Uzukiの開発について

ほぼ15年ぶりに回路設計からプロトタイプ製造までを自分の手でやってみました。基板アートワークに至っては25年振り!
新卒で初めて任された仕事が基板設計でした。その頃はトレーシングペーパーにテンプレートを使って手書きでパターンを引いて設計してたんですよ。間もなくCADも使うようになりましたが専用のワークステーションで価格も数百万円はしていたはずです。

それがいまでは回路図設計からシミュレーション、アートワークまでPCの無償ツールでモノ作りができるようになりました。製造もプロトタイプであればイニシャルコストを抑えたメニューもあります。
今回は国内メーカーに基板製造と実装をお願いしましたが、海外に委託すればさらに費用を低減できることもあります。基板設計ツールはDesignSparkPCBを使用しました。

DesignSparkPCB
http://www.rs-online.com/designspark/electronics/jpn/page/designspark-pcb-home-page

もちろん初めて使いましたが直感的なUIで比較的容易に使えるようになりました。
オートルータを備え、基板サイズ・層数・ピン数すべて無制限、しかも商用利用でさえも無償で使えます!
こんなに便利なツールが無償で提供されているなんて!!

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今回の基板設計で一番時間を取られたこと。それは部品ライブラリの作成です。
デバイスメーカーから部品の回路図シンボルやフットプリントのCAD/CAMデータが一部提供されていますが、特に新しくリリースされたデバイスでデータが提供されていない場合があります。

メーカーからDXFファイルが提供されていれば、Accelerated DesignsのUltra Librarianを使ってCADデータをそれぞれのツールフォーマットに変換して出力することができます。

Accelerated Designs
http://www.accelerated-designs.com/

ここでは650万点以上におよぶ部品ライブラリデータも提供されていて、無償アカウントでもそこそこ使えるので便利です。
ライブラリに掲載されていないデバイスも、10pin程度なら約$3、800pinで$64 程度のコストを支払えば、CADデータを納期5日で作成してくれます。お金があれば、大量のデータ入力が必要な場合に便利ですね。
個人的にはもっともっと部品データがタイムリーにリリースされてライブラリーが充実することを期待しています。

と、いまもの作りで基板設計をしている方にとっては当たり前のことでしょうか?自分自身でものを作ることからしばらく離れていた私にとって、知識ではない今回の実体験は目から鱗の経験でした。
長年エレクトロニクス関連の業界で仕事をしてきましたが、もの作りの環境が劇的に変化していることを身をもって実感しています。
でも、ハンダごてはいつまでたっても変わりませんね。

マクニカは、mpression for MAKERSで『MAKERS(メイカーズ)』を積極的にサポートしていきます。

サンプルソースコードも提供

さてハードウェアはできたものの、それを動かすためにはそれぞれのセンサにアクセスしてデータを取得するためのソフトウェアが必要です。
konashi APIを使えば、iOSデバイスのアプリケーションソフトから、Uzukiに載っているすべてのセンサにI²C経由でアクセスできるのですが、それぞれのセンサはレジスタ構造もアクセス方法も異なるので、プログラミングにはセンサのデータシートを読み解かなければなりません。

そこでまずはセンサへのアクセス動作を理解してもらえるように、Mpression for MAKERS ではサンプルコードとして、Objective-C版とJavaScript版を用意して、それぞれ公開しています。
まずはサンプルコードを見て、Uzuki/konashiがどのように動作しているのかを見てみてください。

サンプルコード(Java Script テキスト表示版)
http://jsdo.it/mpression/5pAa

サンプルコード(Java Script インタラクティブ表示版)
http://jsdo.it/mpression/8o23

サンプルコード(Objective-C 版)
https://github.com/mpression/UzukiSensorShield