相変わらず電気回路で苦しんでいる頭領です。

 

レギュレータ LM 317 を 2個使って、 3.3 V と 2.5 V を出力させるのが今日の課題。LM 317 を使用した構造は下図の通り。

 

出力電圧は以下の式で表される。

 

Vout = 1.25 (1 + R2 / R1) + Iadj ・ R2

 

※Iadj ・ R2の値は極めて小さいので、今回は無視する

 

各レギュレータに実装した抵抗とそれから見込める出力電圧の理論値は以下の通り。

 

・R1 = 240 Ω, R2 = 390 Ω の場合… 3.28 V

・R1 = 240 Ω, R2 = 240 Ω の場合… 2.5 V

 

ところが、 3.3 V はほぼ理論値通り出力されるが、 2.5 V のほうの電圧が著しく低く、1 V も出力されていなかった。

 

先輩に基板を見てもらうと…

 

先輩「あれ、レギュレータを直列につないでるんだ」

私「あ、はい」

先輩「そうなんだ…」

 

というリアクション。

気になったので、LM 317 のマニュアルを読むと、「入力電圧と出力電圧の差: 3 V 以上」と動作条件が書いてあった。

 

私の回路図では、 AC アダプタ由来の電圧 12 V を、2つのレギュレータを直列に接続することで供給していた。

しかしこれでは、1つ目のレギュレータの出力電圧 3.3 V を、 2つ目のレギュレータの入力電圧としてしまうため、

『電圧差 = 出力電圧 - 入力電圧』より、 3.3 V - 2.5 V = 0.8 V となり、動作条件を満たしていない。

 

つまり、各レギュレータを並列に繋げないといけなかったのだ。

 

並列に接続し直し、電圧を測定すると、それぞれの出力電圧が FPGA の「動作条件の範囲に収まっている」ことを確認。

ここで言う、「動作条件の範囲」とは…?

 

前回のブログで、インテル社の FPGA / CPLD には Absolute Maximum Ratings (絶対最大定格) について取り上げたが、

さらに、推奨動作条件として、 Recommended Operating Conditions が定められている。

 

例えば Cyclone® IV E の場合、 2.5 V で動作する VCCA の Absolute Maximum Ratings は 3.75 V であるが、

Recommended Operating Conditions の最大値は 2.625 V となっている。

VCCA への供給電圧が 2.5 V を超えた場合、 3.75 V 以下であればデバイス破損の恐れはないが、正常な動作は保障されない。

この最大値と最小値のレンジの広さは、各電圧の種類によって異なるので、 一つひとつ確認する必要がある。

 

先程の電圧測定では、出力電圧が「 2.55 V 」だったので、 VCCA の推奨動作条件の範囲内に収まっている。

よかった~!

「デバイスを焼いたら自腹」と先輩から言われていた頭領は、今日の課題をクリアしたことで、また少し安心したのだった。