ECDH、ECDHSA 内蔵で高セキュリティを実現する暗号エレメントデバイス

"ATECC508/608" はMicrochip社が提供する暗号エレメントデバイスです。

ECDH(楕円曲線 Diffie-Hellman)動作をサポートしており、共有鍵機能といった高度な認証を提供する暗号化認証が行えます。

そのため、高度なセキュリティが要求されるクラウドとIoT機器との通信で特に最適なデバイスです。

ATECC508/608には、以下の大きな特長があります。

1. IoT製品をハードウエア・レベルで高セキュリティを実現

ATECC508/608 は、AES(Advanced Encryption Standard)等の暗号化/復号アルゴリズムを実行するマイクロプロセッサと組み合わせる事で機密保持通信がおこなえます。

ECDHとECDSAを内蔵しているため、認証などのセキュリティ全般を簡単に行えます。

また、ハードウェアベースで暗号キーストレージと暗号対策を利用できるため、ソフトウェアベースに比べて高セキュリティで安心です。

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ハードウエア・レベルで高セキュリティを実現

2. どんなマイクロプロセッサとも接続して利用可能

組み合わせるマイクロプロセッサには制限はありません。

暗号化/復号化アルゴリズムを実行するMCUまたはMPUに、機密性、データの完全性、認証などのあらゆるセキュリティ機能を提供します。

セキュリティに関する知識・経験が無い状況でも鍵生成等を意識することなく、簡単にIOT製品のセキュリティ化を実現できるデバイスです。

3.動作電圧は2.0~5.5V、電源設計の手間とコストを削減

ATECC508/608 の動作電圧は2.0~5.5Vと一般的なデバイスよりも広い電圧レンジです。そのため、既存の電源電圧をひきまわせるため、電源設計の手間とコストが省けます。

またスタンバイ電流は「150 nA」と低消費電力を実現しています。

4. Starter Kitを利用してすぐに開発開始

ATECC508/608 は、Starter Kit (AT88CKECC-AWS-XSTK-B) を利用することですぐに開発を開始できるようになっています。

ソフトウェア環境、サンプルコード、必要な資料がそろっているため、設計作業がスムーズに行えます。

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AT88CKECC-AWS-XSTK-B Starter Kit

Starter Kit を利用して製品化を実現する方法

ATECC508/608 は Starter Kit (AT88CKECC-AWS-XSTK-B) を使用して、以下のステップでお使いの既存製品などをAWS IoTクラウドに接続評価を行い、量産製品の開発を行うことができます。

AWS IoTクラウドとはAmazon Web Servicesを利用してIoT機器が双方向通信できるAmazon社のサービスです。

1. Starter Kit を活用して評価

AT88CKECC-AWS-XSTK-B には ECC508-AWSデバイスが搭載しているため、すぐにAWS IoTクラウドへ既存製品/システムを接続することが可能です。デモンストレーション、評価、開発用として利用することができます。

2. 暗号化エレメントデバイスを利用して量産試作の評価

量産産試作の段階では、ATECC508A 暗号化エレメントデバイスを利用して試作評価を行えます。ATECC508A 暗号化エレメントデバイスはAWS IoT認定済みであるため安全性規格への適合を支援します。この段階ではプレコンフィグレーションされた「ATECC508A-xxxAW-x」デバイスを利用してAWS IoTへの接続テストが行えます。

3. 量産用にデバイスを設定

量産段階に移行するためにはユーザーアプリケーションでの情報セキュリティ設定が必要です。方法はATECC508Aを量産基板に実装し、AWSソフトウェア開発キットから設定を行います。マイコンにAWS-ECC508デバイスをI2C経由で接続するだけで利用できるようになります。

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量産へのシームレスな移行

アプリケーション例

  • IoTノードセキュリティ
  • セキュアダウンロードとブート
  • エコシステム制御
  • メッセージセキュリティ
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アプリケーション例

製品概要

型  名 ATECC508/608
特  長
  • 全てのIoT製品への AWS IoT のシームレスな統合
  • 使いやすさ:設定済み ECC508 セキュア暗号化デバイスをPCBに実装するだけ
  • AWSとの共同開発によりAWS IoT セキュリティポリシーに準拠
  • 人間の介入が不要:最初の接続で AWS サーバに自動で登録
  • 大規模な量産物流管理と信用管理チェーンを容易にするためにプライベートキーを内部生成かつセキュアに保存
  • パッケージと通信インターフェイスが柔軟に選択可能
  • ルート認証局に、自己署名ルートまたはサードパーティ認証局を含める事が可能
ATECC608 に追加された機能
  • I/O 暗号化/認証を備えたセキュアブート機能
  • KDF コマンド(PRF、HKDF、AES をサポート)
  • AES コマンド(暗号化/復号を含む)
  • AES のGCM AEAD モード向けGFM 計算機能
  • 更新されたNIST SP800-90 A/B/C 乱数生成器
  • 柔軟なSHA/HMAC コマンド(コンテクストの退避/復元が可能)
  • 大幅に短縮されたSHA コマンド実行時間
  • デバイスの移動を防ぐための揮発性鍵承認
  • 配送中のプログラミング済みデバイスを保護するためのトランスポート鍵ロック
  • カウンタ制限一致機能
  • SRAM 内での使い捨て鍵の生成(ECDH およびKDF でもサポート)
  • Verify コマンド出力はMAC を使って検証可能
  • ECDH 向けの暗号化出力
  • 追加された自己テストコマンド(電源投入時の自動自己テストが任意に可能)
  • 内蔵X.509 鍵証明書検証用の非整列化公開鍵
  • 省電力オプション(実行時間は増加)
  • データ(機密)領域ロック後に設定可能なI2C アドレス
ATECC608 に削除された機能
  • HMAC コマンドは削除され、より強力なSHA コマンドに置き換えられました。
  • OTP 消費モードは削除され、読み出し専用になりました。
  • Pause コマンドは、UpdateExtra 内の関連するセレクタ機能と一緒に削除。
  • スロット15の特別利用制限カウンタ機能は削除され、標準的なモノトニック利用制限カウンタ機能に置き換えられました。
  • SHA コマンドは計算中にTempKeyを使わなくなりました。

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