マイコン / IPDのコスト削減が求められる背景
SDV(Software Defined Vehicle)のE/Eアーキテクチャーのトレンドが強まるなかで車載ECUの統合が進んでおります。その結果、Zone/Area ECUやPDBにおいて使用されるIPD(Intelligent Power Device)の数が増加し、IPDを制御するマイコンには下記のような課題が顕著になっています。
・IPDの点数増加により、トータルコストが増加傾向
・マイコンのGPIO不足により、より高価なマイコンの採用、またはパッケージアップを検討せざるを得ない
・IPDの数が増えるにつれてレイテンシーが増加
Lattice FPGAでIPDを制御することによって、上記課題を解決することが可能です。
以下にFPGA採用による具体的なメリットをご提案致します。
Lattice FPGAで解決できる3つのポイント
小規模容量帯のFPGAでも多数のIOを保有しているLattice FPGAだからこそ可能なソリューションをご紹介いたします。
1. IPDコストダウン IPD側の機能簡素化
高価なIPDに内蔵されている一部機能(I2T:電流値に対する時間的許容範囲)をFPGAに取り込むことで、より安価なIPDを採用頂けます。
2. マイコンコストダウン I/O拡張によるマイコンパッケージダウン
FPGAによるGPIO拡張により、マイコンのI/O数を削減でき、小型パッケージのマイコン採用が可能に。これにより、マイコン側のコストダウンにもつながります。
3. マイコン部品点数削減 FPGAの並列処理で低レイテンシーIPD制御可能
FPGAは複数のIPDを同時にハードウェアで制御できるため、ソフトウェア処理に比べて圧倒的に低レイテンシーです。IPDの状態変化に即応でき、リアルタイム性が求められるZone/Area ECU・PDBには最適です。また、FPGAによりIPDを常時監視・制御を行えるため、マイコンのSleep動作などの影響受けずに機能実現が可能です。
Zone ECU・PDBに最適なFPGA活用例
構成例のブロック図は以下の通りです。
対象アプリケーション: PDB ( Power Distribution Box )
【課題】
・ マイコンのI/O数が不足するために外部にMUXなどを実装しなければならない
【解決】
・ GPIO不足の問題を解決
・ 小型マイコンへの置き換えによるコスト削減
・ IPD機能の一部をFPGAにオフロードすることによりIPDのコスト削減
対象アプリケーション: Zone ECU
【課題】
・ マイコンのI/O数不足
・ 高速I/Fによる処理量の増加
・ マイコンコストの大幅増加
【解決】
・ GPIO不足の問題を解決
・ 小型マイコンへの置き換えによるコスト削減
・ IPD機能の一部をFPGAにオフロードすることによりIPDのコスト削減
・ I/Fブリッジ機能もワンチップで実現
ADAS、Information系のZone ECUでは特に、MIPI / PCIe / LVDSといった高速I/Fへの対応が増えています。
FPGA活用により、マイコン / IPDコスト削減とマイコンのI/O不足対策だけでなく、各種I/Fの変換やとりまとめがワンチップで可能となります。
詳細ブロック図と具体的なFPGA提案型番
具体的なFPGAのご紹介や詳細なブロック図、I2T機能取り込み方法については、以下の資料をダウンロードいただけますと幸いです。