデバイスと画像解析による課題解決〜

自社内におけるAI導入を進めるにあたってさまざまな障壁がありますが、「自社内にAIについての理解が不足している」や「AI人材の不足」、「技術的な知見が足りていない」といった課題をお持ちの方は多くいらっしゃいます。

AI導入における障壁

これらに対する突破口をマクニカでは提案させていただきます。

AIエンジンとして最適なエッジコンピューティングの選定と技術知見を活かしたサポート

AIを強みとするアルゴリズムベンダーとのパートナーシップを活かした導入支援

マクニカの伴走サポート

当社ではAI専門開発チームもあり、幅広いご支援の実績を積み重ねています。このように、AI導入における必要な環境をトータルでサポートが可能ですので、ぜひご相談いただけたらと思います。

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今回ご紹介したセミナーは、下記のフォームよりご登録いただくとオンデマンド動画と当日の講演資料をすべてご覧いただけるURLを送付いたします。見逃してしまった方や参加者の方でもう一度ご覧になりたい方は、この機会にぜひご登録ください!