環境に左右されにくい産業用ミリ波レーダーとは？ - 半導体事業

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基礎アナログセンサーワイヤレス Infineon

ミリ波レーダーとは

ミリ波とは、数十GHz~数百GHzの周波数の電磁波のことを呼びます｡波長が1mm~10mmの為、ミリ波と呼ばれています。ミリ波レーダーとはミリ波帯の電波を使用し、対象物の距離や位置情報及び速度を高精度に検知することが出来るレーダーです。シンセサイザーで生成したミリ波信号を対象物に照射し、反射し戻ってきた電波をもとに、様々な情報の取得ができます。

私たちの生活上では、人感検知や心拍・呼吸検知・ジェスチャー検知、自動車にも用いられています。

ミリ波レーダーを採用する2つの理由

距離を測定する方法には赤外線、超音波、カメラ、ToF センサーなどがあります。ここではミリ波レーダーと比較しながら、ミリ波レーダーを採用する2つの理由について解説します。

理由1　赤外線、超音波方式に比べて高精度

最も低価格で距離を測定する方法として赤外線、超音波方式のセンサーを採用するのが一般的です。
しかし、赤外線、超音波方式は信号の拡散性が高いため、

分解能が低い
測定距離が短い
温度など環境による影響によるバラツキが生じる

といったデメリットがあります。

電波センサであるミリ波レーダーは直進性が高く、環境にも左右されにくいため、高精度な測定が可能です。また、24GHzにおいてはアンテナを小型かできるメリットもあります。

理由2　カメラ、レーザー方式に比べて低コスト、安定動作

高精度に距離を測定する方法としてカメラ、レーザー方式のセンサーを採用する方法もあります。カメラとレーザー方式は直進性が高いため、高分解能、高精度の測定が可能です。

しかし、

高性能なCPUとメモリが必要なため、システムコストが高い
外光、天候、夜間などの環境による影響が大きい
ステレオカメラ、ToFセンサーなどシステムが複雑

といったデメリットがあります。

ミリ波レーダーは外光、天候、夜間、環境に対する安定性が高いため信頼性の高い測定が可能です。また、電波の透過性を利用することでアンテナをカバーで覆うこともできるため製品のデザインの自由度も高く、レーダー方式、周波数、アンテナ設計によって測定範囲、測定精度をコントロールすることができます。

性能とコストのバランスの良さがミリ波レーダーのメリットです。

アプリケーション例

そんなミリ波レーダーは、屋内屋外問わず、様々なアプリケーションに利用されています。

ドローン
スマートフォーム
工業用ロボット
街灯
呼吸・脈拍センシング
スピードメーター
タンクレベルメーター
自動ドア
動作検知

Article header original image sample — アプリケーション例

レーダーの動作方式

レーダーのアルゴリズム及び動作方式は大きく三種類あり、それぞれ検知できる情報が異なります。

用途に合わせて選択し様々なアプリケーションへ展開することが可能です。

製品概要

Infineonが提供する24.0〜26.0GHzで動作する信号生成および受信用のシリコンゲルマニウムMMIC、ミリ波レーダーは、使用者の用途に合わせ最適な製品を選択いただけるようラインアップしています。高周波回路を1チップで集積することができ、小型、低消費電力ながら高精度で速度、距離、方向を測定することができます。

それぞれの製品の特徴及びスペックは以下の通りです。

	BGT24MTR11 E6327	BGT24LTR11N16	BGT24LTR22
特　徴	低位相ノイズVCO、温度補償回路内蔵 1.5GHzおよび23kHz出力の切り替え可能なプリスケーラーオンチップ電源および温度センサー、低消費電力シングルエンドRFおよびLO端子
特　徴	標準品	低消費電力品	マルチチャネル品（RX x 2 / TXx 2）
低雑音指数NFssb	12dB	10dB	8db
高変換ゲイン	26dB	20dB	25dB
高1dB入力圧縮ポイント	-12dBm	-28dBm	-19dBm
Package	VQFN 32pin (5.5mmx4.5mm)	TSNP-16-9 (2.4mmx2.4mm)	WFWLB-52-3 pin (3.63mmx3.63mm)
単電源電圧	3.3V	3.3V	1.5V
消費電力	500mW	300mW	500mW