光伝送ネットワークを構成する各種コンポーネントのうち、最も変化の激しい領域の1つが光トランシーバーモジュールです。これまでいくつものフォームファクターが生まれては淘汰されてきました。昨今、データセンターの現場では広帯域化のニーズが高まりを見せていますが、400Gや800Gに加えて1.6Tとさらなる広がりが想定されます。
このように伝送規格が増えるごとに、新しいSFF(*1)やCMIS(*2)標準規格が採用されます。そして、この多種多様なSFF/CMIS仕様が利用できるようになることでレジスターの種類が増え、つまり、開発者にとってはCMISテストにおける確認項目が増えることとなります。検証がより煩雑化し時間もかかるこのようなシーンに、MCB、Loopback、Analyzerの3つの役割を1台で果たすことができるMultiLane社のSFF/CMISデバックツール『Nexus Analyzer』が活躍します。本記事では、Nexus Analyzerがどのように便利なのか、また、その操作方法についても詳しく解説いたします。
(*1) SFF:Small Form Factor
(*2) CMIS:Common Management Interface Specification
そもそもNexus Analyzerとは?
SFF/CMISのデバッグツールです。ホスト-モジュール間に接続することで、ホストおよびモジュールの評価やI2C信号の読み取りをおこなうことが可能です。
現在対応しているフォームファクタ―は下記の通りです。
・OSFP
・QSFP-DD
Nexus Analyzerの特長
1. 1台で3役こなす優れもの
MCB、Loopback、Analyzerの役割を1台で果たすことができます。
2. ユーザーフレンドリーなGUIを提供
感覚で操作しやすいGUIが提供されています。
3. 外部から低速信号の制御が可能
GUIを起動させる手間がなく、スムーズに低速信号の制御ができます。
Nexus Analyzerの外観
➀ディップスイッチ
内部制御もしくは外部制御かを選択
➁ピンヘッダー
外部制御用のインターフェース
③USBポート
GUIを使用するためのPC接続用ポート
④LED
低速信号の状態やアラームを表示
ご使用時の接続イメージ図
A. GUI
B. ホスト機器
C. Nexus Analyzer
D. モジュール機器
GUI上の操作
よくあるご質問
Q. Nexus Analyzerを介してもホスト-モジール間で主信号は通りますか。
A. Bypass modeに設定いただくと通信可能です。
Q. 30Wモジュールまでサポートとありますが、動作温度範囲をは何度ですか。また、放熱環境がなくても使用可能ですか。
A. 温度範囲は0~85℃になるため、放熱環境下での使用を推奨いたします。
Q. その他フォームファクターのリリース時期について教えてください。
A. QSFP-DDは2023年10月下旬以降、QSFP, SFPは2024年以降のリリースを予定しております。
Q. MultiLane ホームページにあるGUIはフリーで使用可能ですか。
A. GUIを実際にご利用いただくには、ライセンス料をお支払いいただく必要がございます。
Q. サポートしているPageの範囲について 、CCMIS:30h以降を含むレジスター項目確認は可能ですか。また、今後拡張する予定はありますか。
A. C-CMISの対応予定です。
Q. MSA TableやMSA ValidationにおいてBankを選択することは可能でしょうか。
A. Bankのご選択はできません。
Q. Vender pinの実装される予定はありますか。
A. 本製品はCMIS実装のデバッグ用ツールのため、現在はVender pinの実装は予定しておりません。ピンへのアクセス及びアナライザーのみをご希望の場合には、ML4066をご検討ください。