Microchip - おしえてINIC その① 「INICでIP通信???」

INICでIP通信???

質問!

MOSTをベースとしたINICでIP通信は可能でしょうか?

答え

はい。可能です!


昨今、Ethernetの技術も自動車に実装されつつありますが、そのずいぶん前からMOST規格に準じてEthernet Chanel機能がINICではサポートされています。この機能を容易に実現するためにINIC自体の仕組みもポイントとなりますが、ソフトウェアの観点も重要なポイントとなります。

LinuxではすでにINICのドライバーがサポート済みであることはご紹介した通りですが、このドライバーを用いるとINICがあたかもOSレベルではNIC(ネットワークインターフェースコントローラー)のように見える仕組みとなっています。このドライバーを活用すればアプリケーション界面でのソフトウェア実装が容易になる仕掛けです。

そのため、INICとMOST Linuxドライバーを用いればオーディオ/ビデオなどのストリーミングデータに加え、IPデータ通信も重畳した上でECU間データ転送を実現できます。

上記のようにINICを用いるとハードウェアだけではなく、ソフトウェア観点でも実装しやすいような仕組みとなっています。

INICでIPデータを転送するユースケース

考えられるユースケースとしてはリアシートエンターテインメントシステムにおけるTCP/UDP等IPデータ転送をINICで取り込むことで、別途Ethernet専用ICや物理層(ケーブル/コネクタ)を削減できるというメリットがあります。Ethernet Chanlel機能をサポートしたINICは50M、150M対応品がリリースされています。そもそも合計帯域として50Mや150Mでは足りないのでは?との声もありそうですが、ビデオオンデマンドのアプリケーションにおいては10M程度の帯域が安定して確保出来るのであれば必要十分なデータ帯域であると考えられます。

別の視点では、自動車におけるECUのOTA(リプロ)機能があげられます。テレマティックECUを活用した同機能はすでに量産車で実装されつつありますが、今後同機能のデータをインフォテインメントのECU間転送する際にIPデータ形式で転送することも考えられます。

INICはオーディオ・ビデオ・制御、そしてIPデータなど様々なデータ形式を畳み込んで転送することが可能となっておりますのでますます活躍できる場が増えると考えられます。

次回に続く

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