ZMCPはAdaptec ASR-81605Zの特長的な機能
RAIDカードを活用するにあたり、DRAMキャッシュを使用することで最大4倍もパフォーマンスを改善しレイテンシを削減します。ストレージシステムを最大限活用するためにオンボードキャッシュ使用は必須と言えるでしょう。しかし、オンボードキャッシュを使用すると、データはアダプタ上のメモリに保存される為、システム電源に障害が起きるとそのデータは消滅してしまいます。キャッシュ保護を行う一般的な方法はRAIDカードにBBU(バッテリバックアップユニット)を使う方法です。電源復帰まで、BBUがメモリキャッシュ内のデータを保持します。BBUはキャッシュ保護に関して重要なものにも関わらず、資本コスト・運用コストの面から最適なソリューションではありません。例えば、継続的な監視やメインテナンス、交換が必要で古いバッテリは危険物廃棄用の対応が必要です。それらのキャッシュ保護とBBUが抱える課題に対して、Adaptec ASR-81605Zに付いている機能の一つであるZMCP(ゼロメインテナンスキャッシュプロテクション)を紹介します。
ZMCPとは

ZMCPはBBUに要求される管理コストを削減、面倒なメインテナンスを不要にしながらキャッシュデータの保護を最大化するソリューションです。このソリューションは下記のモジュールが提供します。このモジュールはスーパーキャパシタとNANDフラッシュで構成されており、データ保護の為協働します。
ZMCPの仕組み
ZMCPの仕組みを簡単にご説明します。
【システム正常起動中】
スーパーキャパシタは充電されます。
【電源障害発生時】
ZMCPが電源障害を感知し、オンボードキャッシュデータ⇒NANDフラッシュにコピーします。
※コピー時にスーパーキャパシタが電力供給
【電源障害が長期間発生】
NANDフラッシュは不揮発性なのでデータコピーが完了すると電源不要です。
※NANDフラッシュ内のデータは数年間保存される為、長期的な障害にも対応
【電源復旧】
NANDフラッシュ内のデータはオンボードキャッシュにコピーバックし、未実行のI/Oリクエストと共に通常通りオペレーションを再開します。

BBUに対するZMCPのメリット
BBUはキャッシュ内データ保護機能としては許容できますが、初期購入後に多くのハードウェアコストや人件費、BBUの管理や交換に関するリスク要素があります。ZMCPはBBUと比較して多くの点で優れたソリューションを提供できます。

上記の表で示したようにZMCPは多くのメリットを享受できます。以下に3つの側面からメリットを記します。
【管理面】
BBUが継続的な監視とバッテリ交換が必要かつ交換時はサーバを止めなければならない等メインテナンスが面倒であるのに対してZMCPはメインテナンスが不要です。
【データ保護】
BBUは不揮発メモリがないのでDRAM内に電力供給し続け、最長で72時間以内にリカバリーが必要であるのに対してZMCPは1分程度でNANDフラッシュへデータコピーし、リカバリーは数年以内で問題ありません。
【在庫面】
BBUは常に交換用を数個保持し、廃棄は危険物廃棄用の対応が必要であるのに対してZMCPはそれらの懸念が必要ありません。
上記のようにZMCPはコストのかかるBBUとその費用を除去することで最も完全かつ効率的なデータ保護ソリューションを提供します。ASR-81605Zをキャッシュパフォーマンスの向上とデータ保護の最大化に是非ご活用下さい。