はじめに

こんにちは。ファイです。
「 DCDC コンバータを作成してみた」シリーズ、今回で最後となります。最終回は、 評価中のつまずきを紹介したいと思います。

が、その前に、私が今回作成したDCDCコンバータのおさらいです。
5~7V を入力し、3.3V を出力します。

図1:DCDC コンバータ

評価開始

オシロスコープでリップル電圧を測定しました。リップル電圧とは、DCDC コンバータの微小な振動やノイズのことで、この値が小さいほど、性能の良い DCDC コンバータと言えます。

実際に測定した結果がこちら(表1)。

表1:実機での測定結果

また、試しに図2の回路でシミュレーションもしてみました。

図2:シミュレーションの回路

その結果がこちら(表2)。

表2:シミュレーション結果

ここであることに気づきました。
「あれ…?実機とシミュレーションで全然値が違う?!」(表3)

表3:実機とシミュレーションでの違い

なぜシミュレーションと実機で差が出るのか

表3 を見ると、シミュレーション結果に比べて、実機の測定結果のほうが大きくなっています。
なぜだ…。非常に悩みました。
シミュレーションと違ったら、シミュレーションの意味がないじゃないかと。。。

実機とシミュレーションの違いを調べたところ、すべての係数に許容差があるということが分かりました。

抵抗には、5%の許容差があり、リップル電圧に影響を及ぼすインダクタのインダクタンス値に関してはなんと 20% もの許容差がありました。
そこで式1を使い、実際のインダクタンス値を計算で求めたところ、3.8uH という値になりました。
この値を式2に当てはめ、再度リップル電圧を計算してみると、表4のようになりました。

表4:手計算の結果と比較

この結果から、シミュレーションより実機が大きかった理由はインダクタンス値によるところが大きいと考えられます。
(Vd の誤差もありましたが、L の値に大きな影響は少なかった。)

ほかにもコンデンサの DC バイアス特性などによりコンデンサの容量が小さくなることも誤差が大きかった原因の 1つと考えられます。
Co が小さくなれば、必然的にリップル電圧も大きくなるので、手計算よりも実機のほうが、大きくなります。

抵抗値やインダクタンス値を調べる機器があれば、その値を使ってシミュレーションすることで、より正確なシミュレーション結果がが得られるなと思いました。


学んだこと

シミュレーションと実機では誤差が出ることがあります。
誤差が生じる原因を理解するためにも、それぞれの部品の特徴を知ることが大切だと感じました。
(コンデンサの DC バイアス特性や、インダクタの温度特性など)

また、許容差も考慮に入れて、シミュレーションをすることで、実機での誤差の範囲を把握することができるということも分かりました。これを踏まえて、今後はより効果的にシミュレーションを活用していきたいと思います。

設計者は、許容差などを考えつつ、最悪の条件下でも、問題無く動作するよう設計しなければならないので、大変だと感じました。


最後のごあいさつ

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

約1年間ブログを書いてきました。
製作実習の出来事を、言葉にすることで、自分の技術知識の理解の足りなさを痛感しました。

知っているという状態から、伝えるという段階に一つの壁があることに気づきました。
今後も知識の理解について、意識しながら、学んでいきたいと思います。

約1年間お付き合いいただきまして、重ね重ね御礼を申し上げます。