本記事では、2022/5/25に株式会社マクニカとニューラルポケット株式会社で共催したセミナー「画像認識AIで切り拓く小売業界の可能性」の当日の様子をご紹介します。
AIで広がる小売業のマーケティングとは?
国内の小売業ではさらなる売上利益の拡大戦略として、AIやIoTなどの最新テクノロジーを採用する企業が増えています。今後、自社でもテクノロジーを活用した店舗運営に変革していきたいとお考えの小売業の方に向け、「画像認識AI」を選択肢に入れていただきたくセミナーを実施いたしました。
今回は、画像を活用したAI技術を独自に開発・保有されているニューラルポケット株式会社の取締役CTO 佐々木雄一氏にご登壇いただき、小売業における画像を使ったAIのさまざまな活用例をお話いただきました。
講師

ニューラルポケット株式会社
取締役CTO
佐々木 雄一
略歴:東京大学理学部物理学科卒業、理学博士。
スイスの欧州原子核研究機構 (CERN) において、ブラックホールや超対称性粒子の研究に従事。
ビッグデータの分析やAI開発をおこない、後にノーベル賞を受賞するヒッグス粒子の発見にも貢献。
世界最高水準のAI研究の知見を社会へ還元したいとの想いから、ニューラルポケットに参画。
画像認識AIの開発や、得られたデータを処理するインフラ整備、人々の行動変容につなげるデバイス開発など、AIが価値ある情報を届けるために必要な技術要素の研究を幅広く手掛けている。
ニューラルポケット社は、AI技術とインフラ整備を通じて「データが循環する社会を構築する」ことを目指しており、データ分析によるマーケティング改善には2ステップあると佐々木氏は語りました。まずは、どのようなデータをいかにテクノロジーを駆使して「データ取得」をするか、そしてそのデータを「分析・活用」し、ビジネスやマーケティングにおいて活かしていくかが重要になります。
この2ステップに基づき5つ事例が紹介されましたが、その中でもファッションへの感度が高いユーザーによって投稿されている年間100万枚ほどの大量の写真をAIで分析し、そのビッグデータに基づき科学的な商品開発につなげる例が非常に興味深いものでした。
また他にも、指定エリアに滞在した人数や時間を計測できる技術を活用して、店舗ではなかなか取れなかった「購入前の顧客データ」が取得できたり、駐車場の満空を検知し顧客にスムーズな買い物を提供する、さらには車のナンバーから再来店頻度などの顧客情報が取得できる技術、広告を流すだけでなく顧客情報や通行者数や視聴状況が取得できるサイネージなど小売業の様々なシーンで活用できる例を詳細に解説していただきました。


画像解析AI技術を実店舗で実現するために必要なステップとは?
上記でご紹介した技術を自社の店舗でも実現したいとなっても、何から取り組めばよいのかわからないという方が多いと思います。そこで、マクニカより野本氏が画像解析AIの構成や実現のために必要な準備や知識について、解説しました。
AIを用いて画像解析する仕組みとしては3ステップで、画像から情報を取得(インプット)、AIが画像を解析、結果をアウトプットするという流れになります。その過程で、AIに学習をさせる「学習」フェーズやAIに判断をさせる「推論」のフェーズを通り、AIが実現されます。


それぞれのフェーズでさまざまなハードウェアやソフトウェアが必要で、高速な画像の処理を得意とするGPUもそのうちの一つです。
画像を用いたAIでは、よりカメラに近いところ(エッジ)にGPUを置く「エッジコンピューティング」が導入されます。そのメリットとして、ネットワークにかかる負担の軽減やトータル処理時間の削減、セキュリティの強化などがあげられます。マクニカでは、このようなAIを実現するコーディネートが可能なため、興味を持っていただけたら是非相談してほしいと締めくくった。
AI初心者でも理解できるセッション
当日は以下のアジェンダで構成し、画像認識AIによって実現できることをご紹介しました。セミナー後のアンケートでは、「具体的な事例が参考になった」や「非常に理解しやすかった」などとコメントを頂きました。小売業の方に向けたセミナーは第2弾を予定しておりますので、是非次回もご参加いただけますと幸いです。
時間 |
内容 |
2022/5/25(水) 13:00-14:00 |
・画像認識AIによって広がるマーケティングのアプローチ |
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