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はじめに

半導体ひずみセンサーSTREALは、株式会社マクニカが独自に設計・開発した高精度なひずみセンサーです。主に金属や構造物の表面に貼付けることで、微小な変形(ひずみ)を高感度で検出します。しかし、接着作業の品質がそのまま計測精度や耐久性に直結するため、正しい接着手順の理解と実践が重要です。
 
本記事ではSTREALの貼付けに必要な道具、接着手順、注意点についてご紹介します。

接着に必要な材料・道具

・接着剤:初期の評価としてThreeBond製 TB2217の接着剤を推奨しております。熱硬化型ですが、80℃と比較的低い温度で硬化することが出来ます。硬化後は高い硬度を持ち、対象物のひずみをSTREALにしっかり伝達します。

・紙やすり(#300~1000):下地処理用です。

エタノール:脱脂・洗浄用、純度の高いものを推奨しております。

ピンセット:センサーの位置決めや押さえつけに使用します。

ミクロスパーテル:接着剤の塗布用、均一な塗布が可能です。

ウエス(キムワイプなど:洗浄用、繊維残りが少ないものを選択してください。

貼付けの作業手順(4STEP)

STEP1 下地処理

1-1研磨

貼付け対象の表面とSR300シリーズ(型名:SRMS300NS0002 or SRMS345NS0002)の裏面を紙やすりで円を描くように研磨します。目的は、汚れや酸化被膜の除去、微細な凹凸を付けて接着強度を高めることです。センサーサイズより広めに研磨し、均質な面を作ることが重要です。

図1:左側(研磨した貼付け対象の表面)右側(研磨したセンサー裏面)

1-2脱脂洗浄

エタノールを浸したウエスで、貼付け面とセンサーの粉塵や油分を一方向に拭き取ります。往復拭きは再付着の原因となるため避けてください。作業の際は十分な換気をおこなってください。

図2:貼付け対象物とセンサーの裏面をエタノールで拭き取る様子。

STEP2 接着剤の塗布

センサー裏面に接着剤を塗布します。

・SR300シリーズ:センサー裏面全体に塗布

・SR500シリーズ:5点となるように塗布

※塗布量は定量管理していませんが、塗りムラや塗り残しがないよう注意してください。

図3:左側(接着剤を塗布したSR300シリーズの貼付け面)右側(接着剤を塗布したSR500シリーズの貼付け面)

STEP3 センサーの貼付け

貼付け面にセンサーを静かに置き、ピンセットで上から軽く押さえます。センサー全周から接着剤が染み出していることを確認してください。接着剤の偏りや不足がないよう、全体に均等な圧力をかけることが重要です。

図4:左側(SR300シリーズを対象物に接着剤で貼付けた様子)右側(SR500シリーズを対象物に接着剤で貼付けた様子)

STEP4 固定と硬化

センサーの上に約1kgの重りまたは10N相当のばねで静荷重を加え、貼付け面に対して垂直に固定します。
※この際、センサー本体のポッティング材(黒い樹脂部分)を圧迫しないように注意してください。

TB2217を使用する場合は、固定後に80℃で30分間の熱硬化処理を行ってください。

図5:左側(SR300シリーズポッティング材の部分)右側(センサー固定・硬化作業のイメージ)

よくある失敗事例と対策

よくある失敗例

下地処理不足:接着強度の低下や早期剥離の原因となります。

脱脂不十分:油分や粉塵が残ると、接着剤の密着性が著しく低下します。

接着剤の塗りムラ:一部が浮くことで、計測値にバラつきが生じることがあります。

固定不良:荷重が均等にかかっていないと、センサーが傾きます。

対策

・研磨・脱脂は丁寧に行い、複数回実施することを推奨します。

・接着剤は作業直前に混合し、速やかに塗布・貼付けを実施してください。

・安定した固定具や重りを選び、作業台の水平を確認してください。

・硬化中は振動や衝撃を避け、安定した環境で作業を行ってください。

・硬化後は、接着部の外観や剥離の有無を必ず確認してください。

よくあるQ&A

Q1. 接着剤の選定基準は?

使用環境や目的に応じて、接着剤を選定してください。弊社では感度・疲労耐久性・クリープを評価し、最適な接着剤の選定を行っております。今回ご紹介したTB2217のような熱硬化型は、高温環境や高強度が求められる場合に適しています。選定に迷った際は、遠慮なくお問合せ・相談ください。

Q2. 失敗しやすいポイントは?

主に「下地処理不足」「脱脂不十分」「接着剤の塗りムラ」が原因です。特に粉塵や油分の残留は剥離の原因となるため、丁寧な前処理が重要です。

Q3. 固定時の注意点は?

SR300シリーズでは、センサー本体のポッティング材(黒い樹脂部分)を圧迫しないようにし、荷重は接着面に均等にかけてください。

Q4. 貼付け後の確認方法は?

硬化後は、接着部の外観チェックとともに、センサーの初期値やゼロ点を確認し、異常がないかを必ずご確認ください。

まとめ・安全上の注意

本記事は、STREALの初期評価における接着作業の一例をご紹介したものです。実際の使用環境や目的に応じて、最適な貼付け方法をご検討ください。接着剤の選定や作業方法に不安がある場合は、ぜひお問い合わせください。

※注意事項
接着剤の取り扱いは、必ずメーカーの安全指示に従い、換気や保護具の着用を徹底してください。また、本記事の内容は参考情報であり、接着に起因する故障や動作不良についてはご使用者の責任となります。

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