はじめに
今では当たり前となっているUSBですが、歴史は古く、初めて登場したのは1996年になります。登場から27年が経った今でもUSB規格の進化は早く、それと同じようにコネクターの進化も進んでいます。USBコネクター進化の過程で新たに購入した製品ではコネクター形状が異なることがあるということが起きるようになりました。
既存アダプターの使いまわしができなくなり、不要な電源アダプター・ケーブルが捨てられ、電子廃棄物が世界的にも問題となっていることです。
今回はコネクターの進化に伴って、世界各国がどのような対応を迫られ、どのような対応をしているのか紹介していきます。
今後一部の地域では、USB Type-Cが搭載されていないモバイル電子機器の販売に規制がかかることになりますので各国の動向を把握することや、USB Type-Cを搭載していくことが重要になっていきます。
各国のUSB動向とUSB基礎講座
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各国の動向
EU
EUでは電子廃棄物問題削減を狙い、コネクター、アダプター・ケーブルをUSB Type-Cに統一(ユニバーサル化)する動きが活発になりました。
SDGsの観点でも注目され始め、実際にEUではこの問題解決のために2024年から法令化がおこなわれます。スマートフォン、タブレットをはじめとしたモバイル電子機器全般にUSB Type-Cを標準で搭載するように義務付けられています。今後EUではUSB Type-Cが搭載されていないモバイル電子機器の販売に規制がかかることになります。2026年以降ではノートパソコンも対象となります。
中国
中国では外部接続端子の規格、充電規格統一を推進が進んでいます。
スマートフォンなどモバイル電子機器における外部接続端子の規格統一の推進を決定し、
XiaomiやHuaweiなどで構成されるChina Communication Standardsが急速充電規格の「UFCS (Universal Fast Charging Specification)」を発表しました。
韓国
韓国ではUSB Type-Cを含むIEC3規格を国家標準(KS)に指定しました。
産学官連携して広い分野の電子機器への普及を狙っています。
インド
EUがUSB-Type-Cのユニバーサル化を発表後に追随する形でインドでもUSB Type-Cの標準化を検討していることが発表されました。
すでにモバイル電子機器やウェアラブル機器の充電ポート統一化の実現可能性を検討するサブグループを形成しています。
電気電子機器廃棄物に関してMoEFCC(インド環境・森林・気候変動省)によって影響調査を予定しています。
ブラジル
ANATEL(国立電子通信庁)は携帯電話を対象としたUSB Type-Cを使用した有線充電インターフェースの準拠を評価するための必須技術要件を定義する法案を提案しました。
ブラジルではスマートフォンに焦点を当てたものになっています。