こんにちは。研修も終わり新しい部署にも少しずつ慣れてきた梅おにぎりです。ある日お客様からこんな質問が来ました。
「 Cyclone® V って Power up sequence はありますか?」
梅おにぎりは知っていた。製作実習で Cyclone IV を使った際には Power up sequence なんてなかったことを。だから Cyclone V も Power up sequence はないだろう、と余裕な気持ちでいました。でも念のため Handbook でチェックしてみると、なんと Cyclone V には Power up sequence は存在していることが判明。危うくお客様に間違った回答をするところでした。
V シリーズの FPGA では Power up sequence が Handbook に明記されています。今回は Cyclone V の Power up sequence について勉強していきます。
Cyclone V の Power up sequence は次のような図で表されます。
また、各電源の種類についてはこちらを参照してください。
1.1 V の電源が推奨電圧の 80% 以上立ち上がってからその他の電源を立ち上げる必要があります。VCC、VCCE_GXB、VCCL_GXB は同時に立ち上げる必要があります。また、 VCC_BAT に関してはどのタイミングで立ち上げても大丈夫です。
さらにこんな記載も見つけました。
VCCIO と VCCPD を同時に立ち上げる。これもきちんと守らなければなりません。
Power up sequence に関する制約は以上ですが他にも電源の立ち上げに関して注意点があります。
まずは単調増加で立ち上げること。電源が立ち上がりの途中で下がってしまうとコンフィギュレーションがされないなどの不具合が発生する可能性があります。
さらに電源の立ち上がりまでの時間に制約があります。その時間を規定しているのが tRAMP です。tRAMP は Datasheet に記載されています。この規定時間以内に立ち上げなければコンフィギュレーションが正常に行われません。
また、tRAMP は Standard POR と Fast POR で最大値が異なります。Standard と Fast のどちらにするかはコンフィギュレーション・モードを選ぶ MSEL ピンの処理によって選ぶことができます。その処理についてはこちらを参照してください。
今回学んだこと
デバイスにとって電源はちゃんと動くかどうかを決める大事な部分です。だからこそこれらの電源立ち上げの条件全てをきっちりと守ることが大切だと思いました。