一心双方向伝送(BiDi)とは?

BiDi(一般的には「バイダイ」と読みます)という言葉を聞いたことがありますか。BiDiとはBi-Directionalの意味です。

40GBASE-SR4、100GBASE-SR4のマルチモード光ファイバー(MMF)伝送の場合、通常MPOコネクター付き12心多心ファイバーケーブルを使用します。

この12心のうち4心を送信に、別の4心を受信に用いて通信が行われます。

これに対して、BiDi光トランシーバーでは、光ファイバー1心で送信と受信双方向の通信を行います。

MMFを使用する10G、40G、100Gの規格と光ファイバー種別

速度

名称

フォームファクター

光伝送形態

使用光ファイバー

10G

SR

SFP+

送信単方向 1ch
受信単方向 1ch

LCコネクタ・2心

40G

SR4

QSFP+

送信単方向 4ch
受信単方向 4ch

MPOコネクタ・12心
(うち4心は未使用)

40G

SR4 BiDi

QSFP+

送受信双方向 2ch

LCコネクタ・2心

100G

SR4

QSFP28

送信単方向 4ch
受信単方向 4ch

MPOコネクタ・12心
(うち4心は未使用)

100G

SR4 BiDi

QSFP28

送受信双方向 2ch

LCコネクタ・2心

BiDi光トランシーバーを使うメリット

SR4光トランシーバーで使用するMPOコネクタ付光ファイバーは、12心が束になったコード状のケーブルで、1心の光ファイバーよりも太く、屈曲性も劣ります。

ネットワークトラフィックの増大に伴って伝送装置も100G光トランシーバーの収容数が増しており、このため構内や装置間の光ファイバーの本数も増加していますが、本数が増えるほど、従来の多心ファイバーケーブルではその取り回しが課題となります。

また、伝送装置のアップグレードのたびに、装置間に縦横無尽に張り巡らされた光ファイバー群を全数交換を行うことは作業的にもコスト的にも容易ではなく、一定期間はそのまま使い続けられることが求められます。
 

BiDi光トランシーバーは、1台あたりLCコネクタ付き光ファイバー2本で済むため、光ファイバーの取り回しの困難さの解消につながる上に、従来10GBASE-SR SFP+や40G BiDiで構築していたネットワークを100Gにアップグレードする場合にも、光ファイバー群をそのまま利用できる利点があります。

MPOコネクタ付き12心ファイバーとLCコネクタ付き1心光ファイバー

上:QSFP+光トランシーバー

中:MPOコネクタ付き12心ファイバー

下:LCコネクタ付き1心光ファイバー

100G QSFP28 BiDi光トランシーバーの構造

図1にQSFP28 100GBASE-SR4 光トランシーバーのブロック図を示します。

電気側インターフェース(CAUI4)、光側インターフェースともに送受信各4レーンでの伝送となっており、光ファイバーも同様に送受信におのおの4心(合計8心)を必要とします。

 

図2にQSFP28 100GBASE-SR4 BiDi光トランシーバーのブロック図を示します。

電気側インターフェースはCAUI4で共通ですが、内部のNRZ to PAM4 CODEC ICによって、4x25Gbps NRZ ↔ 2x50Gbps(25GBaud) PAM4の変換が行われます。この2つの50Gbps信号が2つのLaser(Laser1,2)と2つのPD(PD1,2)によって伝送されます。

2つのLaserおよび2つのPDは、おのおの異なる波長(850nmおよび900nm帯)で動作するようになっており、異なる波長の送信光と受信光が1心の光ファイバーで双方向に通信します。波長が異なるので、1心の中で送信光と受信光が干渉することはありません。

QSFP28 100GBASE-SR4 光トランシーバー

図1 QSFP28 100GBASE-SR4 光トランシーバー

QSFP28 100GBASE-SR4 BiDi光トランシーバー

図2 QSFP28 100GBASE-SR4 BiDi光トランシーバー

BiDiの400Gへの転用

BiDiは10G、40G、100Gに対応し実用化されてきました。そして現在では400Gが規格化されています(IEEE802.3cm 400GBASE-SR4.2)。

400GBASE-SR4.2では、100GBASE-SR4 BiDiと同様に1心で50Gbpsの双方向通信を行い、これを8心使って400G伝送を実現しています。

400Gトランシーバーでは、既設の100G装置との接続を考慮し400Gを独立した4つの100Gとして扱うアプリケーション(Breakout)も想定されています。

100GBASE-SR4 BiDi光トランシーバーは、400GBASE-SR4.2光トランシーバーのBreakout接続先として用いることが可能です。

お問い合わせ

Broadcom社では、40G及び100GのBiDi光トランシーバーをラインナップしております。

40G BiDi : AFBR-79EBPZ

100G BiDi : AFBR-89BDDZ

 

また、この他にも多数の製品を取り揃えておりますので、Broadcom社光トランシーバー製品ホームページをご覧いただき、ぜひ下記までお問い合わせください。

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