そもそも、SiCとは

SiC(シリコンカーバイド)は、19世紀の末にアメリカのアチソン氏によって発見されたシリコンと炭素の化合物です。ダイヤモンドを作ろうと実験していて偶然に発見されたと言われています。当時はまだ半導体などありませんでしたから、硬く安定したSiCは、研磨剤や焼結材等の材料に用いられました。現在でもそのような用途で幅広く活躍しています。パワーデバイスとしては2000年代に入り実用化が進みました。

SiCは化合物で、原料は二酸化ケイ素(シリカ)と炭素材料を用います。化学式で書くと以下のようになります。

  SiO2 + 3C = SiC + 2CO

生成されたSiCは粉末にされ、高温の炉内(約2000℃)でガス化されます。固体から直接気体への遷移を利用するので昇華法と言われています。炉内にはSiCの種結晶が置かれており、ガス化したSiCは種結晶へ再結晶化し単結晶として成長していきます。単結晶が成長するとインゴットという単結晶の塊になります、このインゴットを円板状に薄くスライスしていくと、SiCのウエハーができ上がります。しかしまだMOSFETなどのデバイスは作られていない状態です。このSiCウエハーに半導体製造プロセスで素子を作り込んでいくと、SiCウエハーにSBDやMOSFETといったデバイスができます。

SiCパワーデバイスになるまで

SiCパワーデバイスメーカーは、まずSiC上に作り込むダイオードやMOSFETを設計します。試作デバイスなどで評価検証し性能と品質が確認されると、生産可能品となり生産に移ります。

生産ではSiCウエハー製作会社からウエハーを調達して、設計済みのSiCパワーデバイスをその通りにウエハー上へ作り込む工程を実施します。1枚のウエハーには何個ものデバイスが作られるので、それらは1個ずつ切り離され個々に樹脂封止され検査されて、パッケージ品の完成になります。Siと比べると個々の工程では温度や時間など違いはあるものの、大まかな流れはSiCも変わりません。

Microchipの場合、SiCウエハー自体は作りませんが、MOSFET、SBDといったSiCパワーデバイスを設計し生産しています。
Microchipでは、SiCパワーデバイス製品の拡充を着々と進めており、今後も高性能SiCパワーデバイスへのご期待にお応えします。

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