VR/MR/AR/HMDハードウェア開発におけるFPGAでのお悩み解決例3選

2016年、VR元年を迎えてから、VR/MR/AR/HMDといった製品の活躍はゲームなどの消費者向けのみならず、工場等現場での教育利用・不動産物件の内覧・ドライビングシミュレーターなど B to B向けの用途も拡大しつつあります。こうした背景もあり、VR/MR/AR/HMDのハードウェア開発に求められる要求事項も多角化しております。

 

様々なニーズに応えるために機能を詰めていくと、市販のICや自社のSoCなどでは少し物足りなくなる場合があります。しかし、SoCや専用チップでは対応できないような要求でも、FPGAであれば解決できるかもしれません。

 

下記にVR/MR/AR/HMDの代表的な構成と、各基板で想定される課題に対するFPGAのソリューション例を記載します。CMOS Sensor Boardから画像データがSoCやISPに入力され、画像処理などをおこなってDisplay Boardに出力される構成です。機種によってはTOFセンサーやマイクなど様々な入力を扱う基板もあることを想定しています。

本記事では、このソリューション例の中からご要望の多かったものをいくつかピックアップしています。最後まで読んでいただければ、下記のお悩みを解決するヒントにしていただくことができます。

 

1. 使いたいSoC, センサー, ディスプレイのI/Fが合わない
2. 基板面積を小さくしたい
3. AIを組み込みたいが、消費電力が大きく発熱が気になる

 

ぜひ最後までご覧ください!

 

 

 

1. 使いたいSoC, センサー, ディスプレイのI/Fが合わない

使いたいセンサー・ディスプレイと採用しているSoCのI/Fが合わない際に、センサーやSoCを変更するよりもFPGAを追加することで、機能面・コスト面ともにメリットが出せる場合があります。

 

何故かというと、FPGAの機能としてはI/F変換は勿論ですが、専用チップでは実現が難しいデータフォーマット変換(RAW10, YUV422, RGB888)も含めて1チップで実現することができるので、センサーやSoCの選択肢が増えるからです。

 

また、もし扱うデータ量が多くなった場合も、LatticeのFPGAであればMIPIレート最大2.5Gbps/laneの信号にも対応できるものもあるので、4K解像度にも対応可能です。こうした高解像度の動画データの取り扱いができるのも専用チップではなかなか実現できないFPGAの魅力です。

 

例1:CMOSセンサー I/Fを後段SoC I/Fに合わせてブリッジ

                  ・MIPI, LVDS, Sub-LVDS, Parallel, SLVS200といった様々なI/Fに対応

                  ・Mode変換,フレームレート変更なども対応可能         

 

 

例2:MIPIの入力を取りまとめ、後段SoCにGigEやPCIeで出力

・FPGAのハードマクロ(MIPI Hard D-PHY, PCIe Hard IP, SGMII I/F)を利用

 

 

例3:MIPI I/F 1chをMIPI I/F 2chに分岐してDisplayに出力

 

2. 基板面積を小さくしたい

Lattice社のFPGAは、2.5mm角の小型FPGAや、コンフィグレーション用Flash ROMが内蔵かつ3.3V単一駆動可能なFPGAがあります。基板面積を削減し、筐体を小型化するために、こうしたFPGAを用いてセンサーの配線を取り纏めてみるのはいかがでしょうか?

LatticeのFPGAでは、小型FPGAで信号の多重化を行い、1本の線で送受信をおこなうようなリファレンスデザインを提供可能です。これにより省スペース化が可能ですし、もしケーブル、コネクタ、ハーネスにコストがかかっている場合はこれをFPGAに置き換えることができるので、コストを据え置きで小基板化が可能です。

UART, GPIO, I2Cの複数チャンネルを取り纏め、Single wireで通信

 

 

3. AIを組み込みたいが、消費電力が大きく発熱が気になる

他社製品にはない新たな付加価値を検討する際にAIを使おうとすると、バッテリー駆動が必須な製品や、ファンのような冷却対策が取れないような製品の場合は消費電力の問題で、AIの実装が困難なケースが多いかと思います。

こうした場合にLatticeのFPGAにAIの推論エンジンIPを組み込むと、非常にメリットが出せます。何故かというと、LatticeのAIを使うと、僅か1mWから1W以下の消費電力での実装が可能だからです。さらに、最小2.15×2.55mmの超小型パッケージでもAI処理が可能なので、筐体が小さい場合でも問題なく実装できます。

 

このような小型・低消費AI処理でも、ジェスチャー検知、音声認識、人感検知等をおこなうことが可能です。例えば、下記のような使い方ができますので、もしご興味あればぜひご相談ください。AI実装方法から強力にサポートさせていただきます。

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これらのソリューションが実現できる具体的な製品名や、パッケージラインナップについても知りたい方は、下記の資料により詳しい情報を記載してあります。冒頭に記載のとおり、本記事で紹介したのは一例ですので、他にも様々なソリューションがございます。合わせてぜひご覧ください!

 

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