こんにちは。

マクニカでインテル® FPGA 製品の技術サポートをしている インテル・F・ハナコ です。

 

今回は、ちょっと古いお話です。

Quartus® II ver8.x 以前までサポートされていたメモリ IP のうち 以下3つは、Quartus II ver.9.0 あたりから以下のように名称が変更されています。

Quartus II ver.8.x 以前の IP 名

Quartus II ver.9.0 以降の IP 名

LPM_RAM_DQ

RAM: 1-PORT

LPM_RAM_DP

RAM: 2-PORT

LPM_ROM

ROM: 1-PORT

過去 ver.8.x 以前に作成したプロジェクト・デザインを、現在のバージョンでプロジェクトを開き、 LPM_RAM_DQ などのメモリ IP を Quartus II 10.0 以降および Quartus Prime で編集しようとしても、このバージョンではサポートされていないため、GUI (ウィザード)で起動せずにテキストで開いてしまいます。

(※ ver.9.0/9.1 では IP 名が移行期のため、旧称のままでも Edit モードでウィザードが起動します。)

 

 

作成済みのこれらメモリ IP のパラメータを継承しながら Quartus II 10.0 以降および Quartus Prime でウィザードで開くためには、新しい名称に変換する必要があります。

今回は、その変換方法をご紹介します。

なお この方法は、Quartus II から Quartus Prime Pro Edition へのアップデートには適用できませんので、ご注意ください。

メモリ名称の変換方法

1. コマンド プロンプトやターミナルなどを起動します。

 

2. cd コマンドにより、使用する Quartus Prime のインストール・フォルダ (\\quartus\bin64) へ移動します。

 

3. 以下のコマンドを実行します。

 

  qmegawiz wizard="メモリ IP の新名称" <旧メモリで生成した HDL ファイルのパス>

  例えば、LPM_RAM_DP をアップデートする場合、コマンドは以下のとおりです。

  qmegawiz wizard=RAM: 2-PORT e:\fpga_design\ram_dp_32x8.vhd

 

4. 指定した IP のウィザードが起動します。

 

5. 希望のパラメータに変更してください。

 

6. Finish ボタンをクリックすると、新たなメモリ IP 名で生成し直されます。ファイル (モジュール/エンティティ) 名はそのままです。

 

 

以上で、アップデート作業は完了です。

アップデート後は、通常の編集方法でウィザードが起動します。(参考:下記 FAQ)

 

◆ [FAQ] IP Catalog で生成した IP の設定内容を確認および変更するために IP の設定画面を起動したいのですが、方法がわかりません。