Nios II IDE (アイディーイー)の主な機能

Nios II IDE は Nios II エンベデッド・デザイン・スイート(EDS)の一部です。 (リンクからダウンロード出来ます。)

  • プロジェクト・マネージャ
  • エディタおよびコンパイラ
  • デバッガ
  • C-to-Hardware(C2H)アクセラレーション・コンパイラ
  • フラッシュ・プログラマ
  • Nios II ソフトウェア・ビルド・ツール
 プロジェクト・マネージャ

Nios II IDE は、組込みアプリケーションの開発を加速する、いくつかのプロジェクト管理機能を提供します。Nios II IDE は C/C++ アプリケーション・プロジェクトおよびシステム・ライブラリ・プロジェクトのセットアップを自動化する、新しいプロジェクト・ウィザード(図 1 を参照)を提供します。新しいプロジェクト・ウィザードにより、Nios II IDE 内で非常に簡単に新しいプロジェクトのセットアップができます。 Nios II IDE は、プロジェクト・セットアップ・ウィザードに加えて、ソフトウェア・コード例もプロジェクト・テンプレートの形で提供しており、ソフトウェア・エンジニアが可能な限り迅速に実働システムを立ち上げることができるよう支援します。

 

 

図1 Nios II IDE の新しいプロジェクト・ウィザード

 エディタおよびコンパイラ

インテル®の Nios II IDE は多彩な機能を持つソース・エディタおよび C/C++ コンパイラを提供します。Nios II IDE テキスト・エディタは、完成度の高い多機能なソース・エディタです。機能は以下のとおりです。

 
 構文のハイライト表示  ̄ C/C++
 コード支援/コード自動補完
 包括的な検索機能 
 ファイル管理
 広範なオンライン・ヘルプ・トピックおよびチュートリアル
 インポート支援
 クイック・フィックス、自動修正
 統合デバッグ機能

 

Nios II IDE は、業界標準 のGNU ツールをベースとする、GCC コンパイラのためのグラフィカル・ユーザ・インタフェースを提供します。Nios II IDE の環境は、インテルの Nios II プロセッサ用のソフトウェア開発が簡単に行えるように設計されており、使いやすいプッシュボタン・フローを提供すると同時に、拡張ビルド機能も可能にします。
 

図 2. Nios II IDE が提供する基本的な編集機能

 デバッガ

Nios II IDE は GNU デバッガ(GDB)をベースにした強力なソフトウェア・デバッガを備えています。このデバッガは、数多くの基本的なデバッグ機能と、一般に低コスト・プロセッサ開発キットにはない 、さまざまな先進的デバッグ機能を備えています。Nios II IDE デバッガには以下のような基本的なデバッグ機能があります。

   
 実行の制御
 コール・スタック表示
 ソフトウェア・ブレークポイント
 ディスアセンブリ・コード表示
 デバッグ情報表示
 インストラクション・セット・シミュレータ(ISS)ターゲット
 ROM または フラッシュでコードをデバッグするためのハードウェア・ブレークポイント
 データ・トリガ
 インストラクション・トレース

 

 
デバッグ情報表示を使って、ローカル変数、レジスタ、メモリ、ブレークポイント、および表記診断の各機能にアクセスできます。また、Nios II IDE デバッガは数種類のターゲットに接続できます。
 

ハードウェア(JTAG を介する) インテルの FPGA 開発ボード(Nios II 開発キットまたはその他のインテルまたはパートナのキットで使用可能なものなど)に接続されます。
インストラクション・セット・シミュレータ Nios II インストラクション・セット・アーキテクチャのソフトウェアを実装。ハードウェア・プラットフォーム(FPGA 回路ボードなど)が使用可能になる前のシステム開発に使用されます。
ハードウェア・ロジック・シミュレータ ModelSim® HDL シミュレータへの接続。ユーザの作成したペリフェラルを検証する必要があるシステムに便利です。


図 3. Nios II IDE デバッガのブレークポイント

 C-to-Hardware アクセラレーション

Nios II IDE には、インテルのポピュラーな Nios II エンベデッド・プロセッサを使用した組込みシステム設計者向けの生産性向上を支援するツール、Nios II C-to-Hardware(C2H) アクセラレーション・コンパイラ用のプラグ・インが新たに追加されました。 Nios II C2H コンパイラの特長は以下のとおりです。

 
 右クリックで Nios II エンベデッド・ソフトウェアを高速化 ̄CPUクロック周波数を高くする必要なし
 標準 ANSI C プログラミング言語を使用して設計
 使い慣れた Eclipseベースの Nios II IDE を使用して開発

 

Nios II C2H コンパイラは簡単に使用できます。マウスを右クリックするだけで、性能重視のソフトウェア
・ルーチンを、素早く FPGA 内の高速ハードウェア・アクセラレータに置き換えることができます。 このツールは、迅速かつ効率的なデザイン・スペース・エクスプロレーションによる、アプリケーション・アルゴリズムの最適化を可能にし、ソフトウェアのみの実装を上回る性能向上を実現します。 Nios II C2H コンパイラにより、デザイン性能要件を満たし、製品をより早く出荷できます。
 

図 4. Nios II C2H コンパイラ

 フラッシュ・プログラマ

Nios II プロセッサを使用する多くのデザインでは、FPGA コンフィギュレーションや Nios II プログラム・データを保存する手段としてフラッシュ・メモリもボード上に搭載されています。Nios II IDE にはこのフラッシュメモリをプログラムする便利な方法があります。FPGA に接続された任意の CFI(common flash interface)準拠 フラッシュ・デバイスは、Nios II IDE フラッシュ・プログラマを使用してプログラムすることができます。CFI フラッシュ・デバイスに加えて、Nios II IDE フラッシュ・プログラマは、FPGA に接続された任意のインテルのシリアル・コンフィギュレーション・デバイスをプログラムすることができます。
 

一般的にフラッシュ・メモリ内にプログラムされるコンテンツのタイプ 
システム・ファームウェア フラッシュ・メモリにソフトウェアをプログラムすることにより、リセット時にフラッシュ・メモリ から Nios II プロセッサをブートできます。
FPGA コンフィギュレーション コンフィギュレーション・コントローラ(Nios 開発ボードで使用されるものなど)を使用する場合、パワー・オン・リセット時に フラッシュ・メモリ から FPGA をコンフィギュレーションすることができます。
任意のバイナリ・データ グラフィックス、オーディオなど、設計者が フラッシュ・メモリに格納したい任意のタイプのバイナリ・データです。

  

Nios II IDE フラッシュ・プログラマは、Nios II 開発キットで使用可能なすべてのボードに対して機能するよう、事前にコンフィギュレーションされていますが、任意のカスタム・ハードウェアにも簡単に移植できます。
 

図 5. フラッシュ・プログラマのインタフェース

 Nios II ソフトウェア・ビルド・ツール

Nios II ソフトウェア・ビルド・ツールにより、コマンドラインまたはスクリプトから Nios II プログラム全体を作成、変更、および構築することができます。 サポートされているプロジェクト・タイプには、C/C++ アプリケーション・プロジェクト、ライブラリ・プロジェクト、ボード・サポート・パッケージ(BSP)プロジェクトが含まれます。 詳しくは、Nios II ソフトウェア開発ハンドブックの「Nios II ソフトウェア・ビルド・ツール」(PDF)の章を参照してください。

 
図 6. Nios II ソフトウェア・ビルド・ツール

お問い合わせ