IoTやAIが急速に進化する中で、あらゆる製品の「データ活用」が進んでいます。
その根幹を支えているのが、目に見えない変化を“見える化”するセンシング技術です。
この記事では、センシング技術の基本から、「ひずみ」計測がどのように価値を生み出すのかをご紹介します。
センシングが必要とされる社会的背景
近年、IoT化やAI・機械学習の発展により、製品や設備の高機能化・自動化が進んでいます。
それを実現するためには、「正確なデータの収集と分析」が欠かせません。
たとえば、
・温度や湿度、照度などの環境データ
・電流、力、振動などの機械動作データ
こうした情報をリアルタイムで正確に把握することで、機械や製品の状態を見える化し、性能の維持や故障の予防につなげることができます。
このデータ収集を担うのが、センサーとそれを活かすセンシング技術です。
センサーは、目に見えない微細な変化を捉え、装置の制御や異常検知を可能にする、まさに“製品の感覚器官”といえる存在です。
センサー、センシングとは?
センサーとは、物理的または化学的な変化を検知し、その情報を取得するデバイスや装置のことを指します。
温度・湿度・圧力・ひずみなど、あらゆる情報を感知してデータ化します。
人間に例えるなら、「五感」のような役割を果たしており、機械に“状況を理解させる”ための重要な要素です。
センサーの種類の一例
・物理センサー:力・圧力・ひずみなどを数値化
・化学センサー:特定の化学物質の濃度を測定
・バイオセンサー:生体情報を測定
・画像センサー:光を電気信号に変換
これらを組み合わせることで、機械やロボットはより繊細で安全な動作が可能になります。
たとえば、人と協調して働くロボットでは、
・距離センサーで人との距離を測定
・画像センサーで対象物の種類や位置を特定
・トルク、加速度センサーで力加減や動きの滑らかさを制御
このように、センサーの情報がロボットの“目”や“手”のように働き、高精度で安全な動作を支えています。
ひずみを計測する価値とは?
ひずみ(Strain)とは、
物体が力を受けて伸びたり縮んだりするときの変形の度合いを表すものです。
つまり、ひずみを測ることで力を推定でき、物体の状態を知ることができるということです。
ひずみ計測のイメージ
・引張ひずみ:荷物を載せたとき、荷物の重さによって生じる伸びを検知できます。
・圧縮ひずみ:重量物を載せたときの“つぶれる力”の変化を検知できます。
・振動・ねじれによるひずみ:部品や構造物が振動・変形した際の微細な変化も検出可能です。
これらを応用することで、機器や構造物の安全性確認、性能評価、品質管理など、幅広い分野での活用が可能になります。
マクニカ製 半導体ひずみセンサー「STREAL」の特長
装置の状態を把握したり、異常や劣化の兆候を検出するためには、ひずみセンサーの常時計測が欠かせません。
従来は「ひずみゲージ」を用いた計測が主流でしたが、
・周辺機器が大きくなる
・外乱ノイズの影響を受けやすい
・消費電力が大きい
といった課題があり、装置への常時組込みには不向きでした。
そこで登場するのが、マクニカが開発した半導体ひずみセンサー「STREAL」です。
従来の計測システムをわずか2.5mm角のチップに集約し、組込み用途に最適化されています。
STREALの3つの特長
・高精度な計測(1με単位)
100万分の1レベルの微細なひずみ変化を正確に検出可能。
・内蔵補正機能
オフセット、感度、温度特性などが補正可能で、安定した出力が得られます。
・低消費電力設計
わずか3mWで動作し、電池駆動にも対応。長時間の稼働が可能です。
このような特長により、STREALは装置への直接組込みやIoTセンシング用途にも最適です。
もっと詳細を知りたい方へ
本記事の内容をさらに詳細を解説したオンデマンド動画をご用意しています。
STREALの構造や活用事例、導入方法などをわかりやすくご紹介しております。
ご興味のある方は、是非、以下のバナーをクリックしてお申し込みください!