Microchip - 初めてのINIC その② 「最適なINIC選択方法」

MOST及びISO21806に対応したINICのラインナップ

現在リリースされているINICシリーズでは25Mbps、50Mbps, 150Mbpsに対応した製品がリリースされています。車載システムにおいてはそのシステムで転送するデータの種類、データー量等あらかじめ見積もることが可能となりますので最適な製品を選択することができます。

各INICでサポートしている規格、スピード、物理層メディアについては下記テーブルをご参照ください。

規格

MOST25

ISO21806

MOST50

ISO21806

MOST150

ISO21806

スピード

25Mbps

50Mbps

150Mbps

INIC製品

OS81050

OS81060

OS81092

OS81210

OS81212

OS81214

OS81216

OS81110

OS81118

OS81119

物理層メディア

POF※1

UTP※2/STP※3

POF※1/COAX※4

 ※1 POF:Plastic Optical Fiber
※2 UTP: Unshielded Twisted Pair
※3 STP:Shielded Twisted Pair
※4 COAX:Coaxial

転送データ種類に応じた最適なINICの選択

INICにはネットワーク側物理層に応じたインターフェースはもちろん、アプリケーション側へデータ転送する為の最適なインターフェースが搭載されています。

OS8121xシリーズでは転送するデータ種類に応じて最適な製品を選択することが可能です。 オーディオデータ、コントロールデータはすべての製品で転送可能ですが、ビデオデータ、パケットデータは転送するデータ量が大きくなります。

そのためOS81210ではUSBインターフェース、OS81212ではMediaLB(3Pin)インターフェースをサポートしています。組み合わせて使用するアプリケーションプロセッサ(SoC)、DSP、マイコンがサポートしているインターフェースとの接続性を検討の上、最適な製品を選択することが可能となっています。

OS81210

OS81212

OS81214

OS81216

オーディオ

コントロール

パケット

ビデオ

イーサーネット

INICを用いたシステム構成例

これまで規格概要、INIC概要を見てきましたが、今回はシステム構成についてもみてみましょう。下記にシステム構成例を記載します。

こちらの構成ではMOST50(50Mbps)を用いており、基本的にINIC経由で転送するデータはECU間制御の為のコントロールデータ、ECU間オーディオ機能を実現するオーディオデータ、ECUのOTA・リプロで用いるパケットデータとなります。

各地域による仕様、ユーザーによる選択やメーカーオプションとなるであろうデッキ、ディジタルラジオチューナー、外部オーディオアンプは独立した形で配置されています。

MOST®50/ISO21806/INIC 50Mbps システム構成例
MOST®50/ISO21806/INIC 50Mbps システム構成例

下記図のMOST150(150Mbps)を用いたシステムではその帯域を活用することで、H.264で圧縮されたビデオデータをINIC経由で転送することも可能です。

下記システム構成例ではオーディオを扱う外部オーディオアンプに加え、ビデオデータを扱うようなECUが接続されています。例えば後席のリアシートエンターテインメントシステム、Blu-ray・DVDデッキ、TV・ディジタルラジオチューナーなどが対象となります。オーディオデータに加えて圧縮されたビデオデータもINIC経由で転送することにより、ハーネス含むシステムコストを廉価にすることが可能となります。

各地域・オプションを想定すると各ECUは同じ車両においてもいくつもの仕様が存在し得ると想定されます。そのようなECUが独立して存在したとしてもINICの技術で容易にECU間のデータ転送を実現しており、システムの共通化にも寄与する技術となっています。

MOST®150/ISO21806/INIC 150Mbps システム構成例
MOST®150/ISO21806/INIC 150Mbps システム構成例

次回に続く

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