波長設定を自動化できるCoherent社の独自機能、「Flextune™」とは?

まずは動画で理解、Flextune™機能とは? (3分)

Flextune™機能で解決できる、在庫管理と運用の課題

帯域幅の需要が増え続けるにつれて、サービスプロバイダーのネットワークインフラでは高密度波長分割多重 (DWDM:Dense Wavelength Division Multiplexing) という技術が使われています。DWDMでネットワークを構成するメリットは、拠点間を1本の光ファイバーで結ぶことができる点です。伝送距離が長いほど高額になる運用コストも、DWDMを採用することで大幅に削減することができます。 

 

しかしその反面、波長ごとに異なる型番の光トランシーバ―モジュールの在庫を間違いなく管理することは、現場の運用担当者にとってかなりの負担となります。一方で、波長設定が可能な波長可変光トランシーバーを採用することにより在庫運用の課題は解決されますが、マニュアルでの設定作業が発生することから運用面で多くの課題が発生する可能性があります。 

 

それらの課題を解決するために登場したのが「Flextune™」という機能です。こちらはCoherent社が特許を取得した独自機能で、この機能が搭載された波長可変光トランシーバーモジュールとMUX/DEMUXを使用することで、全自動で波長設定が完了します。これにより、在庫管理の課題、波長設定の運用上の課題を解決することができます。

図:Flextune™が搭載された光トランシーバーモジュールを用いたDWDM構成図

図:Flextune™が搭載された光トランシーバーモジュールを用いたDWDM構成図

上図の場合だと、MUX/DEMUXの各チャネルは対応する波長のみを通し、それ以外をフィルターします。 

 

例えば、CH3のリンクに接続した、Flextune™が搭載された光トランシーバーモジュールはλ1、λ2、λ3と順番に波長スキャンをおこない、λ3のとき対向側に疎通します。対向の光トランシーバーモジュールが光を受信するとλ1、λ2、λ3と順番に高速で波長スキャンをしてACKを返します。スキャン中の光トランシーバーモジュールがACKを受け取るとスキャンを止め、波長が確定します。このようにスキャンを繰り返し、数分ほどで全チャネル分の自動設定を完了させることができます。 

Flextune™対応製品一覧

フォームファクタ―

Coherent 型番

データレート

通信距離

温度範囲

ケーブルタイプ

コネクタータイプ

SFP+

FTLX6873MTC

10G

80km

-40 ~ 85℃

SMF

LC

SFP+

FTLX6682MCC

10G

40km

-5 ~ 70℃

SMF

LC

SFP+

FTLX6882MCC

10G

80km

-5 ~ 70℃

SMF

LC

SFP+

FTLX6872MCC-FL (100GHz grid spacing)

10G

80km

-5 ~ 70℃

SMF

LC

SFP+

FTLX6872MNC-FL (100GHz grid spacing)

10G

80km

-5 ~ 85℃

SMF

LC

SFP+

FTLX6872MCC-FL5 (50GHz grid spacing)

10G

80km

-5 ~ 70℃

SMF

LC

SFP+

FTLX6872MNC-FL5 (50GHz grid spacing)

10G

80km

-5 ~ 85℃

SMF

LC

SFP+

FTLB8612P3CC

10G

20km

-5 ~ 70℃

SMF

LC

SFP+

FTLB8612P3NC

10G

20km

-5 ~ 85℃

SMF

LC

SFP+

FTLB8612P3TC

10G

20km

-40 ~ 85℃

SMF

LC

SPF28

FTLF6836P1BNL

25G

15km

-20 ~ 85℃

SMF

LC

QSFP28

FTLC3351S3PL1

100G

80km

0 ~ 70℃

SMF

LC

QSFP28

FTLC3351S3PL4

100G

80km

-40 ~ 85℃

SMF

LC

在庫管理と運用の課題を解決するFlextune™

Flextune™機能付きの光トランシーバーモジュールを採用すると、多種類の在庫を抱えずに同一製品で対応できるようになるだけでなく、現場におけるヒューマンエラーもなくなり業務を効率化できます。「この機能を使いたくてCoherent社製を選んでいる」といったお客様も多くいらっしゃいます。

 

ネットワーク構築における在庫や運用でお悩みの方だけでなく、これから帯域幅のアップグレードを検討されている方も是非、Flextune™機能が搭載された製品をご検討ください。 ご質問やご不明点がありましたら、お気軽に下記よりお問い合わせください。