どうもこんにちは。
前回までの話で、ようやく落ち着いた未使用ピン騒動。新人が引き起こしたトラブルを、Quartus® II が全てフォローしてくれた。
今回はそんな Quartus® II 上でのピンの設定に関してのエピソード。
作成したデザインのピン配置を 「 Pin Planner 」 で行っていた時の話。

I/O Standard を全て 「 3.3 V LVTTL 」 にしたいのに、デフォルトでは 「 2.5 V 」 になっていた。
設定するピンが 30 個近くあったので、Pin Planner で 1つひとつ選択するのは結構面倒。
たしか、どこかでいっぺんに設定できたような気がするんだけど…

研修が終わり部署に配属され、3 人の新人はそれぞれ違うチームとなったけれど、「困った時は仲間に相談!」 ということで、同期の太郎に聞いてみることにした。

頭領: 「 Quartus® II 上で全ピンの I/O Standard 設定ってどこでやるんだっけ?」

太郎: 「うーん、どこにあったっけなぁ。今、クロックの事で頭いっぱいなんだ」

頭領: 「そっか、クロック製品の担当になったんだよね」

太郎: 「ところでさあ、こないだ先輩にまた日本語おかしいって指摘されて…」

ここで、もう一人の同期、ハチ登場。

ハチ: 「俺に任せろ。 “ Device and Pin Options ” で出来るよ」

頭領: 「お、ハチ。それどこにあるの?」

ハチ: 「 “ Assignments ” から “ Device ” を開いてみ」

頭領: 「!? 探してたボタン!!」

頭領: 「こんなとこにあったのか!!」

ハチ: 「そう。で、 “ Voltage ” のタブを開くと “ Default I/O Standard ” っていう欄があるから、そこを変えれば OK !」

頭領: 「おーこれで覚えたわ!助かったよ~」

天の声: 「でもこれはあくまで 「設定」 なので、コンパイル後には必ず Fitter Report → Pin-Out File でピン配置、 I/O Standard 等を確認する必要があるのじゃ」

頭領: 「ん??上から誰かが何か言ってる。気のせいかな…?」

ハチ: 「ちなみに、他にもいろいろ設定できるよ」

1. コンフィグレーション・モードの設定

ハチ: 「ここでは、複数あるコンフィグレーション・モードの中から最適なものを選べる。選択範囲が広いということは、 FPGA の "柔軟さ" を物語る要素の一つだね。だからこそ、どんな製品にも搭載できる」

2. コンフィグレーション機能を持つ I/O ピンの設定 → “ Dual-Purpose Pins ”

頭領: 「 “ コンフィグレーション兼用ピン ” と呼ばれるピンはコンフィグレーション完了後の扱いを変更できる。その設定をするのがここか… コンフィグレーション時はコンフィグレーション用ピンとして使って、ユーザーモード時にはデーターピンとしても使えるとは… 言うなれば “ 二束のわらじ ” だなぁ」

ハチ: 「そうだね」

頭領: 「ありがとう!すごい! FPGA って色々できるね!!」

ハチ: 「俺、しょっちゅうエラー起こして設定とかチェックするから、詳しくなっちゃった…」

太郎: 「赤面&納得だね!」

頭領: 「お、おう…」

3人はそれぞれ、失敗する場所が違う。そして失敗から学び、それぞれの得意範囲を確立していく。
このように、 “ 個性豊かな ” 3 人の新人は、いつも互いにフォローし合い、教え合っている。なんて涙ぐましい同期愛!

…ところで、 「コンパイル後には Fitter Report で確認」 ってどこかから聞こえてきたけど、あれは何だったんだろう…?

(続く)